ナレッジマネジメントツールの選び方は?自社の目的や課題に適した考え方
知識やノウハウを共有する手法を、ナレッジマネジメントと呼びます。ナレッジマネジメントを効率よく導入するには、取り組みに適した支援ツールの活用がおすすめです。本記事では、ナレッジマネジメントツールの選び方から目的や課題に適した考え方まで解説します。
目次
ナレッジマネジメントツールの選び方
ナレッジマネジメントツールを選ぶ際は、以下のようなポイントに気をつけましょう。
1.操作性から選ぶ
操作性の良さは重要なポイントです。どの従業員にとっても使いやすいツールでなければ、全社的に利用が浸透しません。
使いにくいツールを導入してしまうと、結果的に誰も利用しなくなり、導入コストが無駄になる可能性があります。Webデザインが見やすいかどうかも注目し、誰もが使いやすいツールを選びましょう。
2.導入目的から選ぶ
自社の導入目的と合致したツールを選びましょう。例えば、マニュアル作成が目的の企業は「社内ノウハウの蓄積」を売りにしたツールを選ぶことをおすすめします。
必要最低限の機能しか使えない製品もあるため、すべての搭載機能を確認することが重要です。ちなみに、機能が多すぎるツールを選ぶと、どの社員も機能を使いこなせない可能性があるため注意しましょう。
3.対応デバイスから選ぶ
対応デバイスを確認することも重要です。営業などで外回りがある従業員が多い場合、スマホやタブレットで操作できるツールが適しています。
テレワークにも対応させたいなら、マルチデバイス機能がついたツールは必須アイテムです。
4.連携可否から選ぶ
他システムと連携できるかどうかについてもチェックしましょう。
現在使っているツールと連携することで、データの共有が簡単に行えたり、より効率的にツールを活用できたりします。すでに他のツールを導入している企業は、連携可能なシステムの中に導入済みツールが掲載されているかどうか確認してください。
5.セキュリティ対策から選ぶ
セキュリティ対策も大切なポイントの1つです。ナレッジマネジメントツールは、社内・社外に関わらず重要な情報を取り扱います。情報漏えいを防止するためにも、サーバー監視や暗号化などに対応しているツールがおすすめです。
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ナレッジマネジメントツールの種類
ナレッジマネジメントツールには、以下のような種類があります。
ファイル共有型
「ファイル共有型」は、さまざまなファイルを社内で共有し、場所を問わずにアクセスできる状態にするツールです。
面倒な手順をふまなくても共通したドキュメントにメンバー全員で目を通せるので、業務がスムーズに進みます。
グループウェア型
「グループウェア型」は、社内やチームメンバーのコミュニケーションを活性化するためのツールを指します。主な機能はチャットやメッセージです。
テレワーク時でもメンバー同士で積極的にコミュニケーションを取れるため、人間関係の構築に役立ちます。
ヘルプデスク型
「ヘルプデスク型」とは、問い合わせ全般に対応するツールです。顧客からの問い合わせだけでなく、従業員の間での業務に関する問い合わせも含みます。
AIチャットボットを使って問い合わせに回答したり、事前に幅広いFAQを用意したりします。
ベストプラクティス共有型
「ベストプラクティス共有型」は、過去の成功例やノウハウを共有してナレッジとして蓄積するツールです。
社内wikiとも呼ばれます。ナレッジを気軽に検索できる状態にしておけば、不明点があった時にすぐ方法を調べられます。
エンタープライズサーチ型
「エンタープライズサーチ型」は、社内の情報を迅速に検索するためのツールです。
検索機能が充実しており、あいまいな単語で検索しても的確な回答を見つけられます。テキスト媒体だけでなく、ファイル内からでも自由に検索が可能です。
経営資産・戦略策定型
「経営資産・戦略策定型」は、各組織・部署が所持しているナレッジを分析し、経営戦略に活かす際に使うツールです。
全社員に向けて導入するというよりも、上層部が利用するツールといえます。より精度の高い情報が必要な場合に有効です。
ナレッジマネジメントツールにより得られる効果
ナレッジマネジメントツールを利用すると、以下のような効果が期待できます。
能力が向上する
ナレッジの蓄積によって各従業員のレベルに適した教育を行えます。
なにかわからない点があった際も、適切な対処方法を迅速に学べるため、成長スピードも早いです。結果として、従業員の能力が大幅に向上するでしょう。
コストや手間を削減できる
業務のコストや手間を削減することができます。
データ検索機能やファイル共有機能を使って、短い時間で最大限のパフォーマンスを発揮できるからです。膨大な資料の中から、いちいちデータを見つけ出す手間が不要になります。
データの共有がしやすい
ナレッジマネジメントツールを利用すると、社内でデータの共有がしやすくなります。
紙媒体に印刷したり、メールでアドレスを指定して送信したりする必要はありません。過去のデータにも簡単にアクセスできるため、情報も収集しやすくなるでしょう。
必要な情報を選別できる
業務に必要な情報を選別できる点も大きなポイントです。
膨大なデータから自分に必要な情報をすぐ取り出せるため、無駄な時間をかけずに済みます。情報の取捨選択が素早く行えると、空いた時間をクリエイティブな業務に費やすことも可能です。
属人化を防止する
ツールを活用すると業務の属人化も防止できます。
「特定の従業員しか業務を行えない」という状況が避けられるので、急な退職者や休職者が出たときでも安心です。安定した職場環境を維持できるため、社外から見た印象もアップします。
ナレッジマネジメントツール導入の課題
ナレッジマネジメントツールを導入する際は、課題が出てくることもあります。ここからは、どのような課題が出てくるのか確認します。
ナレッジを共有する文化がない
社内にナレッジを共有する文化がないと、ナレッジマネジメントツールを導入しても定着しない可能性があります。
紙でのマニュアル作成や口頭での情報伝達が一般化している企業は、事前にナレッジを共有できるようにしておく必要があります。
ナレッジの共有が続かない
一度ナレッジの共有を開始しても、定着していない企業では共有が続かない可能性があります。継続してナレッジの共有を続けるには、専門部署やチームの立ち上げが必要です。
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ナレッジの共有を後回しにする
ナレッジを共有する文化が構築されていない会社では、忙しさを理由にして、ナレッジの共有が後回しになってしまうこともあります。重要なデータが蓄積されないため、ナレッジの価値が下がってしまいます。
ナレッジの共有にルールがない
ナレッジの共有にルールを設けていないと、ツールを導入しても活用しなくなってしまいます。ツールを導入する前に、共有方法や頻度などを決めておくことが重要です。
ナレッジマネジメントツール導入時の注意点
ナレッジマネジメントツールを導入する際は、以下で紹介する点に注意してください。
社内に取り入れやすいツールか
導入を考えているツールが、社内に取り入れやすいツールかを確認しましょう。
自社で求めている機能がついているか詳しく調べて複数のツールを比較検討してください。搭載されている機能をリストにまとめると、視覚的にもわかりやすいのでおすすめです。
自社の予算に見合ったツールか
自社の予算に見合ったツールかどうかもチェックしましょう。
自社の希望に合致したツールがあっても、費用が高額すぎて継続して使用できないと意味がありません。機能性の高さや機能数と価格を比較し、よりコストパフォーマンスが高いものを選んでください。
▷無料のおすすめナレッジマネジメントツール8選!個人向けや有料版との違い
セキュリティ対策は万全か
セキュリティ対策が万全であるかも確認してください。特に、重要なデータを取り扱うことが多い企業は、情報漏えいや不正アクセス防止がしっかりと行われているツールを選びましょう。
おすすめのナレッジマネジメントツール5選
おすすめしたいナレッジマネジメントツールを、5つ厳選して紹介します。
1.Qast
Qastは、シンプルでわかりやすい操作性で、初心者でもすぐに操作できる点が特徴です。Q&AやWiki機能を使って、社内ナレッジを蓄積していくこともできます。
提供元 | any株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 4,000社以上(※2023年01月時点) |
機能・特徴 | 画像・動画プレビュー、Q&A、wiki機能、テンプレート、ファイル内検索、プロフィール表示、権限設定、ダッシュボード表示など |
URL | 公式サイト |
2.NotePM
NotePMは、社内マニュアル作成に長けているツールです。検索機能も充実しているので、従業員が求める情報をすぐに見つけ出すことができます。
提供元 | 株式会社プロジェクト・モード |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | プラン8:4,800円(税込)/月 プラン15:9,000円(税込)/月 |
導入実績 | 7,000社以上 |
機能・特徴 | マニュアル作成、検索機能、動画共有、変更履歴自動記録、レポート作成など |
URL | 公式サイト |
3.DocBase
DocBaseは、同時編集が可能なナレッジマネジメントツールです。チームメンバーの全員で1つのドキュメントを編集できるため、迅速な情報共有ができます。
提供元 | 株式会社クレイ |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | スターター:990円(税込)/月 ベーシック:4,950円(税込)/月 |
導入実績 | 10,000社以上 |
機能・特徴 | 文書作成、検索機能、セキュリティ対策など |
URL | 公式サイト |
4.esa.io
esa.ioは、スムーズな情報共有ができるよう配慮されたツールです。まだ完成していない状態の文書をチームメンバーと共有することでアイデアを募り、ドキュメントを育てていきます。また、Chatworkなどの各種サービスと連携できる点もメリットです。
提供元 | 合同会社esa |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 一人 500円(税込)/月 |
導入実績 | 3,000社以上 |
機能・特徴 | 文書作成など |
URL | 公式サイト |
5.monday.com
monday.comは、世界的に有名なツールの1つです。あらゆる業務を一つの場所で一元管理できるので業務効率の向上に期待できます。また使い方に合わせて料金プランを変更できるので、今後ナレッジマネジメントツールを活用するか確認したい企業におすすめです。
提供元 | monday.com株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 個人:無料 ベーシック:一人 900円/月 |
導入実績 | 世界中で152,000社以上、国内で500社以上 |
機能・特徴 | ダッシュボード、ツール統合、ガントチャート、文書作成など |
URL | 公式サイト |
ナレッジマネジメントツールの選び方を把握して自社に最適なツールを導入しよう
ナレッジマネジメントツールを導入すると、会社のノウハウやマニュアルを共有することができます。今後会社内で情報共有を行っていきたいと考えている場合は、ナレッジマネジメントツールの活用がおすすめです。本記事を参考に、ぜひ自社に合ったツールを探してみてください。
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