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ファクタリングの仕訳方法とは?勘定科目・会計処理について解説

2024/06/26 2024/06/27

ファクタリング・資金調達

ファクタリングの仕訳方法

ビジネスにおける重要な資金調達方法の一つ「ファクタリング」。売掛債権を支払期日前に現金化する比較的新しいサービスですが、どのように会計処理すればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、ファクタリングの仕訳方法について詳しく解説します。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、自社が保有している売掛債権をファクタリング会社に売却して資金化する、資金調達方法の一つです。

債権(=売掛金を回収する権利)を売却することで実際の売掛金回収期日よりも早く資金を得られることに加え、銀行融資のような借り入れではないため返済義務はありません。

必要な資金額が売却する売掛債権の金額内に収まる場合や、資金繰りの改善などに役立てられています。

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ファクタリングの種類で会計処理の方法は変わる

ファクタリングは大きく「保証型」と「買取型」の2種類に分類され、どちらを利用したかによって会計処理の方法が異なります。

保証型ファクタリング

保証型ファクタリングは、取引先が倒産などによって売掛債権が回収できなくなった場合に、ファクタリング会社が債権の一部を保証してくれる形式です。

保証型ファクタリングは保険と同様の仕組みのため、ファクタリング契約を締結した時点で保証料の支払いを行います。

会計処理上、保証料は借方では「支払手数料」、貸方では「普通預金」として処理します。取引先から売掛金を回収した時点で「現金」として計上すればよいだけのため、シンプルな仕訳となります。

買取型ファクタリング

買取型ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却(=譲渡)する形式であり、売却する売掛金から手数料を差し引いたあとの現金を受け取ります。

買取型ファクタリングには、利用者とファクタリング会社の2社間で取引を行う「2社間ファクタリング」と、これに取引先が加わる「3社間ファクタリング」の2種類があります。ファクタリング会社はそれぞれ手数料率の設定が異なりますが、同じ会社でも、2社間と3社間のどちらの取引を選択するかで手数料率が異なることが一般的です。

会計処理上は、ファクタリング契約が締結された時点で借方に「未収入金」として記載し、ファクタリング会社から入金された代金は「普通預金」、手数料は「売上債権売却損」として計上します。

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ファクタリングの仕訳に必要な勘定科目

ここでは、ファクタリングの仕訳に必要な5種類の勘定科目について解説します。

売掛金

ファクタリングの最も基本的な勘定科目で、自社の商品やサービスを提供し、あとから代金を回収する場合に「売掛金」として仕訳します。

利用したファクタリングの種類にかかわらず用いられる勘定科目であり、この売掛金を売却(=債権譲渡)する過程で勘定科目が変わっていきます。

未収入金

買取型ファクタリングにおいて、売却した売掛金の代金が入金されるまでの間は、借方を「未収入金」、貸方を「売掛金」として仕訳します。

自社の商品やサービスを提供した場合の未収代金は「売掛金」として処理しますが、それ以外の未収代金は「未収入金」として処理するのが一般的です。

売上債権売却損・支払手数料

売掛債権売却損と支払手数料は、どちらもファクタリング会社に支払う手数料を処理する際の勘定科目ですが、どちらを用いるかは、利用したファクタリングの種類によって異なります。

買取型ファクタリングの場合は、手数料を差し引いて入金された代金を「普通預金」、差し引かれた手数料を「売上債権売却損」として仕訳します。

一方の保証型ファクタリングの場合は、契約を締結したタイミングでファクタリング会社に手数料を支払うため、「支払手数料」として仕訳します。

貸倒損失

取引先が倒産したなどの理由によって未収入金を回収できなくなった場合は「貸倒損失」として仕訳します。この未収入金には売掛金だけでなく、貸付金や立替金なども含まれます。

なお、買取型ファクタリングでは、売却した売掛金をファクタリング会社が回収できない事態に陥ってもその責任を負わずに済む「ノンリコース契約」が一般的です。つまり、一度売却が済めば、取引先倒産などのリスクから解放されることになります。

雑収入

保証型ファクタリングを利用する場合、売掛金が回収不能に陥った際にファクタリング会社から支払われる保証金は「雑収入」として処理します。

「雑収入」は、本業以外で得た少額の収入を処理する際に用いられる勘定科目であり、ファクタリング会社からの保証金はこれに該当すると考えられるのです。

ファクタリングと債権譲渡登記の違い・関係とは?必要性やメリット・デメリット

保証型ファクタリングの会計処理のタイミング・仕訳例

保証型ファクタリングにおける会計処理のタイミングと、仕訳例を紹介します。

取引によって売掛金が発生した時

取引先との取引によって200万円の売掛金が発生したと仮定する場合、以下のように仕訳します。

借方貸方
売掛金200万円売上200万円

ファクタリング会社と契約締結・保証料を支払う時

保証型ファクタリングの利用者は、契約締結時にファクタリング会社に保証料を支払います。保証料が20,000円だったと仮定した場合、仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
支払手数料20,000円普通預金20,000円

取引先から売掛金の入金があった場合

取引先から売掛金の入金があった場合は、現金の受け取りと引き換えに売掛金がなくなります。仮に売掛金が200万円だったと仮定した場合、仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
現金200万円売掛金200万円

売掛金が回収できなかった時

保証型ファクタリングでは、何らかの理由で取引先から売掛金を回収できなかった場合はファクタリング会社から保証金が支払われます。

この場合、まずは回収不能となった売掛債権を処理し、そのあとにファクタリング会社から支払われた保証金を雑収入として処理します。

この場合も売掛金を200万円と仮定すると、仕訳は以下のとおりです。

借方貸方
貸倒損失200万円売掛債権200万円
普通預金200万円雑収入200万円

買取型2社間ファクタリングの会計処理のタイミング・仕訳例

続いて、買取型の2社間ファクタリングにおける会計処理のタイミングと、仕訳例を紹介します。

取引によって売掛金が発生した時

取引によって売掛金が発生した際の会計処理は、保証型ファクタリングのケースと同様です。売掛金を200万円と仮定した場合、以下のように仕訳します。

借方貸方
売掛金200万円売上200万円

ファクタリング会社と契約をした時

ファクタリング会社との契約時には、買い取ってもらった売掛債権の代金はまだ入金されていないため、以下のように「未収入金」として処理します。

借方貸方
未収入金200万円売掛金200万円

売掛債権の買い取り代金が入金された時

売掛債権の買い取り代金は、元の売掛金額から手数料を差し引いて入金されます。この場合の手数料の処理は「売上債権売却損」です。

仮に手数料を10%と仮定すると、仕訳は以下のようになります。

借方貸方
普通預金180万円未収入金200万円
売上債権売却損20万円

取引先から売掛金の入金があった時

取引先から入金された売掛金は、そのままファクタリング会社に支払うことになるため、「預り金」として処理します。

借方貸方
普通預金200万円預り金200万円

ファクタリング会社に入金する時

回収した売掛金をファクタリング会社に入金する際は、以下のように仕訳します。

借方貸方
預り金200万円普通預金200万円

買取型2社間ファクタリング即日入金の会計処理のタイミング・仕訳例

買取型2社間ファクタリングでは、契約から入金までが即日で完了するケースも珍しくありません。このような場合の会計処理のタイミング、仕訳例について解説します。

取引によって売掛金が発生した時

取引によって売掛金が発生した際の仕訳はこれまでのケースと同様です。売掛金が200万円だったと仮定すると、以下のようになります。

借方貸方
売掛金200万円売上200万円

ファクタリング会社と契約・売掛債権の代金が入金された時

ファクタリング会社との契約、売掛債権の代金の入金が同日に行われた場合は、「未収入金」や「預り金」としての処理は不要です。

手数料を10%と仮定する場合、仕訳は以下のようになります。

借方貸方
普通預金180万円売掛金200万円
売上債権売却損20万円

買取型3社間ファクタリングの会計処理のタイミング・仕訳例

買取型の3社間ファクタリングにおける会計処理のタイミングと仕訳例は、基本的に2社間ファクタリングのケースと同様です。取引の当事者が1社増えるのみで、ファクタリングの仕組みや実際のお金の流れは変わらないためです。

取引によって売掛金が発生した時

取引によって売掛金が発生した際の仕訳は、これまでのケースと同様です。売掛金が200万円だったと仮定すると、以下のようになります。

借方貸方
売掛金200万円売上200万円

ファクタリング会社と契約をした時

ファクタリング会社と契約した際の処理も、2社間ファクタリングのケースと同様です。買い取ってもらった売掛債権の代金はまだ入金されていないため、「未収入金」として処理します。

借方貸方
未収入金200万円売掛金200万円

売掛債権の買い取り代金が入金された時

売掛債権の買い取り代金が入金された際の会計処理も、2社間ファクタリングと同様です。代金は元の売掛金額から手数料を差し引いて入金され、手数料分は「売上債権売却損」として処理します。

手数料を10%と仮定すると、仕訳は以下のようになります。

借方貸方
普通預金180万円未収入金200万円
売上債権売却損20万円

ファクタリングの仕訳に関する注意点

ここでは、ファクタリングの仕訳に関して注意すべき3点を解説します。

売買手数料は「売掛債権売却損」で仕訳する

売買によって発生した手数料は「売掛債権売却損」で仕訳しましょう。会計上、ファクタリングにおける売掛債権の売買は、株式などの金融商品と同様と見なされるためです。

ファクタリングでは、手数料が差し引かれることで、本来得られるはずだった売掛金よりも実際の受取額が目減りします。これを手数料分の「損失が発生した」と解釈し、「売掛債権売却損」として計上するのです。

なお、普段使用している勘定科目に「売掛債権売却損」がない場合は、「雑損失」や「支払手数料」などで代用しても問題ありません。

取引金額や手数料に税金が課されてていないか確認する

ファクタリングの取引においては、取引金額や手数料に税金が課されていないかをよく確認しましょう。売掛債権の売却は「金銭債権などの譲渡」に該当し、非課税取引となるためです。

ファクタリング会社は売掛金や手数料に消費税を加算することができないため、余分に請求されていないか確認することをおすすめします。

決算期末までに入金されなかった売上は課税対象となる

決算期末までに入金されなかった売上がある場合、未入金でも課税対象となる点にも注意が必要です。

即日入金のファクタリングサービスの場合はあまり気にする必要はありませんが、入金までタイムラグがある場合、特に決算期をまたぐ可能性がある場合は十分注意しましょう。

仕訳例を参考にファクタリングの会計処理を適切にしよう

自社の売掛債権を売却(譲渡)することでスピーディーに資金を得られるファクタリング。ファクタリングには大きく「保証型」と「買取型」があり、どちらを利用するかによって会計処理が異なります。

日常的な商品やサービスの売買取引や融資は異なる取引のため、本記事で解説した仕訳例を参考に、適切に会計処理を行いましょう。

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