【2024年最新】おすすめの工程管理システム10選比較|主な機能や選び方を解説
業務工程は工数が増えるにつれて管理が難しくなります。手書きやExcelでの管理に限界を感じた場合は、工程管理システムの利用がおすすめです。当記事では、工程管理におすすめのシステム10選を比較し、搭載機能や導入時の選び方とあわせて紹介します。
目次
工程管理とは?
工程管理とは、納期の遵守や工程の最適化などを目的に、作業工程の進捗や実績を管理することです。主に製品の製造過程で用いられ、材料の加工から検査まですべての工程が含まれます。
作業員・機械・作業方法の3つの要素から成り立ち、工程の設定・工程計画と負荷調整・進捗の各管理を行うのが一般的です。
工程管理を行う目的
工程管理を行う主な目的は以下の5つです。
- 納期の遵守
- 品質の向上
- 生産時間(期間)の短縮
- 生産性の向上
- 製造原価や在庫の低減
これらを管理・共有することで、より良いものを、より短い時間で、より低コストで効率的に生産することを目指します。
また、人員配置や作業内容を最適化し、無駄な在庫が出ないようコントロールできるようになるでしょう。
製造業における管理業務の種類
製造業における、3つの具体的な管理業務について解説します。管理すべき範囲や項目など、種類による違いをみていきましょう。
販売管理
販売管理では、販売に関わる全体の流れを管理します。売上や人件費など、販売業務に紐づくさまざまな金銭管理が対象です。
仕入・受注・在庫・出荷・納品の把握やコントロールのほか、販売計画や見積書の作成なども販売管理業務に含まれます。
販売管理を行うことでお金の流れを正確に理解でき、コストに見合った利益が上げられるかどうかも明確になります。
生産管理
生産管理とは、生産業務を総合的かつ長期的に管理することを指します。生産に関わるあらゆる工程が対象で、工程管理も生産管理の一部です。
生産計画やニーズの見通しを立てる業務を、狭義的に生産管理と呼ぶケースもあります。製造プロセスのひとつとして用いられる言葉ですが、総合的な生産管理と混合しないよう注意しましょう。
購買管理
生産に必要な資材・材料などを適切に購入できるよう、プロセスやクオリティを管理するのが購買管理です。
具体的には、「どこの取引先から・どのような品質のものを・どのくらいの量・いくらで調達し・どのように必要な部署に届けるか」が管理対象となります。
購買管理の適正化によって、生産コストの低減や利益の増加につながります。
導入する工程管理システムの選び方・比較ポイント
工程管理システムの選び方や、比較すべきポイントを3つ紹介します。要点を押さえることで、システム選びの失敗を防げるでしょう。
システムの提供形態
工程管理システムの提供形態には「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類があります。それぞれの特徴や違いを理解したうえで、自社に適したものを選ぶのが重要です。
クラウド型
クラウド型とはインターネットを介して利用する形態です。導入の手間やコストが低い傾向にあり、インターネット環境下であれば場所を選ばず利用できます。保守・メンテナンスなどはすべて提供元が行うため、安価で手軽であることもメリットです。
デメリットはオンプレミス型に比べてセキュリティ機能が劣るほか、月額利用料の発生やカスタマイズ性の低さが挙げられます。
オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社でサーバー・回線・システムなどを構築して運用する形態です。カスタマイズ性が高いことや、セキュリティ性能が優秀な点もメリットとなります。月額利用料のかからない買い切り製品が多いのも特徴です。
一方、導入コストが高額になりやすいのがデメリットでしょう。保守やメンテナンスを自社で行う必要があるため、専門人材が必要になる点にも注意してください。
従業員が使いやすいか
工程管理システムを選ぶ際は、実際に使用する従業員が使いやすいものであることが重要です。UIの操作性やわかりやすさなど、使う人を選ばない仕様が挙げられるでしょう。
どんなに機能が優れていても、使いこなせなければ期待していた効果が得られない可能性があります。また、従業員のITリテラシーによっては、利用マニュアルの整備や教育といった手間が発生する場合もあるでしょう。
必要な機能が備わっているか
工程管理システムは、自社に必要な機能が備わっているものを選びましょう。必要な機能にこだわることで、目標の達成や業務の効率化がしやすくなるためです。
多機能なシステムは一見魅力的に映りますが、使いこなせなかったり未使用機能が多くなったりすると、結果的に無駄なコストになってしまいます。
解決したい課題から機能を絞るほか、既存システムとの連携機能があるかも確認しておくと良いでしょう。
おすすめの工程管理システム10選を比較
おすすめの工程管理システムを10種類紹介します。機能や料金、提供形態などからニーズに合うシステムを選んでください。
1.Lychee Redmine
Lychee Redmineは、7,000社以上の企業が導入している工程管理システムです。クラウド版とオンプレミス版の両方を提供しています。
マウス操作を中心とした直感的な操作方法が特徴で、従業員のITリテラシーやスキルに左右されずにさまざまな階層で使えるよう設計されています。
マイルストーンを確認しながら計画を遂行できるガントチャート、いくつものプロジェクトを横断的に管理できるレポート機能で効率化が可能です。クラウド版にはフリープランも提供されているため、使用感を確かめてみると良いでしょう。
提供元 | 株式会社アジャイルウェア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | クラウド版
※購入単位:10ユーザー オンプレミス版
※購入単位:10ユーザー |
導入実績 | 7,000社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
2.Seiryu
Seiryuは多品目・少量生産の管理を目的とした、中小企業向けのオンプレミス型工程管理システムです。
日・時間・分など細かい単位でスケジュール管理が行え、会社に合わせて変更できます。機械の自動割り当てにも対応し、工数管理に必要な機能を一通り搭載済みです。
特急品や機械の故障など、イレギュラーにも対処できます。現場の負荷を考慮した生産計画に再調整するため、工程管理の効率だけでなく安定性も担保できるでしょう。
提供元 | 株式会社テクノア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
3.KouTei STARTER
KouTei STARTERは、キャンプギアメーカーであるスノーピークのグループ会社が提供している工程管理システムです。
「簡単・シンプル・使いやすい」をコンセプトに、使う人の目線に合わせたUIと操作性を備えています。バーコードとハンディターミナルを軸としたシステムになっているのも特徴です。
ハンディターミナルの選定サポートを受けられるため、ハードウェアの知識がなくても安心できます。
提供元 | 株式会社スノーピークビジネスソリューションズ |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
4.DIRECTOR6
DIRECTOR6は、個別受注生産・多品種少量生産に特化した工程管理システムです。30年間にわたり現場の要望を取り入れながら改善を続けたノウハウにより、個別受注・多品種少量生産の製造業務をサポートします。
現場状況をリアルタイムで可視化できるのはもとより、工程・リソース・納期などを考慮して自動的に最適なスケジュールを提案してくれるのも大きな特徴です。
作業指示/実績入力機能を使えば、スケジュールの更新や進捗への反映がスムーズになります。ERPやCADなど、外部システムとの連携も容易です。
提供元 | 株式会社シムトップス |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
5.アシスト-Line
作業指示から進捗管理までを見える化できる工程管理ソフトに、アシスト-Lineがあります。生産スケジュールに沿って業務を一元管理できる製品です。
ガントチャートで生産予定の管理・確認が適切に行えます。個別原価計算で、加工原価や購入原価が即座に反映されるのも特徴です。
原価確認画面では製造関連のコストを比較できるため、データ取得・分析が行いたい場合にも便利なサービスといえます。
提供元 | 株式会社中谷商店 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
6.サクッと工程
サクッと工程は、単品加工業向けのオンプレミス型工程管理システムです。
部品加工業・板金加工業・金型製造業などを対象業種としており、部品名・工程手順を登録することで作業指示書の発行も素早く行えます。
ガントチャートの「がんすけ」とも連動でき、あわせて使うことで進捗状況の可視化を促すでしょう。
提供元 | 株式会社インプローブ |
初期費用 | 63万8,000円(税込) |
料金プラン | オンプレミス型のため買い切り |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
7.楽楽販売
販売管理・購買管理に重きを置いた工程管理システムなら、楽楽販売が挙げられるでしょう。複数事業にも対応できるほか、スマホやタブレットの利用もできるクラウドサービスです。
受注前の営業支援や受注/売上管理のほか、請求管理・入金管理など多くの領域をカバーします。
販売関連の業務を中心に工程管理の見える化や効率化を図りたい場合は、問い合わせてみると良いでしょう。
提供元 | 株式会社ラクス |
初期費用 | 16万5,000円(税込) |
料金プラン | 66,000円(税込)〜/月 |
導入実績 | 2,500社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
8.TimeTracker NX
75,000ユーザーを超える導入実績と、豊富な機能を有する工程管理システムがTimeTracker NXです。「1分でできる工数入力」を強みに、管理の効率化・可視化を促します。
簡単な操作性と優れたデータ分析機能を備え、オンプレミス型・クラウド型から選択できるのが特徴です。
提供会社のソフトウェア開発における工程管理・プロジェクト管理の実績にもとづいて製品化された背景があり、現場の声や失敗経験の改善ノウハウが多分に反映されています。
提供元 | 株式会社デンソークリエイト |
初期費用 | クラウドサービス
年間ライセンス:要問い合わせ 永続ライセンス
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料金プラン | クラウドサービス
※5ライセンスから利用可能 オンプレミス(ライセンス数により変動) 年間ライセンス
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導入実績 | 75,000ユーザー以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
9.BeingProject-CCPM
BeingProject-CCPMは、工事現場に特化した工程管理システムです。
工事現場で発生する予想外の事態を「いつでも起こり得るもの」として組み込み、不確実性への対策を高める機能を搭載しています。工期の効率化に役立つ手法として、クリティカルチェーンを採用しているのも特徴です。
クリティカルチェーン機能によってリソースの競合を考慮し、無理のない範囲で工期を調整してくれます。日数管理や傾向グラフによる進捗の見える化もでき、工程管理はもちろん工期全体の短縮もサポートしてくれるでしょう。
提供元 | 株式会社ビーイング |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
10.DEKISPART工程管理システム
DEKISPART工程管理システムは、土木工事業者向けのサービスです。施工量に応じて自動生成されるバーチャート機能を備えた製品と、バーチャート機能に加えてネットワーク図の作成機能が付与された製品があります。
バーチャートは数値入力のほか、マウスドラッグにより直感的に作ることも可能です。ネットワーク図を活用すると、時間・資源の視点から総括的に工程を把握でき、クリティカルパスの管理にも役立ちます。
土木工事の工程管理に欠かせない日進量の正確な把握ができ、スケジュールの適正化にも寄与するでしょう。
提供元 | 株式会社建設システム |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
工程管理に必要なシステムの機能
工程管理に必要な2つの機能を解説します。システムの主要機能ともいえるため、内容を精査して検討するのがおすすめです。
進捗管理に関する機能
工程管理システムの多くは、プロジェクトの進捗状況を管理する機能が搭載されています。
リアルタイムで全従業員の進捗が把握・共有できるため、適切かつスピーディーな工程管理が可能です。進捗の可視化を促すこともでき、遅延やトラブルへの対応が迅速になります。
ガントチャート・バーチャート・ネットワーク図の作成も行え、活用すれば自社に合った進捗管理を実現できるでしょう。
コスト管理に関する機能
工程管理システムには、プロジェクトで発生するコストや利益を可視化できる機能も搭載されています。
生産現場では納期が重要視されがちですが、事業の継続にはコストと利益を意識することも非常に重要です。コスト管理に役立つ機能を使いこなせば、無駄の削減によって増益・増収にもつなげられるでしょう。
過去の実績を参照できる機能から、コストカットや最適化を図ることもできます。コスト管理に関連する機能を積極的に活用し、利益を生みやすい環境を目指しましょう。
工程管理システムを導入するメリット
工程管理システムを導入する3つのメリットを解説します。システム導入のメリットを知ることで、課題解決や目標達成に役立つかの判断が楽になるでしょう。
進捗状況が把握しやすくなる
工程管理システムの進捗管理機能により、現場の進捗が可視化され容易に把握できるようになります。リアルタイムでの進捗共有は問題の早期発見を促し、素早い対応や改善策の立案も可能になるでしょう。
これらは図・グラフ・数字などで表示されるため、視覚的にわかりやすい点もメリットといえます。
業務効率化によりコストを削減できる
工程管理システムの導入により、すべての工程をシステムで管理・把握できるため、無駄な作業を減らし効率化が図れます。
無駄を省くことで時間や人員の削減ができると、必要な作業に費やせるリソースを増加可能です。作業の質が向上し、さらなる効率化やコストの最適化にもつながるでしょう。
顧客対応や品質が向上する
工程管理システムで進捗やコストの管理が適正化されると、顧客対応や品質の向上が期待できます。より良い新技術や作業手順を共有しやすくなり、従業員のスキルによる品質のムラを抑えられるためです。
情報共有を促すことで、業務の属人化も防げます。業務の自動化は人的ミスの予防にも寄与し、品質の安定を維持することから顧客満足度獲得にもつながるでしょう。
工程管理システムを導入するデメリット
工程管理システムを導入する際のデメリットを2つ解説します。デメリットの把握は、システムを最大限に活かすためにも必要不可欠です。
導入や運用にコストがかかる
工程管理システムの導入や運用にコストがかかるのは、デメリットといえます。
オンプレミス型の場合は導入時のコストが高額になる傾向、クラウド型の場合はランニングコストの発生を念頭に置かなくてはなりません。
搭載機能によっても費用が異なるほか、セキュリティやサポートの内容にも左右されるでしょう。重視する機能や解決すべき課題を明確にすることで、費用対効果の期待できるシステムが選択できます。
場合によっては導入が無駄になる
従業員のITリテラシーや選定したシステムによっては、導入の効果が得られず無駄になってしまう可能性もあります。
たとえば、操作性が悪く使いこなせなかったり、不要な機能が多かったりした場合などです。
このようなトラブルを防ぐために、一気に導入・切り替えを行わない配慮も必要でしょう。シンプルな機能から使い始め、慣れてから段階的に機能を追加・拡張するなどの方法がおすすめです。機能の複雑化を抑えることは、担当者のITスキルを問わないという意味でも大切となります。
工程管理システムを導入する際の流れ
工程管理システムを導入する際の流れを5つのステップで解説します。適切な順序を理解すれば、システム導入に際する失敗を防げるでしょう。
導入目的を明確にする
まずは工程管理システムの導入目的を明確にしましょう。目的が不明瞭だと適切なシステムを選びにくく、効果を実感しにくくなってしまうためです。
事前に自社の工程を分析し、解決すべき課題を洗い出しておくことが重要です。どのようなシステム・機能であれば課題解決につながるか、できる限り詳細に要件定義をしておきましょう。
導入するシステムを選ぶ
事前に確認した課題や要件定義にもとづき、適切なシステムを選定します。進捗管理に特化した機能、総合的に工程を把握できるプログラムなど、目的を満たす性能であるかを目安にしましょう。
機能が一部不足している場合などは、追加費用を支払いオプションで補填するのもひとつの方法です。
システムが自社に適しているか確認する
デモやシミュレーションを活用しながら、システムが自社に適しているかしっかり確認しましょう。
シミュレーションで実際の業務に適用できるか、不足している機能や無駄な機能はないか検証することで、運用後のトラブルを未然に防止できます。課題を改善できるか、目的は達成可能かといった視点でのチェックも欠かせません。
検証は一度限りではなく、PDCAサイクルを複数回繰り返してブラッシュアップすることが重要です。
必要に応じて改善する
システムに不足や不適合な点を見つけた場合は、改善策を講じて実行します。
足りない機能の追加や不要な機能の削除など、提供元と相談しながらカスタマイズしていきましょう。パッケージシステムだとカスタマイズが難しい場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。
運用を開始する
システムの確認・カスタマイズができたら、実際に運用を開始しましょう。
システムのセッティングや初期設定とあわせて、従業員へのマニュアル配布や導入研修を実施しておくとスムーズに運用を開始できます。
最初から一気に導入をしてしまうと現場が混乱する恐れもあるため、注意が必要です。可能であれば、段階的に導入して慣れながら切り替えていくほうが良いでしょう。
工程管理に関する業務の効率化にはシステム導入がおすすめ
工程管理における人材や資材などの最適化は重要課題です。工程管理システムを採用すれば、進捗やコストを適切に管理できます。メリット・デメリットを理解し、選定ポイントを押さえたうえでシステムを導入しましょう。
自社に合ったシステムを選び、工程管理の最適化・効率化に役立ててください。
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