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ピアボーナスとは?メリット・デメリットや注目される背景、事例についてわかりやすく解説

2024/11/30 2024/12/03

ピアボーナス

ピアボーナスとは

peer(同僚・仲間)とbonus(報酬)を組み合わせた言葉「ピアボーナス」。仕事に対する意識・働き方の変化や競争激化に対応するため、組織文化の改革手段として導入する企業が増えています。そこで本記事では、ピアボーナスとは何か、注目される背景や導入のメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

ピアボーナスとは?

ピアボーナスとは、peer(同僚・仲間)とbonus(報酬)を組み合わせた言葉です。従業員同士が日々の仕事での成果や貢献を称賛し合い、少額の報酬を送り合うことで感謝を伝える仕組みを指します。

ポイント制の賞与制度として導入されることも多く、受け取ったポイントを商品やサービスと交換する形が一般的です。単なる評価制度ではなく、組織全体でのポジティブな文化の醸成に役立つ仕組みとして、昨今注目が集まっています。

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ピアボーナスの歴史

ピアボーナスの仕組みは、アメリカのGoogle社が初めて導入したことで知られています。同社では、この制度によって従業員同士が互いの努力や成果を評価し合い、感謝の気持ちを小さな報酬として表す文化を育てることにしたのです。この取り組みは、働く人々のモチベーションを高め、組織全体の生産性を向上させる方法として注目され、現在では多くの企業で採用されています。

ピアボーナスとインセンティブの違いとは?

インセンティブとは、行動を促す「刺激」や「動機」を意味し、従業員に対する成果型の報奨金制度を指すことが一般的です。

ピアボーナスもインセンティブの一種に含まれますが、従業員同士が相互評価の結果を少額の報酬として贈り合う点が特徴です。感謝や賞賛の気持ちを表すためのピアボーナスは、組織内のつながりや感謝の文化を育む役割を果たしているといえるでしょう。

ピアボーナスが注目される背景

ピアボーナスが注目される理由には、働き方や仕事に対する意識の変化が挙げられます。リモートワークの普及や市場競争の激化といった環境の変化によって、従業員同士のつながりを深め、ポジティブな組織文化を育てることが求められているのです。

また、人材の流動化が進むなかでは、優秀な人材を引き留めるためにも、感謝や貢献を認め合う仕組みが有効であることも、ピアボーナスが注目されている理由です。

ピアボーナスを導入するメリット

ピアボーナスを導入することで多くのメリットを得られます。具体的な内容を見ていきましょう。

社内コミュニケーションの活性化が期待できる

ピアボーナスを導入・実施するには、ほかの従業員の仕事や成果に目を向ける必要があります。そのため、従業員同士のコミュニケーションの機会が自然と増え、社内が活性化するメリットがあるのです。

特にテレワーク環境では対面でのやり取りが減るため、ピアボーナスを通じて感謝や評価を伝えることで、チームメンバー間の絆を強化し、円滑なコミュニケーションを実現する助けにもなるでしょう。

ポジティブな企業文化が育まれる

ピアボーナスを導入することで、目立ちにくく、貢献や成果になかなかつながらない努力にも光が当たるようになります。また、どのような行動や成果が評価されるのかが明確になるため、ほかの従業員も参考にしやすく、自然と貢献意欲が高まるでしょう。

このような称賛文化の醸成は、従業員一人ひとりのモチベーションを引き上げ、組織全体の成長にもつながるポジティブな企業文化の基盤となります。

離職率の低下が期待できる

ピアボーナスを活用することで、従来の評価制度では見過ごされがちだった小さな努力や貢献が認められやすくなります。これにより、従業員は自分の仕事が評価されていると実感することができ、貢献意欲が高まるでしょう。

結果として離職率を低下させ、安定した人材基盤の構築が可能となります。また、従業員満足度が向上することで、企業の魅力が高まり、採用力の強化にもつながるでしょう。

ピアボーナスを導入するデメリット

ピアボーナスには多くのメリットがありますが、導入や運用にあたってのデメリットも存在します。具体的に見ていきましょう。

ツールの導入などに費用がかかる

ピアボーナスを導入する際には、専用のツールやシステムを整備する必要があり、その分の費用が発生します。また、従業員に対して支給する報酬も必要になるため、ランニングコストも考慮しなくてはなりません。

これらの費用は企業の規模や制度の運用方法によって異なりますが、計画的な予算設定が重要です。コストに見合った効果を得るには、しっかりとした目的設定と運用体制が求められます。

不満が出ないような仕組み作りが必要

ピアボーナスを効果的に運用するためには、一部の従業員だけが評価される状況を避け、すべての従業員が公平に評価される仕組みを作ることが重要です。評価が偏ると、努力が報われないと感じる従業員が出てしまい、逆効果になる可能性があります。

このような状況を避けるため、透明性の高いルール設定や、評価基準の明確化が求められます。

定着しない可能性がある

ピアボーナスを導入しても、仕組み作りが不十分だったり、必要性が従業員にしっかりと伝わらなかったりすると、せっかくの制度が定着しない可能性があります。例えば、ルールが曖昧なままでは利用が進まず、形だけの取り組みになってしまうこともあるでしょう。

ピアボーナスを導入する際には、目的やメリットを明確に示し、従業員が積極的に参加したくなる環境作りが不可欠です。組織全体で理解と共感を得られるよう工夫することが成功のカギとなります。

評価される仕事だけをする従業員が出る可能性がある

ピアボーナスの運用を開始すると、評価されることを意識しすぎて、評価につながらない仕事は避ける従業員が出る可能性があります。例えば、目立たないけれど重要な裏方の業務や、長期的な視点で必要な準備作業が軽視されるリスクがあるでしょう。

このような偏りを防ぐためには、幅広い業務を評価の対象とし、報酬が公平に分配される仕組みを整えることが重要です。組織全体のバランスを保ちながら、正当な評価を行う工夫を行いましょう。

ピアボーナスの導入に成功した企業事例

ここでは、ピアボーナスの導入に成功した企業の事例を紹介します。

サントリーパブリシティサービス株式会社

サントリーパブリシティサービス株式会社は、飲料メーカーであるサントリーの工場見学や各地の企業PR施設、文化施設などを運営する企業です。同社は全国に80か所以上の拠点を有しており、拠点同士や拠点と本部とのコミュニケーション不足が課題となっていました。

そこで、感謝や承認の送り合いを通して従業員の承認欲求を満たし、成長を後押しすることを目的に、相手にメッセージやポイント、拍手を送れるサービスを導入しました。コミュニケーションを充実させるために重要視したのが、「縦横ナナメの関係づくり」と「“雑談”をベースとするコミュニケーション」です。

お互いの理解を深めることで、相手に素直に感謝を伝え、またそれを受け入れられるようになり、チーム間のコミュニケーションの活発化や積極的な発信・応援といった効果を得られました。

[出典:Unipos株式会社「横やナナメのコミュニケーションが活性化できた施策」]

三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、日本を代表する総合電機メーカーです。同社では、組織風土の劣化による品質不適切行為が課題となっており、縦横のコミュニケーション不足などを改善するためにさまざまな施策に取り組みました。

そこでピアボーナスのためのツールを導入したところ、エンゲージメントサーベイのコミュニケーション関連項目を向上させることに成功しました。以前は、社内で感謝の声が聞こえないことや事務的な作業を行ってくれる従業員に光が当たらない状況がありましたが、ピアボーナスの取り組みによって組織の一体感を醸成する「称賛マインド」が根付いたのです。

[出典:Unipos株式会社「組織風土の劣化を改善し、“称賛マインド”で一体感のある組織へ」]

三井住友ファイナンス&リース株式会社

三井住友ファイナンス&リース株式会社は、総合リースを行っている企業です。同社では、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うテレワークの導入によって見えにくくなっていた感謝や称賛に着目することにしました。

そこで専用ツールを導入し、ピアボーナスを実施しました。その結果、社内の人間関係が近付き、役員からのメッセージや、後輩から先輩へのメッセージが送られるなど、活発にコミュニケーションが取られるようになったのです。社員のチャレンジと成長を応援するという企業としての土壌も育まれ、新人の早期定着にも役立っています。

[出典:Unipos株式会社「組織の感謝・称賛文化を育むことが、経営戦略の実行にもつながる」]

ピアボーナスで成長につながる企業文化を育もう

ピアボーナスは、従業員同士が感謝や称賛を送り合う仕組みを通じて組織全体のモチベーションを高め、ポジティブな企業文化を育む効果があります。評価の透明性と公平性を重視し、従業員が積極的に参加できる環境を整えることで、企業としての成長と従業員の満足度向上の両立を目指しましょう。

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