CPM分析とは?重要視される理由や活用方法・RFM分析との違いを解説
CPM分析とは、優良顧客のみならずリードナーチャリングにも対応できる分析指標です。本記事では、CPM分析の概要や重要性、分析方法と活用事例をご紹介します。また、CPM分析のデータ収集ができるCRMシステムも紹介しています。
目次
CPM分析とは
CPM分析とは、商品・サービスの購入回数や頻度などから顧客をグループ分けし、それぞれの状態に合わせてナーチャリングを行う分析手法です。LTV(顧客生涯価値)が低い顧客の育成や離脱した顧客へのアプローチを行えます。
ここからは、CPM分析について具体的に解説します。
(1)顧客の購買行動を10パターンに分類して行う
CPM分析では、顧客の購買行動を参考に10パターンのグループ分けをします。グループ分けの基準となる項目は、以下の通りです。
- 商品やサービスの購入回数
- 購入総額
- 初回購入から最終購入までの期間
- 最終購入日からの経過期間
CPM分析の目的は、優良顧客(リピーター)を増やすことです。商品やサービスの購入回数や購入頻度などを参考にして顧客を分類して、それぞれに適したアプローチを行います。
初回購入客には2回目の購入を勧める施策をしたり、離れてしまった顧客には再度購入してもらえる企画をしたりなどが具体的な方法です。
すべての顧客に同じアプローチをするよりも、10パターンに分類してそれぞれに適したアプローチをするほうが、高い効果を期待できます。
(2)ロイヤリティの高い顧客の育成ができる
CPM分析を行ってグループ分けを行えば、顧客に適したアプローチができます。アプローチによってリピート購入や再購入を促進でき、顧客関係の強化も可能です。
顧客関係を徐々に強めていけば、ロイヤリティの高い顧客の育成につながります。売り込みだけでなく顧客満足度を上げるアプローチも取り入れると良いでしょう。
CPM分析の重要性
ここからは、CPM分析の重要性を2つ解説します。
(1)優良顧客の育成による事業の安定
事業を安定させるには、既存顧客を優良顧客に育成するのが効果的です。新規顧客の獲得は既存顧客の育成よりも難しいため、多額のコストがかかります。
具体的には、既存顧客の維持費の5倍コストがかかるとも言われています。そのため、既存顧客を育成し売上を伸ばすほうが事業が安定しやすいでしょう。
また、売上の8割は既存顧客が生み出していると考えられている点も、優良顧客の育成が重要視されている理由の一つです。
CPM分析を行えば優良顧客の育成ができるため、多くの企業が重要視しています。
(2)リードナーチャリングが可能
CPM分析をするとリードチャリングができます。顧客行動に合わせて適切なアプローチができるので、効果的に購入を促せます。
また、企業そのものを好きになってもらったり、顧客満足度を上げたりすれば、競合への流出を防ぐことも可能なので、より高い売上で安定させることができます。
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CPM分析とRFM分析の違い
CPM分析とよく似たものに「RFM分析」があります。ここからは、CPM分析とRFM分析の違いについて解説します。
(1)RFM分析とは
RFM分析は、顧客の購買行動を基準にグループ分けし、それぞれに適したアプローチをする分析手法です。以下の3つを基準として顧客の重要度を決めます。
- 直近の購入日(Recency)……購入日が最近であるほど重要度が高い
- 購入頻度(Frequency)……商品・サービスの購入が高頻度なほど重要度が高い
- 購入総額(Monetary)……購入総額が大きいほうが重要度が高い
R・F・Mを基準に顧客をグループ分けしたら、それぞれに適したマーケティング施策を行います。分析項目はCPM分析と異なりますが、顧客に合わせた施策を行う点は同様です。
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(2)アプローチする顧客層が違う
CPM分析とRFM分析は、アプローチする顧客層が違います。RFM分析は現在も商品・サービスの購入がある顧客(重要度が高い顧客)をメインにアプローチします。
例えば購入日(R)が最近で購入頻度(F)が高い顧客に、さらに商品・サービスを購入してもらえるよう施策を練るのがRFM分析です。
R・F・Mのすべてで重要度が低いと判断された顧客はアプローチを強めてもすぐに売上につながりにくいと判断し、施策を打つのが後回しになります。
一方CPM分析は、離脱した顧客にもアプローチするのが特徴です。顧客育成が目的なので、離脱客も現役客になるようマーケティング施策を打ちます。
(3)アプローチ期間
RFM分析は、短期的な売上アップを目的にしています。CPM分析は時間をかけて顧客を育成するため、中長期的なアプローチを行う点が異なります。
CPM分析で使用される10個の分類指標
CPM分析で使用される10個の分類指標は、以下の通りです。
現役 | 離脱 | |
初回客 | 設定期間内で初回購入している顧客 | 設定期間内で初回購入したけれど、その後離脱した顧客 |
よちよち客 | 設定期間内で2回以上購入している顧客 | 設定期間内で2回以上購入したけれど、その後離脱した顧客 |
コツコツ客 | 設定期間内でリピート実績のある顧客 | 設定期間内でリピート実績があるけれど、その後離脱した顧客 |
流行客 | 短期間で設定金額以上購入している顧客 | 短期間で設定金額以上購入していたけれど、その後離脱した顧客 |
優良客 | 長期間にわたり特定金額以上購入している顧客 | 長期間にわたり特定金額以上購入していたけれど、その後離脱した顧客 |
商品・サービスの購入回数や購入金額で、初回客から優良客まで分類します。そこから現在も購入があるか(現役)、購入がないか(離脱)で、グループが決まります。
CPM分析の方法
CPM分析を行うには、以下3つの手順を踏みます。
- (1)顧客データを抽出する
- (2)顧客データを属性ごとにチャートに分類する
- (3)顧客属性ごとにフォローを行う
(1)顧客データを抽出する
設定期間内の顧客データを抽出してください。その後、「商品やサービスの購入回数」「購入総額」「初回購入から最終購入までの期間」「最終購入日からの経過期間」に注目してユーザーを分類します。
(2)顧客データを属性ごとにチャートに分類する
顧客データを10パターンに分類します。流行客や優良客へのグループ分けで使う「短期間」「長期間」「設定金額」「特定金額」は提供商品やサービスで異なります。商品単価や商品・サービスの使用頻度などで判断しましょう。
(3)顧客属性ごとにフォローを行う
顧客を分類したら、顧客属性ごとにフォローを行ってください。
離脱客は現役客になることを目指して施策を行います。すでに現役客の場合、初回客はよちよち客に、よちよち客はコツコツ客になるよう顧客育成を行います。
CPM分析の活用事例
CPM分析の方法を理解しても、どのように活用すべきかわからない方もいるでしょう。ここからは、CPM分析の活用事例をご紹介します。
(1)初回現役客を現役よちよち客へ育成
現在のよちよち客が2回目にどの商品を購入したか分析します。その結果、「商品A」を初回購入した方は、2回目に「商品A」「商品D」「商品F」を購入してよちよち客になる傾向が高いとわかりました。
このことから「商品A」を購入した初回現役客に対し、商品A、D、Fをプッシュする何らかの施策が有効だとわかります。
続いて、初回現役客が次の商品を購入する(現役よちよち客になる)タイミングも分析してみましょう。もし2週間以内に2回目の購入をする方が多いなら、そのタイミングで商品A、D、Fをプッシュするのが有効だと判断できます。
このように、どのタイミングで何の商品を購入する傾向が強いかが分かると、初回現役客を現役よちよち客へ育成しやすくなります。
例えばメルマガやLINEで商品A、D、Fを宣伝したり、クーポンを配ったりするなどの方法が有効です。サンプルを配るのも良いでしょう。
(2)離脱客に対してDMを配信する
CPM分析は、離脱客の増加防止にも役立ちます。これまでどのタイミングで商品の購入を辞めてしまったのか、どのようなフォローをしてきたのかを分析しましょう。
もし購入後のフォローが足りないと感じたら、定期的にフォローメールを送るようにします。また、DMを活用し、離脱客に割引クーポンやお得な情報を配信するのもおすすめです。
(3)顧客の離脱率の分析をマーケティングに活かす
CPM分析で顧客の離脱率を把握し、マーケティングに活かすのも有効です。
グループごとの人数を月ごとに集計し、横に並べて変化が分かるようにします。月毎や半年、1年などのまとめた期間でどれくらい顧客層の数に増減があるかチェックしましょう。
離脱客が増えたとき、コツコツ現役客が増えたときなどにどのような行動をしたかを振り返れば、原因の特定が可能です。原因を追求することで、次回に活かすことができます。
▷【最新】おすすめCRM(顧客管理システム)22選!機能や料金を徹底比較!
CPM分析に欠かせない!おすすめCRMシステム
顧客行動の分析を手作業で行うと膨大な時間がかかるため、効率的ではありません。
そこでおすすめしたいのが、CRMシステムの導入です。ここからは、おすすめのCRMシステムを5つご紹介します。
(1)Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは、世界で15万社以上が導入している多機能CRMです。
顧客情報をAIで分析してレポーディングし、営業活動を効率化・支援します。基本的なCRM機能以外にワークフロー・承認機能なども利用できます。
提供元 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | Essentials:3,300円/ユーザー数/月 Professional:9,900円/ユーザー数/月 ※無料トライアルあり |
導入実績 | 国内5,000社、世界15万社以上 |
機能・特徴 | 取引先および取引先責任者の管理、商談・案件管理、見込み客管理、モバイル対応、商品とワークフローの自動化、ファイルの同期と共有、売上予測等 |
URL | 公式サイト |
(2)LTV-Lab Plus
LTV-Lab Plusは通販に特化したCRMで、LTV分析や新規顧客継続推移、継続・離脱率分析などができます。
分析結果をもとにセグメントを行って個別にメールを配信したり、ステップメールを設定したりして、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指せます。
提供元 | 株式会社LTV-X |
初期費用 | 55,000円 |
料金プラン | 有効メールアドレス数
|
導入実績 | 1,300店舗以上 |
機能・特徴 | 顧客管理機能、顧客分析・集計機能、メール配信機能、RFM分析機能 |
URL | 公式サイト |
(3)Make Repeater
GMOメイクショップ株式会社が提供するMake Repeaterは、メールマーケティング機能が充実しているCRMです。
顧客情報を分析してセグメント分けを行い、顧客層に沿ったメール配信ができます。さらに売上・効果測定を行いメールシナリオのブラッシュアップを繰り返すことで、より効果を高められます。
提供元 | GMOメイクショップ株式会社 |
初期費用 | 登録メールアドレス数
|
料金プラン | 登録メールアドレス数
サポートプラン
|
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 | メール設定・配信機能、メール配信効果測定機能、分析機能、顧客管理機能、売上シミュレーション、支払管理機能、データ連携(CSV・API)、購入アシスト、かご落ち・レコメンドメール |
URL | 公式サイト |
(4)Simplex
Simplexは購入情報や問い合わせ内容、次回定期配送予定日などの顧客情報を細かく管理できるCRMシステムです。
配送会社とのサービス連携もできるため、バックヤードの業務負担を軽減できます。法改正やユーザーからの要望に応えて定期的なバージョンアップを行うので、常に最新のサービスを利用できます。
提供元 | 株式会社システムリサーチ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | Simplex Liteプラン
Simplexプラン
※別途保守費用が発生 |
導入実績 | 非公開 |
機能・特徴 | 顧客CRM、CTI、受注管理、請求管理、出荷・物流、決済連携、EC連携、分析・集計、証憑管理 |
URL | 公式サイト |
(5)activecore marketing cloud
activecore marketing cloudは、顧客データや売上データなどを統合・分析し、マーケティング施策立案から効果検証までを一貫して行えるシステムです。
AIが顧客の行動・嗜好などに応じてレコメンドし、1to1アプローチを可能にします。
提供元 | 株式会社アクティブコア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 200社以上 |
機能・特徴 | プライベートDMP/CDP、データ分析・可視化、レコメンド、マーケティングオートメーション、効果検証レポート |
URL | 公式サイト |
CPM分析で優良顧客を呼び戻しましょう!
CPM分析で顧客を分類しナーチャリングを行えば、リピート購入や再購入につながり離脱客を呼び戻すことも可能です。
顧客関係を強めたり優良顧客を呼び戻したりするためにも、CPM分析を取り入れることをおすすめします。本記事でおすすめのCRMシステムも紹介したので、ぜひ効率的なCPM分析に役立ててください。
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