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リファラル採用と縁故採用の違いとは?メリット・デメリットや導入時の注意点

2024/10/25 2024/10/25

リファラル採用

リファラル採用と縁故採用の違い

低コストな採用手法である「リファラル採用」と「縁故採用」。労働人口が減少している昨今、優れた人材を多く獲得するためには、より世情に沿った採用ノウハウが必要です。本記事では、リファラル採用と縁故採用の違いについて、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、既存の従業員から知人を紹介してもらい、その人材を採用候補とする手法です。

従業員のネットワークを活用することで、企業文化に合った人物を効率よく採用できる点が大きな魅力です。また、通常の求人広告やエージェントを使った採用方法に比べて、低コストで質の高い応募者を集めやすい点も特徴です。

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リファラル採用と縁故採用の違い

リファラル採用と縁故採用はよく混同されていますが、両者は全く異なる概念です。

縁故採用とは、経営陣や役職者の「血縁関係に基づく採用」であり、古くから「コネ採用」とも呼ばれてきました。一方で、リファラル採用は従業員が知人を紹介する採用形式です。あくまでも母集団を形成するための手段であり、候補者の能力や適性に基づいて採用されます。

両方の違いをさらに詳しく見ていきましょう。

目的の違い

リファラル採用の目的は、企業の成長に貢献できる人材を効率的に集めることです。企業の内部事情を熟知している従業員のネットワークを活用し、自社にマッチする候補者を選別することが狙いです。

一方で、縁故採用は紹介者や求職者の救済に重きを置いている場合が多く、両者の目的には明確な違いがあります。

紹介者の違い

リファラル採用では全ての従業員が紹介者になることができ、友人や知人を候補者として紹介します。

一方、縁故採用での紹介者は一部の経営陣などに限定されることがほとんどです。そして、親族や血縁関係者、個人的なつながりのある人物が紹介されることが多い点が特徴です。

選考方法の違い

リファラル採用では、一般的な採用と同じ選考プロセスで候補者のスキルや能力を評価します。そのため、リファラル採用での候補者は、必ずしも採用されるとは限りません。

一方、縁故採用では選考プロセスが省略される場合がほとんどであり、基本的にどのような候補者でも採用される傾向にあります。そのため、スキルや能力が不足している場合でも採用されることがほとんどです。

リファラル採用が注目される背景

リファラル採用が注目される背景として、人手不足の深刻化や働き方の多様化により、企業の人材確保が難航していることが挙げられます。従来のような、求職者の応募を待つ受け身の採用活動ではなく、より積極的なアプローチが求められているのです。

リファラル採用では、企業の実情をよく知る従業員が紹介者となるため、企業が求める人物を的確に見つけやすく、ミスマッチを減らすことも期待できます。また、通常の採用手法に比べてコストを抑えられるため「人材紹介企業よりも高いコストパフォーマンスでよい人材を採用できる」と評価する企業も増えています。

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縁故採用が生まれた背景

縁故採用は、家族や親族の絆を大切にする文化を背景に、自然発生的に生まれた採用手法です。

とりわけ、現代のように採用手段が発達していなかった時代において、候補者の信頼性や人材の安定供給を実現するためには、縁故採用は理にかなった採用手法でした。

しかし、近年では公平な採用基準を重視する企業が増え、縁故採用を禁止する動きも広がっています。また、経営陣や人事部署による恣意的な採用ではなく、より多様な人材を採用することが企業の競争力向上につながるという考えが一般的になっています。

リファラル採用のメリット

リファラル採用には、採用コスト削減や適性を持つ人材を発見しやすいなど、さまざまなメリットがあります。メリットの詳細について、以下に詳しく解説します。

採用活動費を削減できる

リファラル採用では、求人に関するコストを大幅に削減できます。通常の採用活動では、広告費や人材紹介企業への紹介料として一定のコストが必要となります。

しかし、リファラル採用では従業員による紹介で求職者を集めるため、これらの費用が不要です。つまり、経費を抑えつつ質の高い人材を獲得することができます。

採用活動のミスマッチを防げる

リファラル採用では、採用活動のミスマッチを防ぐことが可能です。

なぜなら、候補者のスキルや人柄なども事前に把握できるため、企業側は求める人材を選択しやすくなるためです。また、企業の理念や内部事情をよく理解した従業員が紹介者となるため、候補者の誤解が発生するリスクが低くなります。ミスマッチが発生しづらいことは、早期退職の防止にもつながるでしょう。

潜在層と接点を持てる

リファラル採用の大きなメリットは、通常の採用市場では接触できない、潜在的な応募者層と接点を持てる点です。

優秀な人材の多くは、積極的には転職活動をしていないものの「良い機会さえあれば転職したい」と考えています。従業員からの紹介を通じて、こうした潜在的な候補者にアプローチできれば、他の採用手法では巡り合えない人材を獲得するチャンスが広がるのです。

既存従業員の企業理解の向上が期待できる

リファラル採用は、既存従業員の企業理解向上にも効果的です。

リファラル採用では、既存の従業員が知人を企業に紹介する前段階として、自社の魅力や仕事のやりがいを伝える必要があります。その結果、従業員自身が企業の魅力を再確認することができ、仕事へのモチベーションや理解度を高める効果を期待できるのです。

リファラル採用のデメリット

リファラル採用には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットについて、以下に詳しく解説します。

違法とみなされる可能性がある

リファラル採用を行う際、従業員へのインセンティブの与え方によっては、採用活動が違法とみなされるリスクがあります。

日本では、有料職業紹介事業を行うには厚生労働大臣の許可を受ける必要があるため、適切な許可がないままでは違法行為とみなされる可能性があります。そのため、リファラル採用に報酬制度を設ける際には注意が必要です。

候補者を紹介をした従業員に「報酬」を与えれば違法となる可能性がありますが、従業員へ「賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合」には例外として許可されています。

会社が紹介者に対するインセンティブを賃金や給料の一部として支払うことが、適法なリファラル採用の前提条件として解釈されています。

[参照:デジタル庁「職業安定法(有料職業紹介事業の許可)第三十条」]

[参照:デジタル庁「職業安定法(報酬の供与の禁止)第四十一条」]

人材に偏りが生まれる可能性がある

リファラル採用では、人材に偏りが生じるリスクがあります。

なぜなら、紹介者は自分と似たバックグラウンドや価値観を持つ人物を推薦する傾向があるためです。結果的に、組織内の多様性が損なわれたり、人材に偏りが生まれるリスクが発生します。

特定のスキルや経験を持つ人材を探す場合には、紹介だけでは十分な人数が集まらないことも多いため、リファラル採用のみで求める人材を揃えることは難しいでしょう。

縁故採用のメリット

縁故採用には、必要な人材をスピーディに確保できるなどのメリットがあります。具体的なメリットについて、以下に詳しく説明します。

採用にかかる手間・費用を削減できる

縁故採用では、通常の採用手順をスキップできるため、採用にかかる手間やコストを大幅に削減できます。

通常の採用活動では、選考プロセスを厳密に定め、不公平が生じないように配慮する必要が生じますが、縁故採用ではこうした手間が原則として不要です。紹介者との信頼関係を重視して候補者を選ぶため、採用コストをかけずに必要な人材を採用することができるでしょう。

離職の可能性が低い

縁故採用では、紹介者によるフォローが期待できるため、早期離職のリスクを低く抑えられます。

また、縁故採用では退職することは紹介者やその関係者に不義理となる、という心理が働くこともあり、対象者が高い忠誠心をもって仕事に取り組むことが期待できるでしょう。

縁故採用のデメリット

縁故採用にはいくつかのデメリットも存在します。具体的なデメリットについて、以下に詳しく解説します。

組織としての生産性が低下する可能性がある

縁故採用では、スキルや知識が不足している場合でも採用されることがあるため、組織全体の生産性が低下するリスクがあります。

さらに、縁故採用で入社した人物は左遷させづらいケースが多いため、他の従業員に負担がかかり、業務効率の低下やチーム全体のパフォーマンスに影響を与える可能性もあるでしょう。

他社員との間に溝がうまれる可能性がある

縁故採用に対して、他の従業員がネガティブなイメージを持つことがあります。

特に、縁故採用者が実力に関係なく特別扱いされていると感じられる場合には、不公平だと感じた従業員との間に溝が生まれるリスクが高まります。このような混乱を避けるためには、採用後の公正な評価と適切なフォローが重要です。

不採用にするのが難しい

縁故採用では、自社にマッチしない人材であっても、不採用にすることが難しいという状況が発生します。

例えば、紹介者が経営陣や重要な取引先である場合には、関係性を損なうことを避けたいという心理が働き、不採用を決定できないケースもあるでしょう。しかしながら、スキルや適性が十分でない候補者を無理に採用すると、組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

リファラル採用を実施する際の注意点

リファラル採用を成功させるためには、いくつかの注意点があります。実施時に気を付けるべきポイントについて、詳しく解説します。

リファラル採用の報酬を就業規則に明記する

リファラル採用を導入する際には、法律に違反しないために報酬制度を就業規則に明記しましょう。

リファラル採用を法を順守したうえで運用するには、従業員による人材紹介を業務の一部として位置づけ、その報酬を給与の一環として支払う方法が推奨されています。

仮に「賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合」と定められた範囲を逸脱する報酬を与えてしまった場合には、違法なリファラル採用と判断される可能性があることに留意してください。

人材紹介事業と見なされないようにする

リファラル採用が人材紹介事業と見なされないようにするために、従業員に支払う報酬額は妥当な範囲に制限しましょう。

なぜなら、報酬が人材紹介会社に支払う手数料の相場よりも高額である場合には、労働基準法に違反するリスクが生じるためです。

人材紹介事業における報酬額の相場は、理論年収の30〜40%程度に設定されることが多いようです。したがって、それよりも低く抑えることが望ましいと言えます。

お祝い金など金銭を引き換えにする働きかけはしない

リファラル採用の紹介報酬において「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭を提供し、応募を促すことは控えましょう。

なぜなら、2021年4月に職業安定法に基づく指針が改正され「就職お祝い金」による求職者の勧誘が明確に禁止されたためです。

報酬はあくまで「紹介者側」のみに限定し、求職者に対しては職場としての魅力をアピールすることが法的な観点からも推奨されています。

[参照 : 厚生労働省「就職お祝い金」などの名目で求職者に金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止しました」]

縁故採用を実施する際の注意点

縁故採用を実施する際には、いくつかの重要な注意点があります。縁故採用を円滑に進めるためのポイントについて、以下に詳しく解説します。

他社員が不信感・不満を抱かないよう配慮する

縁故採用を行う際には、他の従業員の心情にも十分な配慮を行いましょう。

一般的に、縁故採用で入社した人物を快く思わない従業員が多いと言われています。そこで、採用後には公平な扱いを徹底したり、明確な評価基準を運用するなどのフォローが求められます。

もちろん、そういったフォローが不要な縁故採用も数多く存在するため、企業内の事情に沿った柔軟な対処をとることが大切です。

社内の人間関係に問題が生じないようサポートする

縁故入社の従業員と他の従業員との間に人間関係上の問題が生じないよう、適切なサポートを行う準備をしておきましょう。

縁故入社者が特別視されることで、他の従業員が不満や疎外感を感じないように、社内での平等な扱いを徹底することが重要です。

また、逆に縁故入社者がお客様扱いをされて疎外感を感じてしまうケースもあるため、双方が無理なく共存できるようなマネジメント体制を構築しましょう。

リファラル採用と縁故採用の違いを理解しよう

リファラル採用と縁故採用は、どちらも人間関係を活用した採用手法ですが、それぞれの特徴は大きく異なります。

リファラル採用は、従業員が持つ個々のネットワークを活かして信頼できる人材を集める手法であり、コストをかけずに組織を強化するために役立ちます。一方で、縁故採用は親しい関係者を採用するため、採用者の安定性は高いものの、組織内の人間関係に与える影響へ注意が必要です。

両者の違いを正しく理解し、適切な採用手法を選ぶことで、企業の成長を支える人材を賢く登用しましょう。

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