リモート営業とは?基本知識から実践する方法・良くある課題を解説
リモート営業とはオンライン商談などを行って、リモート環境で営業することです。今回はリモート営業の概要や実践する方法、メリット・デメリットや注意点を紹介します。さらにリモート営業を活用した企業の事例も解説するので、参考にしてください。
目次
リモート営業とはオンラインで行う営業活動のこと
オンラインツールを利用して、遠隔地に営業活動を行うことを「リモート営業」といいます。昨今、企業活動全体のリモートワーク化が進んでいますが、営業活動もまた例外ではありません。
(1)オンライン商談を活用する
コロナ禍以前より、オンラインによる営業活動は注目されていました。深刻な人手不足により、長い時間働くことのできない人材の活用などを目的として、オンラインツールが必要とされ始めたからです。
(2)コロナ禍・テレワーク推進を背景に需要が上昇した
もともと日本は、アメリカのように顧客との距離が遠く直接会うのが難しいというケースが少ないので、対面営業に依存する傾向が続いていました。それを強制的に方向転換させたのが新型コロナウイルスです。
コロナ禍による移動制限やテレワークの推進により、リモート営業に本格的に乗り出す企業が増えてきています。またリモート営業は、働き方改革による長時間労働の是正、働き方の多様化など、従業員の負担軽減のために導入されている側面もあるのです。
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リモート営業を取り入れる5つのメリット
新しい営業形式を考えるには、まずリモート営業の特色を理解する必要があります。対面営業にはないリモート商談のメリットを活かせば、新しい案件獲得にも繋がっていくでしょう。
ここでは5つのリモート営業のメリットをご紹介します。
(1)移動コスト・時間の削減
顧客に会いに行き対面で商談をする営業活動では、どうしても交通費、宿泊費などの費用が多く発生してしまいます。しかし、リモートで商談を行えば、こうした経費は掛からずに済みます。
移動時間もなくなるため、その時間を他の業務に費やすことも可能となり、結果的に大幅なコストカット、生産性の向上に繋がるのです。
(2)営業ノウハウの共有
リモート営業ではオンラインツールなどを利用するため、商談の様子を手軽かつ正確に記録できます。その動画を他の営業担当と確認することで、成績の良い営業担当者がどのようなやり取りを行っているのか、広くノウハウを共有することが可能です。
また、従来の営業活動では一人に対し一人の指導員が同行するやり方が主流でした。しかし、リモート営業に移行することで、一人の指導員が複数人に対して教えることができるため、効率化が図れます。
(3)人材流出の防止
出勤が必要な職種の場合、遠方に住んでいる人や、育児介護などを抱えている人は、優秀な人材であっても仕事が続けづらくなります。
しかし、リモート営業を導入すれば、遠隔でも活躍することが可能になるため、人材の流出を防止できるのです。
(4)商談件数の増加
対面商談の場合、顧客の会社に訪問する必要性から顧客数に限りがありました。しかし、リモート営業が主流となれば、物理的な距離は問題になりません。
営業エリアを飛躍的に拡大できる上、これまで移動にかけていた時間を営業活動に回せるため、商談件数の増加が期待できます。
また、オンライン面談は商談時間も対面より短くなることが多いので、従来よりも多くの取引先にアプローチができるようになるのです。
(5)営業活動の効率化・負担軽減
リモート営業を行うと、移動や顧客との人間関係構築に費やされていた時間が大幅に短縮されます。さらに、オンラインツールを利用して日報作成を行えば、業務効率化が測れるため、長時間労働の抑制にも効果的です。
外回りの多い営業職は、労働時間が長くなりがちなので、働き方改革の観点でもメリットとなりうるでしょう。
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リモート営業が抱える3つの課題
さまざまな視点からメリットが多く有効なリモート営業ですが、課題があるのも事実です。ここでは、リモート営業が抱える課題について確認していきます。
(1)仕事の進捗・状況が分かりづらくなる
リモート営業では各々の業務の共有がしづらくなるため、上司やリーダーは部下の管理が困難になります。
オフィスワークであれば、部下がきちんと仕事しているかどうかは一目瞭然です。しかし、リモートワークでは、業務に就いている姿が見えません。
よって、仕事の進捗が把握できないため、的確なタイミングでの指示やアドバイスが難しくなります。
(2)部下とコミュニケーションが取れない
近くにいればできる、ちょっとした雑談やコミュニケーションの機会が減ってしまうのもリモートワークのデメリットの1つです。
チャット機能などを使えば雑談することも可能ですが、同じ部屋にいる状態と同じ様にはできないでしょう。
(3)システムや機器の操作に慣れる必要がある
オンライン商談システムなど、IT機器への適応力にも個人差があります。顧客にもシステムを使用してもらう必要が出てくるため、対面なら簡単に済んでいたようなことでも、機器に不慣れなために円滑に商談が進まないこともあるのです。
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リモート営業を導入する場合の注意点
リモート営業を導入する際には、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。特に気をつけるべき3つのポイントをご紹介します。
(1)クライアントと自社への周知をする
リモート営業を導入する際には、クライアントと自社への周知を徹底しましょう。リモート営業を実施する際は、クライアントにもツールやシステムを準備してもらう必要があります。クライアントの理解が得られるように、事前の連絡は必須です。
また、自社にも同様の通達を行います。リモート営業には、対面営業とは異なるポイントやノウハウがあります。ポイントを押さえずに突然新しい形式の活動を取り入れると、営業の現場で混乱が起きる可能性があるため、社内での情報共有を綿密に行いましょう。
(2)操作性の良いシステムを導入する
リモート営業のニーズの高まりに応えて、さまざまなオンライン商談システムがリリースされています。多機能なシステムも多くありますが、操作性を重視することが大切です。
操作性が煩雑なシステムでは、慣れるまでに時間がかかり、営業活動に支障が出てしまう可能性があります。
また、顧客にとっても親切ではないため、営業での印象が悪くなってしまうこともあるでしょう。システム導入の際は、比較検討をして慎重に選んでください。
(3)コミュニケーションの活性化を心がける
リモートでの営業を導入すると、チーム内での細かいコミュニケーションが不足しがちになります。オンラインツールを選ぶ際には、コミュニケーションが取りやすい機能があるものを採用するなど対策しましょう。
例えば、チャット機能が充実している・タスク管理が共有しやすいなど、チーム内で情報共有を円滑に行えるものが望ましいです。
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リモート営業を導入する方法
リモート営業の導入は、具体的にどのような方法があるのでしょうか。ここでは2つの方法について解説していきます。
(1)無料で利用できるビデオチャットツールを利用する
広く使われている無料ツールを利用するのが手軽です。代表的な無料ビデオチャットツールとしてはZoomやSkypeがあります。
これらはすでにインストールしている企業も多く、認知度が高いツールです。また、操作性も良いため、顧客にも受け入れてもらいやすいでしょう。
(2)オンライン商談ツールを使用する
商談に特化したオンラインツールの使用も方法の1つです。商談ツールはインターネット回線だけでなく電話回線を併用します。通信トラブルに強いのが、Zoomなどの会議ツールとの違いです。
商談の内容を記録する機能や会議開始までのプロセスを省略できる機能、少人数での商談に特化した機能などが搭載されたツールもあります。営業活動をサポートしてくれる機能が豊富なため、利用を検討してみるのもよいでしょう。
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リモート営業の導入に成功した3つの事例
実際にリモート営業を導入して成功している企業も多くあります。ここでは、3社の成功事例をご紹介します。
(1)株式会社ビズリーチ
ビズリーチは、転職サイト「ビズリーチ」などの運営で広く知られる企業です。同社では、営業手法として、電話営業から訪問営業を行うスタイルを採用していました。
しかし、生産性の向上のために非対面型のリモート営業にシフトし、契約までのリードタイムを、平均40日から17日へと大幅に短縮することに成功しました。
リモート営業により、顧客の関心度が高い最初のコンタクト時に、すぐに商談を進められるようになったことが成功の要因です。
(2)株式会社ネオキャリア
ネオキャリアは、人材関連業、ヘルスケア、HRTechなどの分野で事業展開をしている企業です。もともとは訪問型の営業を行っていましたが、オンライン商談を導入したことで、新卒営業社員が目標達成するまでのスピードが178%も早くなるという驚きの成果があがりました。
自社オフィスでリモート商談を行うことで、分からないことがあっても上司にすぐ確認ができ、営業判断が正確に早くできるようになったことが大きな成功要因と考えられています。生産性の向上だけでなく、人材育成の観点でもリモート営業が有効だと分かる事例です。
(3)ブリッジインターナショナル株式会社
ブリッジインターナショナルは、インサイドセールスの仕組みやツールを商材として提供する事業を行っています。インサイドセールスとは、まさにリモート営業のことを指し、訪問営業を行わず非対面で営業を進める活動のことです。
コロナ禍以前からインサイドセールスをサービス提供していた同社ですが、近年は多くの会社で非対面営業へのシフトが急務となり、コンサルティングの需要も高まっています。
創業以来のノウハウを活かして、リモート営業に関する教育研修サービスを行い、日本におけるリーディングカンパニーとして認知されています。
リモート営業を取り入れて効率的な営業活動を実現
リモート営業には、対面営業にはないメリットが多く存在します。特に、時間や費用の大幅な削減、情報共有の効率化などは、魅力的なポイントです。
一方で、営業活動を行う上で必須となる細かなコミュニケーションに関しては課題が残っています。今後は解決の道を探りつつ効率よく営業活動を行い、利益につなげていくことが求められるでしょう。
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