BIとAIの違いをわかりやすく解説!特徴や使い分け・組み合わせるポイント
ビジネスシーンで普及が進む「BI」と「AI」。どちらも業務改善や効率化を実現するツールですが、違いが曖昧な方もいるのではないでしょうか?本記事では、BIとAIの違いをわかりやすく解説し、それぞれの特徴や使い分け、併用するためのポイントなどを詳しく解説します。
目次
そもそもBI・AIとは?
BIとAIについての理解を深めるために、まずは、BIとAIの基本的な概要を説明していきます。
BIとは?
BIとは「Business Intelligence」の略であり、データ分析技術を用いて、企業の膨大なデータ(いわゆるビッグデータ)から有益な情報を抽出し、ビジネスの意思決定を支援するシステムを指します。
BIを使えば、大量のデータを効率的に分析し、一目で理解できるわかりやすいレポートとして出力できます。エクセル等の手作業でデータ分析をしているケースも多いと思いますが、専門ツールを活用すれば、精密なデータ分析を迅速に行うことが可能となります。
▷BIツールとは?目的や搭載されている機能・仕組みなどをわかりやすく解説
AIとは?
AIは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と訳されています。
AIは人間による学習や判断を真似するシステムの総称であり、複雑なアルゴリズムを通してデータからパターンを学び取り、予測や自動化などのさまざまなタスクを実行してくれます。例えば、チャットボットや自動運転、画像認識システムなどがAIの応用例です。人間に近い知的作業を行うこともできる点が特徴です。
BIとAIの違いとは?
BIとAIはどちらもビジネスの意思決定を支援しますが、そのアプローチには大きな違いがあります。以下に詳しく説明します。
利用される領域の違い
BIは主にビジネスの分析や意思決定の支援に特化しており、企業のデータを効果的に利用して戦略的な洞察を提供するためのツールです。
一方でAIは、ビジネス分野に限らず、医療、製造業、自動運転、顧客サービスといった多岐にわたるシーンで活用されます。人工知能は学習と自己改善の能力を持ち、複雑な問題解決や創造的なタスクにも適用可能です。
利用する目的の違い
BIの目的は、人間によるデータ分析を「支援」することですが、AIは人間の作業を「代替」することを目指しています。両者は重なる領域もあるため混同されがちですが、目的とする概念は異なるのです。
BIの特徴
次は、BIが持つ独自の特性ついて詳しく解説します。
既存の基幹システムからデータを収集・統合できる
BIは、企業のさまざまな基幹システムから売上、生産管理、発注などのデータを収集、統合することができます。
データの全体像を一元的に把握できれば、より効率的に精度の高い分析を行えるでしょう。
収集したデータを分析・集計できる
収集したデータを多角的に分析・集計できることは、BIの大きな特徴です。BIの分析により、売上傾向や顧客行動のパターン、生産性の変動などを詳しく理解できます。
季節ごとの売上変動を把握することで、適切な在庫管理やマーケティングの計画が可能になるでしょう。また、データを多様な側面から分析することで、隠されていた問題を見つけられる可能性もあります。
データの分析結果を可視化できる
BIは複雑なデータ分析結果をグラフや表などに加工し、分かりやすく可視化することができます。
例えば、売上の地域別分布をカラフルな地図で表示したり、売上変動を折れ線グラフで示したりすることで、数字やテキストだけの報告書では理解しづらいデータも、一目で理解できるようになります。
▷【無料】おすすめのBIツール10選比較|選ぶポイントや注意点・有料版との違い
AIの特徴
次に、AIの主な特徴を紹介していきます。
大量データの正確かつスピーディーな処理ができる
AIの大きな特徴は、大量のデータを人間よりも正確に、かつ迅速に処理できる能力です。
例えば、ビジネスにおいて市場の動向をリアルタイムで把握したり、消費者の行動パターンを素早く分析したりすることに役立つでしょう。医療分野の場合には、大量の検査データから病気の予兆を判断することも可能です。幅広いシーンで、AIの特性が役立っています。
自ら学習し性能を向上させる
AIの最大の強みは、自己学習能力を持っていることです。
データの蓄積を通じて判断力性能を向上させることができるため、人間に近い問題解決能力が期待できます。AIがさらに成長することで、人の作業を最小限に抑えることができるでしょう。
データの共通性・類似性を発見できる
AIは蓄積されたデータの中から、共通性や類似性を見つけ出すことが得意です。
例えば、顧客データベースから購買傾向が似ているグループを特定し、行動特性を予測したうえでマーケティング戦略を練ることができます。医療分野においては、症状が似ている患者から、新たな病気のリスク要因を発見するのにも役立つでしょう。
物の識別・異常検知ができる
AIは画像データから物体を識別して状況を判断し、言語化する能力を持っています。
この技術を応用すれば、工場の製造ラインにおけるエラーを自動で検出したり、監視カメラの映像からアラートを識別したりすることができます。また、AIは正常時と異常時のパターンを学習でき、時間が経つほどにその精度は上がっていきます。
意思決定ができる
近年のAIは、分析結果を基に最善のプランを決定する能力を備えています。
例えば、金融業界では投資のリスクを分析して、ポートフォリオの最適化を行うのにも使用されています。AIによる意思決定は、人間の直感や経験を超えた速度と精度で行われるため、数学的に記述できる分野においては、人間には叶わないレベルに達しています。
BIとAIの使い分け
BIとAIをどのように使い分けるべきか、その判断基準について詳しく説明します。
BIが向いているケース
まずは、BIが適しているケースを紹介していきます。
社内データを一元的に管理したい
社内のデータを一元的に管理したい場合は、BIが適しています。
BIの特徴は、膨大なデータを一つに管理できることです。これまで別々に管理していたデータを一つにまとめることで、欲しい情報を迅速に把握できるようになり、社内の情報共有も最適化されるでしょう。
膨大なデータの集計・分析・可視化を行いたい
BIは大量データの集計、分析、そして可視化を実行したいケースに最適です。
複数のデータ群を効率的にまとめ、精密な分析を加えたい場合には、BIにデータを集めてしまうとよいでしょう。汎用的なAIよりもさらに高度な分析ができるうえ、分かりやすいレポートの出力にも対応しているためです。
▷BIツールの導入事例を解説!事例からわかる導入・運用方法や製品を選ぶコツ
AIが向いているケース
続いて、AIが向いているケースを紹介します。
分析から意思決定まですべて自動化したい
AIはデータ分析のみならず、データに基づいて意思決定をし、具体的なアクションを行うことができます。例えば、データ分析の結果を基に、金融取引やWEB広告運用、画像認識によるセキュリティのオンオフなどを自動で処理してくれます。
従来は人間でなければ処理できなかった仕事も、AIによって代替可能となりつつあります。
データ分析・管理の精度を高めたい
BIは整理されたデータの分析と管理には優れていますが、複雑なデータセットや高度な対応はできない場合があります。データ分析・管理の精度を高めたい場合はAIが適しているでしょう。
深層学習などのAIによる先進技術は、日々進化しています。AIはBIを超える能力を備えているため、従来よりも質の高い分析が行えるようになります。
BIとAIを組み合わせるメリット
BIとAI技術を組み合わせることで、どのようなメリットがあるのでしょうか?以下に詳しく紹介します。
データ分析から施行までの全工程を自動化でできる
多くのBIにAI機能が搭載されている理由は、BIとAIを組み合わせることで、データの収集から分析、可視化、施策のシミュレーションから実行に至るまでを、全て自動化できるためです。
内訳としては、データの収集から分析までがBIの主な機能であり、その結果を解釈して次のプランを考案するのがAIの仕事です。もちろん、2つ領域には区分があいまいな部分がありますが、AIの予測能力とBIの詳細なデータ分析を活用することで、より精度の高い意思決定が実現されるでしょう。
精度の高いデータ分析・管理ができる
BIとAIを組み合わせることで、BI単独では処理しきれない複雑なデータの分析や管理が可能となります。
AIの高度な学習能力と予測精度は、データセット内の微妙な傾向やパターンを識別し、それを基にした詳細な分析を可能にします。もし、BIが管理するデータの整合性に問題があった場合でも、AIを併用すれば検知精度を大幅に上げることができるでしょう。
公平な判断ができるようになる
BIは、最終的な意思決定を人が行うため、判断の公平性に課題がありました。
しかし、AIを組み合わせることにより、この課題が解決される可能性があります。AIはデータを客観的かつ一貫した基準で分析し、個人のバイアスや主観が介入する余地なく判断を下すことができるためです。
生産性の向上が期待できる
BIとAIを組み合わせることで、データ分析できる範囲が拡大し、分析の精度も向上します。
例えば、BI導入時に必要となるデータの収集作業をAIに補助してもらうことで、データの母集団が拡充され、より緻密な分析を実現できるでしょう。反対に、BIによる分析結果を、AIの視点から評価させるなどの応用も可能です。それぞれの特性を理解して補い合うことで、さらなる生産性の向上が期待できます。
▷BIツールの価格相場・費用はいくら?価格を決める要素やコストを下げるポイント
BIとAIを組み合わせてデータ分析の精度を高めよう
BIはデータの集約と可視化に優れ、AIは複雑なデータのパターンを識別し、予測分析を行う能力に長けています。BIとAIを組み合わせることで、ビジネスにおけるデータ分析の精度を高められるでしょう。データドリブンな意思決定のために、BIとAIの組み合わせを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
BIツールの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら