【必見】わかりやすい操作マニュアルの作り方!ポイントや注意点を解説
操作マニュアルを作ることで、作業品質の均一化や業務効率の向上など様々なメリットが期待できます。一方で、社内で活用されるわかりやすいマニュアルを作ることは、意外に難しいものです。そこで本記事では、操作マニュアルの作り方について、手順やポイント、注意点などを詳しく解説していきます。マニュアル作成に役立つ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
操作マニュアルとは?
操作マニュアルとは、会社で使用している機器やシステム・ツールなどの操作方法について記述したものです。
ビジネスシーンで使うマニュアルには、業務マニュアルや・教育マニュアル・危機管理マニュアルなど、様々な種類があります。これらは仕事の進め方や教育方針・研修施策などが記述されているものです。
操作マニュアルは、機器などの「使い方」(操作方法)に焦点を当てたマニュアルです。利用者は操作マニュアルを見ることで、その作業手順や操作方法を知ることができます。
操作マニュアルを活用することで、作業品質の均一化や業務効率化などが期待できます。
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操作マニュアルを作る際に記載する内容
ここでは、操作マニュアルを作る際に記載すべき、以下の3つの内容について詳しく解説していきます。
- 操作の目的
- 操作の手順
- 操作の結果
操作の目的
操作マニュアルで機器やシステム・ツールの具体的な操作方法を説明する前に、まずは操作の「目的」について記述します。
操作の目的を確認することによって、利用者はこの操作を自分が行うべきか、あるいは別の社員の担当なのかが判断できます。また自分が知りたいことが当該のマニュアルに記載されているかどうかもわかります。
たとえば、コピー機の操作マニュアルの場合、目的がカラーで印刷製本されたパンフレットを作るのか、もしくはA4モノクロ印刷1枚のみの資料を印刷するのかで操作方法や操作対象者が変わってきます。
通常、パンフレットを作ることがない部署や担当者の場合には、この製本方法が記載された操作マニュアルを手に取ることは少ないでしょう。一方で、パンフレットの作り方を確認したい担当者にとっては通常の印刷方法とは違った使い方を確認したいはずです。
このように、最初に操作マニュアルの目的を明示しておくことで、利用者は適切なマニュアルを手に取り、操作を開始できるのです。
操作の手順
操作の目的について記述したら、次に操作の「手順」について示します。先のコピー機の例で言えば、特定の出力結果(パンフレットもしくは1枚ペラ)を得るために、どのような操作が必要でどの順番で実行すべきかを正確に示さなければなりません。
このとき、数字を使って操作手順をしっかりと明示することはもちろん、写真やイラスト、動画なども活用しながら、利用者が迷うことなく操作ができるように工夫する必要があります。
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操作の結果
操作マニュアルには、先の手順を踏んで実行した場合に、どのような「結果」が得られるのかも明示します。
利用者はマニュアルで結果を確認することで、自分が確認しているマニュアルが適切なものであるか否かがわかります。また、作業を進める時にイメージしやすくなるので、迷わずに機器やツールなどを操作できるようになります。
操作マニュアルの作り方・全手順
操作マニュアルの作成手順は、次の5ステップです。
- STEP1:利用者像の設定
- STEP2:全体の構成設計
- STEP3:説明の記載
- STEP4:Q&Aの設置
- STEP5:担当者への連絡方法の記載
一つずつ、順番に解説していきましょう。
STEP1:利用者像の設定
操作マニュアルは利用されなければ意味がありません。そこで、まずは誰が利用するのか、利用者像を明確にしておかなければなりません。利用者が想定できれば、具体的にどのような操作マニュアルを作ればよいのかがわかります。
たとえば、IT部門の社員を利用者として想定するケースでは、クラウドストレージの操作方法など基本的な項目については細かく説明する必要はないでしょう。むしろこのケースでは、クラウドストレージのイレギュラーな操作方法や、より便利に利用するための高度な操作方法を記載するほうが適切かもしれません。
一方で、クラウドストレージに慣れ親しんでいない人を利用者として想定するケースでは、基本的な機能とその操作方法をまずは説明すべきです。高度な操作方法は、必ずしも記載する必要はないでしょう。
このように、どのような利用者を想定するかによって、操作マニュアルのレベルが変わるため、まずは利用者像を考える必要があるのです。
STEP2:全体の構成設計
利用者像を設定したら、次に全体の構成設計を行います。操作マニュアルは、先に説明した操作の目的・手順・結果の3つの要素によって構成されるものです。これらの要素を満たすように、操作マニュアル全体の構成を設計します。
ここでは、何を記載すべきかについて情報を整理し、骨子を作ります。構成を設計することは、目次を作成することでもあります。必要な項目を並べ、抜けや漏れがないか見極め、必要に応じて補足事項なども付け加えましょう。
STEP3:説明の記載
操作マニュアル全体の構成が決まったら、次は実際に中身を記載していきます。
説明はテキストが基本になりますが、キャプチャ画像やイラストも活用すると良いでしょう。文字情報だけの操作マニュアルはわかりづらく、活用されなくなってしまうおそれがあります。
写真やイラスト、図版に加えて、用途によっては動画などを積極的に使い、視覚的な面から理解を促すことで、操作マニュアルの利活用につながります。
また操作マニュアルは、機器やシステム・ツールの使い方を明示するものなので、操作手順には番号を振り、作業の順番がわかるように記載しましょう。
文章はシンプルかつ簡潔に記載し、冗長な表現は避けましょう。原則は、一つの手順に一つの文章(と写真やイラスト)を対応させます。
一つの写真やイラストに複数の手順が記載されていたり、ページ全体が大量の文字で埋め尽くされているとわかりづらくなるので、バランスを考える必要があります。
他にも、余白を大きくとったり、読みやすいフォントを使ったり、重要な部分のテキストの色や太さを変えるなど、ビジュアル的にわかりやすいマニュアル作りを心がけましょう。
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STEP4:Q&Aの設置
間違えやすい事項、あるいは、よく問い合わせがある事項については、操作マニュアルの末尾にFAQとしてまとめておくと、利用者が操作で困ったときに自分で解決できる可能性が高まります。
管理者や詳しい社員が逐一問い合わせに対応していると業務効率が下がるので、できる限り利用者自身が解決できるような仕組みを作ることが大切です。
STEP5:担当者への連絡方法の記載
操作マニュアルの最後には、操作マニュアルに関する問い合わせ先を記載します。問い合わせ先を明示することで、間違いやすい部分、問い合わせの多い部分がわかり、担当者へのフィードバックになるのです。
そうした項目については、操作マニュアルを更新する際に、FAQとしてまとめたり、操作手順や内容を変更したりするときに役立てられます。
見やすい操作マニュアルを作るための7つのポイント
社員が利用しやすい操作マニュアルを作るために気をつけたい、7つのポイントを紹介していきます。
1.目次を設置する
まずは目次を設定します。目次の有無によって検索性に大きな差が出てきます。
利用者は、目次を確認することで、何がどこに書いてあるのかを理解できるようになります。逆に言えば、記載がない項目を探す手間や時間を削減できるようになります。
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2.視覚的要素を使って説明する
たとえば、ITツールのマニュアルであれば、実際に使っているパソコンの画面キャプチャを貼ることで、具体的な操作手順を示せます。
キャプチャや写真のような視覚的要素を活用した方が、利用者にとっても直感的にわかりやすくなるでしょう。また、フローチャートのような図を利用したり、イラストなどを活用することで、文章だけで作成するよりもより理解が深まります。用途によっては、動画を活用するのも効果的です。
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3.目的ごとに管理する
操作マニュアルは、目的別に管理しましょう。利用者の目的ごとに操作マニュアルを整理しておけば、利用者が何をしたいかに応じて、適切なページを参照できます。
たとえば、コピー機の操作マニュアルであれば、「製本印刷をしたい」「モノクロコピーをしたい」「カラーコピーをしたい」「彩度を変更したい」など、利用者がコピー機を利用する際に行いたいこと(目的)を整理して、操作マニュアルの目次を作成しましょう。
もし、コピー機の操作方法という「機能」で管理してしまうと、利用者は機能一覧から必要な項目を探すことになり、時間や手間がかかります。
マニュアルの利用を促進するためにも、目的ごとにきちんと整理して、利用者目線に立った作成を心がけることが大切です。
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4.手順と結果を明確に分ける
操作マニュアルでは、目的・手順・結果の3つの要素を記載する必要があります。目的は利用者の検索性を高めるために記載し、手順と結果で利用者の具体的な操作方法について記述します。
ユーザーの理解を助けるためには、「操作手順」と「操作結果」をはっきりと分けておく必要があります。操作手順通りに行ったうえで得られる操作結果は、原則1つでなければなりません。操作結果が2つあると、利用者はまだ続きの操作手順があると勘違いしてしまいます。
具体的な対策としては、レイアウトやデザインを工夫することで、手順と結果の違いを明確化できます。
5.3STEPで簡潔に説明する
操作マニュアルの具体的な操作方法について記述する際には、以下の3STEPを簡潔に示しましょう。
- 操作前の状態
- 操作中の状態
- 操作後の状態
利用者は操作前の状態を把握することで、次に何をすべきかがわかります。また、操作中の状態を理解することで、適切な手順で実行できているか確認できます。最後に、操作後の状態をチェックすることで、正しい順番で適切な操作を行えているかがわかります。
この3STEPで説明すれば、利用者は作業途中に混乱せずに機器やツールを操作できるはずです。
6.疑問点や注意事項を記載する
疑問点や注意点について、注釈を付けておくことで、操作マニュアルの質が向上します。正規の手順を踏まずに間違って操作した場合、どのような問題が生じるのかを説明しておくことで、利用者に注意喚起ができます。
勘違いしやすい手順や疑問がわきやすい項目について、別途項目を立てて記載することで、利用者の使い勝手が向上するでしょう。また禁止事項も目立つ記述方法で付記しておきましょう。
操作マニュアルは基本的には、機器などを使う人たちが独力で操作することを助けるためのものです。そのため、操作マニュアルには、機器やツールの管理者や担当者への問い合わせ回数が減るような工夫を盛り込むことが大切です。
7.テンプレートを活用する
マニュアルを1から作成しようとすると「どのようなデザインにすれば良いか」「何を書けば良いのか」などの様々な疑問が生じてんか中作業が進まないケースも十分に考えられます。
マニュアル作成は時間をかけすぎるべき作業ではないため、既存のテンプレートを活用するのもスムーズに作成する一つの手段です。テンプレートにはどのようなに内容をどこに記載すれば良いのかが一目でわかります。
テンプレートはネットで検索をすればたくさんヒットするので、使いやすいと感じるものを活用してみましょう。
操作マニュアルを作る際の注意点
ここでは、操作マニュアルを作成する際の注意点を3つ解説します。この3点を意識して作成することで、操作マニュアルのクオリティ向上につながるはずです。
無理にまとめようとしない
1つの操作マニュアルにすべての内容を記載しようとすると、膨大なページ数になってしまいます。操作に関する詳細な説明は取扱説明書に記載されているので、改めて操作マニュアルを作成する必要はありません。
むしろ、操作マニュアルでは、ユーザーの利用シーンをあらかじめ想定して、よく使われる機能だけを説明しておけば良いのです。操作マニュアルは業務に役立てるために作成するものなので、機器やシステム・ツールの操作方法をすべて網羅する必要はありません。
たとえば、コピー機の拡大縮小印刷機能が会社であまり使われないのであれば、わざわざその機能を使うための説明を記載する必要はないでしょう。細かい操作方法は取扱説明書に任せ、業務で使う頻度の多い項目にページを割いた方が利用者に対して親切です。
標準的な使い方だけを記載する
操作マニュアルは、標準的な使い方だけを記載すれば事足ります。高度な機能や、あまり業務で使われないような機能は、取扱説明書や別途担当者に問い合わせることで対応できます。
利用者は細かすぎる内容が記載されていたり、見るからにページ数が多いマニュアルに対して、尻込みしてしまうかもしれません。社内で操作マニュアルを活用してもらえるように、標準的な項目だけに絞るなど、工夫をしましょう。
完璧に仕上げようとしない
操作マニュアルははじめから完璧に仕上げる必要はありません。利用者が活用してはじめて操作マニュアルは完成します。
利用者が活用し始めれば、どうしても利用者にとって足りない部分が出てくるはずです。そのような問い合わせが増えたときに、操作マニュアルを更新したり、追記すれば十分です。
時間の経過とともに、業務担当者が入れ替わることもあるでしょう。新しい担当者になったら、操作手順や操作内容に不明点も出てくるはずです。その場合も、都度内容をアップデートすることで徐々に精度を高め、完成形に近づけていけば良いでしょう。
操作マニュアルを作る際に役立つおすすめのツール
操作マニュアルを作る場合、多くの会社ではOfficeソフトを活用しています。一方、最近は使いやすいマニュアル作成ツールを利用する会社も増えてきています。ここでは、両者の特徴などを紹介していきましょう。
Officeソフト
操作マニュアルを作成している多くの企業は、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeソフトを利用していることでしょう。Officeソフトでも、上述した手順やポイントを押さえれば、効果的な操作マニュアルを作成することが可能です。
通常業務で使用している分、多くの社員がソフトの利用に慣れています。また、Word・Excel・PowerPointなど、それぞれの強みや特徴を生かすことで、見やすい操作マニュアルを作ることは可能です。
ただし、Officeソフトを使うことにはデメリットもあります。たとえば、Officeソフトを使って操作マニュアルを作成した場合、データの管理が難しくなる場合があります。
マニュアルデータを作成者が保管している場合、リライトしたり更新したりするたびに、既存のマニュアルを差し替えなければならないという手間がかかります。適切に管理できない場合には、古いバージョンと最新のバージョンが混在してしまうおそれもあるでしょう。
またOfficeソフトは社員のスキルによって、作成したマニュアルのクオリティに差が出る場合もあります。作る人によって、デザインがバラバラで統一感に欠けるケースも出てくるでしょう。品質が低い場合には、社内で活用されなくなる可能性もあります。
▷マニュアル作成は何を使う?ワード・エクセル・パワーポイントを比較
マニュアル作成ツール
マニュアル作成ツールは、マニュアル作成に便利な機能が搭載されたソフトウェアのことです。
マニュアル作成に便利なフォーマットやテンプレートを利用できたり、描画ツールが利用できたりと、利用者がマニュアルを作成しやすい機能がたくさん搭載されています。
データをクラウド上で管理することで、いつでもどこからでも操作マニュアルにアクセスでき、修正や更新も即座に反映できるというメリットがあります。また、Officeソフトと違い、データの共有も簡単にできるのでバージョン管理がしやすいのも利点の一つです。
さらに、マニュアルにコメントを付けたり、いいねを付けたりできる機能が搭載されているものもあり、簡易的な社内SNSとしても利用できるなど、マニュアル活用の幅を広げられるのが魅力です。
マニュアル作成ツールには、無料で使えるソフト以外にも、多機能な有料ツールもあります。不必要な機能がある場合にはその分コストがかかってしまうこともあります。そのため、自社に合った適切なツール選びが重要になります。
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操作マニュアルの作り方を理解してわかりやすい説明を心掛けよう
わかりやすい操作マニュアルを作成し活用が進めば、作業品質の均一化や業務効率化などが期待できます。また、社員自らが操作マニュアルを活用して操作方法を理解すれば、誰かが教える必要もなくなり、その分指導の時間も削減することができます。
マニュアル作成には、Officeソフト以外にも、マニュアル作成に特化したツールを利用する選択肢もあります。専用ツールを使えば、簡単に高品質なマニュアルが作れ、データ共有がスムーズに進むでしょう。
ここで紹介したポイントや注意点を参考に、社内で活用が進む操作マニュアルの作成に着手してみてはいかがでしょうか。
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