クラウドPBXのリース契約の費用相場は?利用するメリットや注意点を解説
PBXを導入する際に、リース契約する方法があります。また、リースやレンタルではなく月額利用できるクラウドPBXの導入もおすすめです。本記事ではリース契約の仕組みや注意点、クラウドPBXの費用相場などを詳しく解説していきます。
目次
PBXのリース契約を検討する際に理解しておくべき仕組み
PBXを導入するにあたり、導入費用を抑えられるリースを検討されている方も多いでしょう。
しかし、PBXのリースについて知識がないと、不安を感じ導入を決断できないこともあります。ここでは、PBXのリース契約を検討する際に理解しておくべき仕組みについて解説します。
リース契約の相場は契約期間やベンダーで異なる
リース契約の料金は、利用年数やNTTなどのベンダーによって異なります。
PBXを一括購入する場合の見積り金額に、ベンダーが設定する料率を掛けることで求められ、料率は、5年で2%・6年で1.7%・7年で1.5%とするのが一般的です。
例えば、一括購入代金が50万円のPBXを5年間リースする場合、月のリース料金は「50万円×2%=10,000円」です。信用力が低ければ、上記より高い料率で計算されるケースもあります。
リース期間は3〜7年が相場
PBXのリース期間は3〜7年が相場でありリース期間終了後はPBXを再リースするか・返還するか決める必要があります。
リース契約満了通知書は契約終了の数カ月前に届きますが、場合によっては自動更新となっていることもあるので注意しましょう。
なお、リースは賃貸契約のため、リース期間内外においてPBXの所有権が顧客側に移動することはありません。
PBXをリース契約するときの注意点
PBXをリース契約をするときの注意点としては、悪徳リース業者の存在と契約内容の確認です。
優良なリース業者が多い一方で、悪徳なリース業者も存在します。PBXのリース契約に失敗しないためにも、悪徳業者の特徴を把握しておきましょう。
悪徳リース業者に注意!
PBXのリース契約時には、利用する業者が信用できるか見極めることが大切です。悪徳リース業者の場合、必要ないサービスの押し売りや、相場より明らかに高い料金に設定していることがあります。
よくある例としては、リース契約をすると電話回線が使用できなくなると騙されて、新規サービスを契約するケースです。
PBXをリース契約する際は、提供先の会社の公式サイトを確認し、所在地・代表者名・利用実績などをもとに信頼できる業者か判断しましょう。
また、ネット上にある口コミや評判も重要な判断材料となるので様々な口コミをチェックしてみてください。
契約年数や利用料金をあらかじめ把握しておく
契約時には、契約書に記載のある契約年数や利用料金、解約条件などを確認し、少しでも不明点がある場合には、担当者に尋ねておきましょう。
業者が圧倒的に有利になるような条件や、不信感を抱くような契約内容が記載してある場合には、そのリース業者は避けるべきです。
また、契約書の控えを必ずもらい、保管しておくことも大切です。契約書の控えは、後にトラブルが生じた際の証拠となります。自分が不利にならないよう、契約内容の確認と契約書の控えをもらうことを忘れないようにしましょう。
▷クラウドPBXの選び方ガイド!目的や企業規模別の選定ポイントを解説
クラウドPBXはリース契約できない
注意したいのは、クラウドPBXはリース契約できない点です。
機器の設置や端末の購入を必要とするPBXのように「リース」や「レンタル」の契約はなく、月額で利用できる仕組みです。
リース契約はできませんが、クラウドPBXを利用するメリットは多数あります。
▷クラウドPBXとは?仕組みや機能・導入メリットを徹底解説!
クラウドPBXを導入するメリット
ここからは、クラウドPBXを導入するメリットについてご紹介します。クラウドPBXのメリットを知ったうえで、導入するべきか検討してみてください。
主なメリットは下記のとおりです。
- 導入費用が安い
- 運用コストを抑えることができる
- スマホの内線化が可能
- 企業の成長に合わせた増減がしやすい
- 導入が早い
- BCP対策に適している
- 便利機能が充実している
1.導入費用が安い
クラウドPBXは、従来のPBXやビジネスフォンのようにオフィスの拠点ごとに設置する必要がありません。クラウド上のサーバーが提供するため、自社で専用のハードウェアを購入し設置する必要がなく、導入費用を抑えられます。
また、クラウドPBXなら工事も不要なので、工事費をかけずに導入でき、社員が増加した場合でも、クラウドPBXのスマホアプリをインストールすればアカウントを増やせます。
多くの導入費用をかけるのが難しい中小企業にとってはより大きなメリットでしょう。
▷【最新】費用が安いおすすめPBX9選!格安の理由や導入時の注意点も解説
2.運用コストを抑えることができる
クラウドPBXはインターネット回線を使用しているため、従来のPBXやビジネスフォンと比較して社外への通話が安い傾向があります。
具体的には、従来の電話料金は市などの一定区域内で3分10円程度、遠距離だと3分30円以上かかります。
一方、クラウドPBXはサービスによって多少前後しますが、区域内外問わず3分8円が相場です。また、保守費用を削減できる点もクラウドPBXの魅力です。
クラウドPBXは、インターネット経由で提供するサービスのため実機がありません。メンテナンスや点検に費用がかからず、自動的にアップデートが完了します。保守費用がかからないサービスもあるため、運用コストを大幅に抑えられます。
3.スマホの内線化が可能
クラウドPBXは、インターネットを通じて複数の電話機をつなげられるため、社員が利用しているスマホの内線化ができます。
また、スマホだけでなく本社以外の支店や自宅にも、外線と内線を共有できます。自宅でもクラウドPBXを利用できるのは、テレワークを推進している企業にとってメリットが大きいでしょう。
4.企業の成長に合わせた増減がしやすい
従来型のPBXの大きなデメリットは、契約台数の増減が容易でないことで特にPBXのキャパシティーを超える台数を増設する場合には、PBX本体を変える大がかりな工事が必要です。
一方、クラウドPBXなら増設時の配線工事は一切不要で、自身でライセンスを追加するだけで使用できます。
業者に依頼する必要がないためコスト削減が可能で手間もかからず、社員が増えればアカウントも増やすなど、そのときの企業の状況に応じて増減しやすい点はクラウドPBXの強みです。
5.導入が早い
クラウドPBXは、設備の購入や工事が必要ないので契約後すぐに導入することが可能です。
通常のPBXの場合には導入までの時間がかかるため、スピーディーにPBXを利用できるようにしたいと考えている場合にはクラウドPBXをおすすめします。
6.BCP対策に適している
BCPとは、Business Continuity Plan(事業継続計画)の略です。大規模災害・システム停止・情報漏洩などのアクシデントが発生した際に、優先度の高い業務を迅速に復旧し、事業への損害を最小限に抑えることを目的としています。
クラウドPBXはBCPに適しており、クラウドのデータは自然災害に強い立地のデータセンターに遠隔保管されているので、仮に震災などでオフィスが被害を受けてもデータに影響はありません。
また、大半のクラウドはバックアップデータを所持しているので、データが消失しても早急に復旧できます。
▷BCP(事業継続計画)とは?初心者でもわかる策定の重要性と手順について
7.便利機能が充実している
クラウドPBXは、無料で使える便利な機能が充実しており、無料で使用できる主な機能は下記のとおりです。
名刺管理ツール | スマートフォンで撮影した名刺をクラウド上にデータを保存し、社内で共有できる |
グループウェア機能 | 顧客情報の管理や電話帳をアプリ1つで共有できる |
CTI(顧客管理) | 着信時に顧客情報を自動表示できる |
ネットFAX | FAXの送受信をパソコンやスマートフォンで対応できる |
※「OFFICE PHONE」の場合
上記のように便利機能が搭載されていることも、クラウドPBXの大きなメリットです。
▷クラウドPBXのメリット・デメリットを徹底解説!導入の必要性とは?
クラウドPBXを導入するデメリット
メリットの多いクラウドPBXですが、もちろんデメリットもあります。デメリットを知り、クラウドPBXを導入してから後悔することがないよう検討するとよいでしょう。
主なデメリットは下記のとおりです。
- 通話の品質が安定しない場合がある
- 緊急ダイヤルが使用できない
- トラブル時はメーカー対応になる
順番に解説します。
1.通話の品質が安定しない場合がある
クラウドPBXを提供しているメーカーによっては、通話品質が安定しないリスクがあり、下記のようなトラブルが考えられます。
- 音声が途切れやすい
- ノイズが入る
- ハウリングする
通話の品質が安定していないと、電話業務の効率悪化につながるだけでなく、顧客からの信頼を失うリスクもあるのでクラウドPBXのメーカーを選ぶ際は品質も重視しましょう。
2.緊急ダイヤルが使用できない
IP回線を利用したクラウドPBXの場合、110番や119番などの緊急ダイヤルが使えません。そのため、事件や病気などの急を要するトラブルが発生した場合に、対応が遅れるリスクがあります。
クラウドPBXで発信できない番号は下記のとおりです。
- 110:警察
- 113:設定、トラブルサポート
- 115:電報の申し込み
- 117:時報
- 118:海上事件・事故
- 119:消防、救急
- 144:迷惑電話お断り
- 177:天気予報
- 0570:ナビダイヤル など
万が一の事態に備え、緊急通報ナビの利用や、最寄りの交番・消防署の番号を登録しておくとよいでしょう。
3.トラブル時はメーカー対応になる
クラウドPBXの場合、不具合やトラブルが起こった際は契約しているメーカーでないと対処できません。PBXの環境は、クラウドPBXを提供しているメーカーが管理しているからです。
メンテナンスに力を入れていなかったり、トラブル対応に必要な技術や知識がなかったりするメーカーも少なくありません。その場合、トラブル時に相談してもすぐに対応してくれないリスクがあります。
▷【2023年最新】おすすめクラウドPBX18選!機能や費用を徹底比較!
クラウドPBXを導入するときの費用相場
クラウドPBXを導入するときの費用相場は下記のとおりです。
費目 | クラウドPBXの費用相場 |
導入費用 | 1~5万円 |
月額基本料 | 1回線あたり1,500~2,500円 |
通話料 | 固定電話:3分8円 フリーダイヤル:1分10円~3分10円 スマートフォンでの通話:1分15~16円 |
電話機の購入費用 | 3~5万円 |
オプション費用 | IVR:月額1,500~3,000円 自動録音:月額2,000~3,500円 Web電話会議:月額2,000~5,000円 |
導入費用の相場は1〜5万円前後ですが、近年ではメーカー間の価格競争が進み、1万円前後に設定しているケースも増えています。内線数を増やしたり、モバイル端末の契約とセットで申し込んだりすると費用は高くなります。
月額基本料は、通話時間やコール数に関係なく、必ずかかる費用で利用する内線の数が多くなるほど、費用は高くなります。
通話料は、クラウドPBXを経由して、固定電話やスマホから電話をかけるときに発生する費用です。電話機の購入費用は、クラウドPBXを使用するために必要な電話機本体の購入にかかります。
IP電話だと1台あたり3〜5万円前後で購入できます。オプション費用は、通常のコールだけでなく、IVR(自動音声対応)や会話内容の自動録音、Web電話会議などを利用すると発生します。
▷【最新】PBXの市場・シェアを解説!トレンドと今後の動向も解説
クラウドPBXの導入がおすすめ!
導入費用を抑えつつ、オフィス外でも連絡を取り合える業務形態を目指す企業には、クラウドPBXがおすすめです。
クラウド上でサービス提供を受けるだけなので、PBX本体の購入費用をカットでき、交換機設置のための工事費もかからず、導入費用を安く抑えることが可能です。
クラウドPBXは、社外にいても受発信が可能なので利便性が高く、近年増えているレワークとの相性も良好です。
注意したいのは、メーカーによってクラウドPBXの品質や導入・運用コスト、サポート体制などが異なる点です。失敗する可能性を下げるためには、メーカー選びに注意しましょう。クラウドPBXはメリットが多いので、ぜひ導入を検討してみてください。
PBXの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら