RPAの運用ルールはどう決めるべき?運用方法と失敗しないポイント
DX化の実現に向けて、幅広い業種でRPAの導入が検討されています。導入後は安定した運用を行わなくてはなりません。RPAの安定性を高めるには、運用ルールが重要です。本記事では、RPAの運用方法と失敗を回避するポイントなどを解説します。
目次
RPAの運用ルールを決める方法
RPAの運用を効率化するためには、3つのルールや管理体制の構築が必要です。ここでは、RPAの3つの運用ルールを具体的に紹介します。
開発ルールを策定する
RPAの運用をしたい場合、まずは開発ルールの策定が大切です。IT技術の進歩により、プログラミング知識がなくてもRPAツールでロボットの作成が容易になりました。ロボット作成は容易になったものの、あらゆる業務をロボットで代替してしまうと管理体制が複雑になってしまいます。
RPAに向いていない作業を自動化してしまった場合は、非効率になる可能性もあるため注意が必要です。RPAを作成する前には管理者に申請し、許可が降りた内容だけ開発ができるといった社内ルールを決めておきましょう。
管理ルールを策定する
RPAを運用する際は、誤作動などでトラブルが発生することもあります。もし誤作動や緊急停止で迅速な対応が必要な際に、どのような操作をすべきかマニュアルの作成も重要です。
導入前・導入中・導入後と3つのプロセスで想定されるトラブルの対処法や、サービス提供会社への問い合わせ手順・相談方法をまとめておきましょう。また管理する際には、誰がどのロボットを管理しているのかを可視化することで、野良ロボットの発生を防止できます。
検査ルールを策定する
RPAのパフォーマンスを高めるためには、業務内容や作業プロセスなどの運用体制の定期的な見直しもポイントです。自社内の業務体制だけではなく、RPAと連携しているツールのバージョンアップで誤作動を起こすケースもあるため、定期的に検査しましょう。
検査をする際にはRPAの稼働を一時停止する必要があります。どのようなスケジュールで検査をおこなうのか、検査対象項目の明確化も大切です。
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RPAの運用ルールを決めるべき理由
RPAを運用していくには、なぜルールの設定が必要なのでしょうか。ここでは、RPAの運用ルールを決める理由について紹介します。RPAのルールを決めておくことで、トラブルを最小限に抑えられるだけでなく、効率のよい運用にもつながるため理解を深めておいてください。
トラブルを起こす原因になる
RPAの運用ルールを明確にしなければ、あらゆる業務をロボットで代替することになってしまいトラブルが起きる原因になります。
本来であればRPAが不要な業務への着手やロボットが増えて管理に時間や手間がかかると、業務の効率化が図れなくなってしまうのです。最悪の場合、大事なデータが勝手に消えたり社内の機密情報の漏えいに繋がることも考えられます。
トラブルへの対応が遅れる
トラブルが発生した際にどのような操作をすべきか、サービス会社に問い合わせが必要なのかが明確でないと、トラブル対応が遅れる場合があります。また対応が遅れることで、会社の利益に影響することも考えられます。
他にもトラブルを放置してしまうと、データ損失や情報漏えいといったリスクが起きてしまう可能性もあるでしょう。未然にトラブルを防ぐためにも、マニュアルに対処法への手順を記載しておくことが必要です。また誰がトラブルを起こしたのかがわからなければ、原因を見つけるまでに時間がかかる点もルール策定の理由といえます。
無駄なコストが発生する
RPAの開発から運用ルールまでを明確にしなければ、既にロボットで自動化している業務の重複が考えられるため、時間も費用も無駄になってしまいます。
効率的に運用していくためにも、RPAが必要か費用対効果の観点からも判断すべきです。稼働条件を明確にすれば、RPAにかかる費用が確認でき無駄なコストの発生を防げます。
RPAを効率よく運用する方法とは
RPAの効果を高めるためには、ルールの明確化だけでなく上手く運用する方法を確認すべきです。ここでは、RPAをどのような運用で効率化すべきか紹介します。
スモールゴールの設定
RPAを上手く運用するためにも、特定の部署やチームから始めるスモールゴールを設定しましょう。使い慣れていないルールの中で全社運用を始めると、トラブル発生時の対処やRPAに不向きな業務の確認ができないからです。
しかし、小さな業務領域で運用をスタートすると、トラブルが発生してもスピーディーな対処が可能です。被害も最小限に抑えられ、修正が多く発生することもありません。また小さな成功体験を積むことで、達成感も得られるため従業員のモチベーションアップにもつながります。
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分担業務の明確化
業務内容やRPAツールにより使用方法が異なるため、運用中の大規模なシステム障害や誤操作情報漏えいなど、トラブルの発生につながる可能性があります。
再稼働に必要な操作方法や担当者が把握できなければ業務の稼働が遅れてしまうため、不測の事態に備えて分担業務の明確化は必ず行ってください。
フェーズごとのマニュアル作成
RPAの導入から稼働までのプロセスには、運用前・運用中・運用後の3フェーズがあります。
運用前であれば業務の代替範囲、運用中ならコストパフォーマンスやトラブル発生時の対処法、運用後は定期的な見直し期間や調査項目など誰もが理解しやすいマニュアルを作成しましょう。マニュアルの定期的な見直しも行うことで、より誰もが使えるマニュアルになります。
ガイドラインの設置
RPAの開発に一定のルールを定めることで、無駄なロボットの開発やトラブルの防止につながります。必要なロボットだけの開発をすれば、管理コストの軽減にもつながります。
社内でのガイドラインを設置し、事前に開発の権限を設定することが重要です。
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RPAの運用を失敗させないポイント
RPAの運用を失敗させないためには、どのようなポイントに注意すべきでしょうか。ここでは、RPA運用の失敗しないポイントを4つ紹介します。
RPAの理解を深める
RPAでどのようなことができるのか、理解を深めることが重要です。RPAの特性を理解したうえで業務の洗い出しを行うと、運用パフォーマンスの向上に期待できます。
一般的にRPAは定型業務や繰り返し業務の効率化が得意とされています。それ以外の業務をRPAで行うと、逆効果になることもあるため注意が必要です。RPAの理解を深めて運用が難しい業務の代替を防げば、無駄なコストの削減にもつながるでしょう。
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社員への周知と教育
RPAを運用する際は社員への周知だけではなく、操作方法やトラブル発生時の対応などの教育研修を定期的に実施する必要があります。
運用ルールをマニュアル化していても、社員が独自のルールを作ってしまうと属人化してしまうため、トラブルが発生した際にも特定の社員しか対応できない状況になってしまいます。
運用ルールが属人化されてしまうと担当者への相談が増えたり、業務時間が増えたりすることが考えられるため注意してください。
運用ルールの定期的な再検
RPAを実際に運用していく中で、導入当初は想定していなかった事態や管理者の変更が起こることもあります。そのため、定期的に運用ルールを見直し、現状にあった稼働ができているのか、費用対効果はあるのか正しい判断が大切です。
定期的にルールを改正していく上では、担当者をアサインしておきましょう。しかし、担当者一人に運用を任せると属人化やブラックボックス化のリスクがあるため、複数人アサインして共有しつつ運用するのが最適です。
サポートが充実したサービスの選択
RPAサービスを提供している会社によっては、サポート体制の充実度が異なるため数社を確認して比較検討が大切です。社内でRPAの運用体制を構築できますが、時間がかかってしまいます。
また導入後の設定やトラブル・導入支援を行っているサービスもあります。自社だけでの運用が心配な方は、相談できるサービスを選ぶのも1つの選択です。
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運用マニュアルのサンプル例を確認できるサイト
RPAのサービスを提供する会社には、運用マニュアルのサンプル例を確認できるサイトがあります。ここでは、実際のサンプル例が確認できるサイトを5つ紹介します。
Microsoft
Microsoftは低価格なサービスですが、ExcelやWord・PowerPointなどあらゆる保存形式に対応しています。また、ビジネスシーンに適しているテンプレートが豊富です。書式内容に関しては利用シーンごとにカテゴリ分けされているため、ダウンロードしたい形式をすぐに探せるメリットもあります。
提供元 | 日本マイクロソフト株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 家庭向け
一般法人向け
|
機能・特徴 | 豊富なテンプレート、Word・Excel・PowerPoint・Formsといったあらゆる形式に対応可能、利用シーンごとにテンプレートを選択可能など |
URL | 公式サイト |
bizocean
bizoceanは30,000点以上のテンプレートがあり、国内最大級の書式テンプレートを取り扱っています。ランキング形式でダウンロードされている書式や使用したい書式が探せ、書式テンプレート項目も豊富です。確定申告や勤怠管理など、使用目的にあわせた書類が探しやすい点もメリットです。
提供元 | トライベック株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 豊富なテンプレート、テンプレートの検索方法が充実、お役立ち資料あり、セミナー開催情報ありなど |
URL | 公式サイト |
SILAND.JP
SILAND.JPはビジネス上でよく使うテンプレートが無料で提供されており、WordやExcelにも対応しています。ダウンロードしたテンプレートを保護すれば、自社でカスタマイズも可能です。マニュアル作成用のテンプレートも取り扱っており、RPAの運用ルールを作成する際にも役立ちます。SILAND.JPで提供しているテンプレートは特別なソフトのダウンロードが必要ないため、すぐにマニュアルを作成したい方におすすめです。
提供元 | SILA |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 | 細部にまでこだわった高いデザイン性、簡単に書式作成可能、カスタマイズ可能、特別なインストール処理が不要、圧縮ファイルの解答のみの簡単ダウンロードなど |
URL | 公式サイト |
テンプレートBANK
テンプレートBANKは、無料会員登録をすると5,000以上のテンプレートを無料でダウンロードできます。市販のラベルや名刺などのプリントペーパーに印刷できるテンプレートも豊富です。テンプレートも職種や業種のカテゴリから選びやすく、すぐに書式を作成したい場合にも便利です。
提供元 | ティービー株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 ※一部テンプレート有料 |
機能・特徴 | ビジネス書類に対応、デザインテンプレートが豊富、メーカー用紙テンプレート対応、季節ごとのテンプレートありなど |
URL | 公式サイト |
bizroute
bizrouteは、経理・総務・営業・システム開発などのビジネスで使用するテンプレートを豊富に取り扱っているサービスです。効率的に書式作成をするためのノウハウをまとめたコラム記事も配信しているため、書き方や封筒の選び方などマナーを確認したい場合にも役立ちます。
提供元 | 株式会社エクシア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 経理・総務・営業・システム開発といったビジネステンプレートに特化、ビジネス文書テンプレートの提供もあり、仕事のノウハウやビジネスマナーを解説したコラム記事ありなど |
URL | 公式サイト |
RPAの運用ルールを決めて上手に活用しよう
RPAは定型的な業務をロボットで代替できるツールです。これまで手作業で行っていた業務を自動化できるため、時間や手間を省けコア業務にリソースを充てられます。
しかしRPAの費用対効果を高めるためには、運用ルールを定めなければ非効率になる場合もあります。上手く活用していくためにも、RPAの特性を理解しルールを策定しましょう。
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