直収電話とは?概要や利用するメリット・デメリットについて解説
固定電話はいくつかの種類に分類されますが、中でも利用料金が安い直収電話がおすすめです。電話加入権を購入する必要がないなど、メリットがある一方でデメリットも存在します。本記事では、直収電話のメリットとデメリット、他の固定電話との比較を紹介します。
目次
直収電話の概要
直収電話とは、固定電話サービスの一つです。NTT東日本および西日本以外が提供しているものを指します。
通常の固定電話はNTT東日本およびNTT西日本の設備を使いますが、直収電話はNTTが使っていない電話回線を通信業者が借りて、固定電話サービスを提供します。
そのため、新たに電話回線工事をする必要はありません。なお、直収電話は「直加入電話」「地域電話」と呼ばれることもあります。
現在直収電話を提供しているのは、ソフトバンクやNTTコミュニケーションズ、J:COMなどです。月額料金やオプション料金などはNTT東日本・西日本の固定電話サービスより安い傾向があります。
▷【2023年最新】おすすめクラウドPBX18選!機能や費用を徹底比較!
直収電話を利用する2つのメリット
直収電話には「電話加入権がいらない」「利用料金が安い」といったメリットがあります。固定電話の利用機会が多い企業は特におすすめです。以下よりそれぞれのメリットについて具体的にご紹介します。
1.電話加入権を購入する必要がない
電話加入権とは簡単にいうと、NTTの電話回線を使用して固定電話を利用する権利のことです。
電柱や電線などの整備資金として設けられており、現在(2023年1月時点)は39,600円(税込)の支払いが義務付けられています。
直収電話は通信事業者の回線を利用するため、電話加入権の購入は不要です。通話の品質や各種機能はNTTの固定電話とほとんど変わらず導入コストを抑えられます。
2.利用料金が安い
直収電話はNTTの固定電話と比較して、基本料金・通話料金ともに安価です。以下は、NTT東日本とソフトバンクの直収電話「おとくライン」の月額基本料金を比較した表です。
一級地 | 二級地 | 三級地 | |
NTT東日本加入電話 (プッシュ回線) | 2,640円 | 2,640円 | 2,750円 |
おとくライン | 2,050円 | 2,200円 | 2,350円 |
[出典:NTT東日本「毎月の基本料金」]
[出典:ソフトバンク「基本料金・開通工事費」]
このように、おとくラインだと基本料金が月々400円〜600円安くなるため、年間4,800円〜7,200円のコスト削減につながります。
通話料金は、NTT東日本だと9.35円〜44円(3分間)と、距離によって料金が変動します。おとくラインは距離にかかわらず一律7.9円(3分間)です。電話をかける機会が多い企業ほど直収電話のほうがお得に利用できます。
▷IP-PBXとは?仕組みやクラウドPBX・ビジネスフォンとの違いを比較
直収電話を利用する2つのデメリット
直収電話にはデメリットもあります。デメリットの内容を理解してから導入を検討しましょう。以下より直収電話を利用する2つのデメリットをご紹介します。
1.ADSLが利用できなくなる
直収電話を導入すると、ADSLが利用不可になる場合があります。ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)とは、アナログの電話回線でインターネット接続を行うことです。
ADSLが使えないとインターネットに接続できなくなるため、業務に支障が出る可能性があります。あらかじめプロバイダーに連絡し、直収電話導入後でもインターネット接続ができるか確認しておきましょう。
直収電話の導入に合わせて別のプロバイダーに乗り換えるのも一つの手です。
2.フリーダイヤルが利用できなくなる
直収電話を利用すると、フリーダイヤル(0120から始まる番号)が利用できなくなる場合があります。利用できるかどうかは通信業者によって違うので、フリーダイヤルを使いたい方は契約前に確認してみましょう。
なお、フリーダイヤル以外にもNTT東日本およびNTT西日本が提供する特殊電話は使えない場合があります。
例えば108番(自動コレクトコール)や114番(お話中お調べ)、0170(伝言ダイヤル)などです。ただし、110番(警察)や119番(消防)など緊急を要する特殊番号は使えます。
▷クラウドPBXの選び方ガイド!目的や企業規模別の選定ポイントを解説
固定電話と直収電話の比較
固定電話と直収電話の違いは以下のとおりです。参考までに、光IP電話の詳細もあわせてご紹介します。
タイプ | 光IP電話 | NTT加入電話 | 直収電話 |
名称 | ひかり電話 (NTT東日本ひかり電話オフィスタイプの場合) | NTT一般電話 | おとくライン |
基本料金 | 1,430円〜 | 2,530円〜 | 2,050円〜 |
通話料金 | 市内通話:9.35円/3分 同一県内市外通話:22〜44円/3分 | 市内通話料
同一県内市内通話:22〜44分/ | 国内通話は一律7.9円/3分 |
利用条件 | 光回線の契約が必要 | なし | なし |
メリット |
|
|
|
デメリット |
|
|
|
[出典:NTT東日本「光IP電話 ひかり電話オフィスタイプ」]
[出典:NTT東日本「毎月の基本料金」]
[出典:ソフトバンク「基本料金・開通工事費」]
直収電話のおすすめサービス2選
直収電話サービスの中でもおすすめなのは、「おとくライン」と「プラチナ・ライン&世界割」です。
どちらも通常の固定電話より、通話料が安く設定されています。通話料を抑えたい場合はおとくライン、初期費用を抑えたい場合はプラチナ・ライン&世界割がおすすめです。
そのほか特徴やメリットなどを以下の表にまとめましたので、比較・検討にお役立てください。
サービス名 | SoftBank|おとくライン | NTTコミュニケーションズ|プラチナ・ライン&世界割 |
初期費用 | アナログ/ISDN64の開通工事費
ISDN1500の開通工事費
| 無料 ※マイラインプラスに未登録の場合は電話番号ごとに880円の登録料が必要 |
利用料金 | ■アナログ契約(事務所用)の基本料金
ISDN64契約の基本料金:3,380円/月 ■通話料金
| 基本料金:無料(NTT東日本・NTT西日本の回線使用量は別途請求あり) 通話料金
※世界割に未加入の場合は割引前料金の月間累計額を算出したうえで40%を割引 |
機能・特長 | 発着信専用、通話中機器移動、発着信番号通知、ユーザー間情報通知(UUI)、国際電話の発着信規制、任意チャネル着信、サブアドレス通知、緊急通報、電話案内・電話帳掲載等 | 契約可能なのはNTT東日本およびNTT西日本の加入電話のみ(電話回線、ISDN回線に限る) 割引対象
※国内通話はナビダイヤル、フリーダイヤル、0035で始まる電話番号などは割引対象外 |
メリット |
|
|
URL | 公式サイト | 公式サイト |
SoftBank|おとくライン
ソフトバンク株式会社が提供している直収電話サービスです。距離にかかわらず、固定電話への通話料金が一律7.9円(3分あたり)と安いので、通話の機会が多い企業に向いています。
現在固定電話がない場合は加入権が不要のため、これから新規契約したい企業にもおすすめです。
提供元 | ソフトバンク株式会社 |
初期費用 | ■アナログ/ISDN64の開通工事費
■ ISDN1500の開通工事費
|
利用料金 | ■アナログ契約(事務所用)の基本料金
ISDN64契約の基本料金:3,380円/月 ■通話料金
|
機能・特長 | 発着信専用、通話中機器移動、発着信番号通知、ユーザー間情報通知(UUI)、国際電話の発着信規制、任意チャネル着信、サブアドレス通知、緊急通報、電話案内・電話帳掲載等 |
メリット |
|
URL | 公式サイト |
NTTコミュニケーションズ|プラチナ・ライン&世界割
プラチナ・ライン&世界割は、国内電話や国際電話、携帯電話などへの通話がまとめてお得になるサービスです。現在NTT東日本かNTT西日本の固定電話サービス(ひかりライン回線は除く)を契約している方が利用できます。
初期費用が無料なので、導入費用を抑えたい企業に向いています。
提供元 | エヌ・ティ・ティコミュニケーションズ株式会社 |
初期費用 | 無料 ※マイラインプラスに未登録の場合は電話番号ごとに880円の登録料が必要 |
利用料金 | 基本料金:無料(NTT東日本・NTT西日本の回線使用量は別途請求あり) 通話料金
※世界割に未加入の場合は割引前料金の月間累計額を算出したうえで40%を割引 |
機能・特長 | 契約可能なのはNTT東日本およびNTT西日本の加入電話のみ(電話回線、ISDN回線に限る) 割引対象
※国内通話はナビダイヤル、フリーダイヤル、0035で始まる電話番号などは割引対象外 |
メリット |
|
URL | 公式サイト |
直収電話を利用して通話料金を抑えよう
直収電話は固定電話サービスの一つで、NTT東日本およびNTT西日本との契約より利用料が安い傾向にあります。電話加入権の購入も不要なため、導入コストを抑えられるのも特徴です。
NTT東日本やNTT西日本と同等の機能を使えるため、通話料金を抑えたい企業はぜひ導入を検討してください。
PBXの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら