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RFM分析とは?目的ややり方・メリット、活用例をわかりやすく解説

2022/11/21 2024/11/01

CRM(顧客管理システム)

RFM分析とは

RFM分析とは顧客分析手法の一つで、Recency (最近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary (購入金額)の指標で顧客のランク付けを行う手法です。本記事では、RFM分析の概要や目的、やり方やメリットを解説します。活用例も併せて紹介しています。

RFM分析とは?

マーケティング戦略に欠かせないのが、顧客分析です。中でも「RFM分析」は効果が高い手法として知られており、多くの企業が取り入れています。

RFM分析は、Recency(最近の購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3つの指標で顧客の購買行動をランク付けし、グループ分けする分析方法です。3つの指標の頭文字を取って「RFM」分析と呼ばれています。

グループごとに最適なマーケティング施策を打ち、購買意欲や購買機会を向上させるために行います。まずは3つの指標について、一つずつ詳しく解説していきます。

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Recency

「Recency」は一番最近の購入日のことです。顧客の商品の購入日を調べて、最近購入している顧客から高いスコアをつけていきます。購入日が近いほど自社の商品への興味関心が高いと判断可能です。

数年前によく購入していても、しばらく購入していない顧客は関心が低いといえるため、低スコアのグループに分けられます。

Frequency​​

「Frequency​​」は頻度の指標で、顧客ごとの来店頻度や購入頻度などを回数の多い顧客から順に高いスコアをつけます。

このスコアが高い顧客は、いわゆるリピーターです。逆にスコアが低い場合は、顧客に適切な商品やサービスを提供できておらず、満足度が低いことが考えられます。

Monetary

「Monetary」は、購入金額の指標です。顧客一人ひとりにおける商品の購入金額の合計を計算し、金額の大きい顧客から高いスコアをつけます。このスコアが高い顧客は、優良顧客であると判断できます。

優良顧客に対して特別なクーポンやキャンペーンなどを用意すると、さらに顧客ロイヤリティを高められるでしょう。

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RFM分析の目的

顧客分析の目的は、顧客の状態を可視化して個別のニーズに合わせたアプローチを行うことです。

例えば、休眠顧客に対して優良顧客と同じアプローチをしても、購買意欲アップにつなげるのは困難です。適切なアプローチを行うためには、まず優良顧客と休眠顧客を見極め、そのうえで最適なマーケティング手法を選択する必要があります。

RFM分析を行えば、顧客の状態をスコアでシンプルにグループ分けすることが可能です。それぞれの顧客グループのニーズに合った適切なアプローチによって、効率的に売上アップへつなげられます。

RFM分析のやり方

ここからは、RFM分析のやり方を詳しく解説します。ポイントは、データをただ収集して分類するだけではなく、先に解決したい課題を明確にすることです。

自社の課題や分析期間を定める

RFM分析で最初に必要なことは、自社の課題を明確にすることです。現状を把握し、何が問題かを確認します。

例えば、商品の売上を伸ばすためにはどうするべきか、商品を一回限りしか購入してもらえない原因は何かなど、仮説も立てて課題を明確化しましょう。

課題が明確になれば、データを収集する期間を定めます。期間は課題に合わせて、過去1年間や昨年の同じ時期などと設定します。

R/M/Fそれぞれの指標の基準を設ける

次に、R/M/Fのそれぞれに基準を設けます。

一般的には基準を5段階に分けることが多く、購買データを参照しながら決めていきます。状況に合わせて、より詳しく分析したい場合は基準を8〜10段階、スピーディーに分析したい場合は3段階など柔軟に変更しましょう。

基準を設ける際は、それぞれのバランスを見ながら均等に定めていく方法と、セールスサイクルや季節性の要因なども踏まえて区切りよく設定する方法があります。どちらの場合においても、それぞれのランクの人数に極端な偏りが生じる場合は基準を見直すことをおすすめします。

5段階で顧客のランクを分ける際の例は、以下のとおりです。自社で基準を設ける際の参考にしてみてください。

R(最近の購入日)

F(購入頻度)

M(購入金額)

ランク5

1週間以内

10回以上

10万円以上

ランク4

1か月以内

8~9回

5万円以上

ランク3

3か月以内

6~7回

3万円以上

ランク2

半年以内

4~5回

1万円以上

ランク2

1年以内

1~3回

1万円未満

データを集め指標に合わせて分類する

指標の基準を設けたら、顧客のデータを集めます。データは、購入履歴を管理しているシステムや会員カードの情報などから抽出して整理するのが一般的です。3つの指標ごとにランクに合わせて分類します。

データを分析しランク付けを行う

各顧客のデータを定めた基準に基づいてランク付けをします。一般的には、ランクごとに1〜5ポイントを振り分けて点数を付けることが多いです。

R、F、Mの合計ポイントでグループ分けをしたり、どの指標のポイントが高いかなどを分析したりします。ランク付けの例として、次の顧客のケースを考えてみましょう。

  • 2か月前に来店して、1万円の服を1点購入した
  • 過去に2度来店し、その時も1万円の服を購入した(購入合計は2万円)

以下のランク付けに当てはめて、スコアを付けてみましょう。この顧客のRはランク3、Fはランク1、Mはランク2となり、合計スコアは6ポイントです。

RFM
ランク5(5ポイント)1週間以内10回以上10万円以上
ランク4(4ポイント)1ヶ月以内8~9回5万円以上
ランク3(3ポイント)3ヶ月以内6~7回3万円以上
ランク2(2ポイント)半年以内4~5回1万円以上
ランク2(2ポイント)1年以内1~3回1万円未満

分析結果から改善施策を考える

分析結果と最初に明確にした課題を照らし合わせ、改善策を考えます。

「優良顧客にはメルマガを積極的に送る」「M(購入金額)のランクが低い顧客にはセット購入を促す」など、それぞれのグループごとに課題の改善策を考えて実施しましょう。

RFM分析のメリット

RFM分析によって、顧客に合わせたマーケティング施策の実施や施策の効率化など、さまざまなメリットが得られます。ここからは、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

顧客に合わせたマーケティング施策ができる

1つ目のメリットは、RFM分析で優良顧客や休眠顧客、離反顧客などにグループ分けをすることで、顧客の属性が可視化される点です。属性が可視化できれば、それぞれの顧客のニーズも分かりやすくなります。

ニーズが把握できれば、グループごとに最適なタイミングでアプローチできるため、施策の効果を出やすくすることが可能です。

マーケティング施策を効率化できる

RFM分析の活用により、マーケティング施策が効率化できます。顧客にスコアを付けることで、すぐに対応すべき顧客グループが可視化でき、優先順位が明確になるからです。

スコアが低いグループにアプローチをしても購買に至る可能性が低いため、効率的ではありません。マーケティングや営業の施策に割けるリソースは限られているので、すぐに効果を出したい場合にはよりスコアの高いグループに重点的にアプローチした方が効率が上がります。

RFM分析の活用例

「自社でどのようにRFM分析を活用すればよいか分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで、ここからはRFM分析の活用例を3つ紹介します。

新規顧客の育成

新規顧客を育成することで、リピーターの獲得につながります。

新規顧客は、一度商品を購入しているため自社への興味や関心が高い状態です。商品購入後、適切なタイミングでアフターフォローメールを配信したり、クーポンを配信したりしてアプローチすることで、リピート購入が期待できます。

別の商品のサンプルやカタログなども送付すると、顧客のファン化も狙えるでしょう。

優良顧客へのアプローチ

優良顧客は、すでにR/F/Mのそれぞれのランクが高い状態です。

優良顧客へのアプローチは売上に直結する可能性が高いため、誕生日クーポンや限定クーポンなどを案内して、顧客ロイヤリティをさらに高めましょう。また、優良顧客限定のイベント開催や限定商品の優先案内などのアプローチも効果が見込めます。

休眠顧客へのアプローチ

休眠顧客へのアプローチは、まず休眠顧客となった理由を分析する必要があります。原因の特定によって、適切なアプローチが可能です。

例えば、リピーターであったものの接点が少なくなり休眠顧客となっている場合は、メールやDM、電話などによる個別フォローが有効です。接触頻度を保つことで、休眠顧客の掘り起こしが期待できます。

RFM分析のデメリット

RFM分析はマーケティングに有効な手法ですが、デメリットもあります。最大限に活用するためにも、気を付けるべき点を確認しておきましょう。

購入頻度が低い商品には適さない

RFM分析は、購入頻度が高い商品のマーケティングで特に効果が期待できますが、購入頻度が低い商品には適さず、効果が期待できません。

購入頻度や購入の総金額などが指標になるため、繰り返し購入してもらえる価格帯の商品でなければ分析が難しいためです。そのため、頻繁に買い換えを行わない不動産や車などの高額商品には、あまり適していません。

分析範囲によって結果が変わる

RFM分析は、最近の購入日や購入頻度を指標にするため、分析範囲によって結果が変わる点に注意が必要です。

例えば、短期間の範囲で分析する時は、一時的に来店人数が多かったり商品がたまたま多く売れたりするなどの偶然の影響に左右されやすくなります。一方で、長期間の範囲で分析する場合は偶然に左右されづらいといえます。そのため、まずは分析の目的を明確にして分析範囲を決定しましょう。

詳細な顧客属性の分析はできない

RFM分析は、最近の購入日、購入頻度、購入金額で分析を行います。これらのデータからは、顧客の購入理由や好み、属性などは分析できないため注意しましょう。

顧客の細かな属性なども分析したい場合は、他の分析方法と組み合わせる必要があります。

RFM分析に他の分析を組み合わせる応用方法

前述したRFM分析の欠点を補うためには、他の分析を組み合わせる応用方法がおすすめです。ここからは、RFM分析以外の4つの分析方法について紹介します。

RFM-D分析

RFM-D分析は、RFM分析に「Distance(距離)」を加えた分析手法です。近距離圏の顧客と、遠距離圏の顧客のニーズや行動の違いなどを分析することができます。

特に店舗の品揃えや、競合他社との差別化を図ることに活用される手法です。遠方からでもわざわざ来てもらえるユニークで魅力ある店舗にすることで、売上向上が狙えます。

RFM分析で判明した優良顧客が、RFM-D分析で遠距離圏から来ていることが分かると、より自社商品やブランドへの思いが強い顧客であると判断できます。そのような優良顧客に対してアプローチすると、より顧客ロイヤリティを高められるでしょう。

RFMC分析

RFMC分析は、RFM分析に「Category(カテゴリー)」の指標を加えた分析方法です。個別商品ではなく、カテゴリー分けして顧客をランク付けします。

RFM分析と組み合わせることで、どのカテゴリーの商品が伸びているかなども可視化でき、より顧客に合ったアプローチ施策が可能です。また、今後注力するべき商品カテゴリーも把握できます。

MRFI分析

MRFI分析は、RFM分析に「Item(商品)」の指標を加えた分析方法です。RFM分析のランク付けを購入商品別に行えるため、リピーターを増やしたい場合に向いています。

例えば、同ランク程度の優良顧客のうち、商品Aと商品Bのどちらが売れているかをMRFI分析で把握すれば、優良顧客に選ばれやすい商品がどちらかが明らかになります。これにより、注力すべき商品や優良顧客へアプローチすべき商品を把握可能です。

デシル分析

デシル分析は、購入金額を基準にして顧客をランク付けする分析方法です。RFM分析のM(購入金額)のみに絞った手法で、RFM分析の簡易版といえます。

ランク付けは、金額ごとに10段階で分けるやり方が一般的です。「デシル」とはラテン語の「10分の1」を指します。

ただし、デシル分析は購入金額のみの指標なので、過去に一度だけ高額商品を購入していてそのあと購入がない顧客も、売上貢献度の高いグループに分類されてしまうケースがあります。より詳細に分析したい場合は、RFM分析と組み合わせて活用するとよいでしょう。

デシル分析とは?活用メリットや分析方法・RFM分析との違いを解説

RFM分析を活用してLTVを最大化させよう

RFM分析を行うことで、顧客ごとに最適なアプローチが可能です。これによりLTV(顧客生涯価値)の最大化が図れ、売上向上が期待できます。

顧客情報の分析はマーケティングの基本なので、RFM分析を活用し、優良顧客を増やして利益アップを目指しましょう。

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ビズクロ編集部
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