SFA活用の成功事例5選を紹介!具体例から学ぶSFAの効果的な活用法
SFA導入後の成功イメージを持ちたい方や、SFAをうまく使いこなせないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。本記事では、SFA活用の成功事例5選を紹介します。導入前の課題・活用方法・導入効果を詳しく解説するほか。活用のポイントも記載しているので参考にしてみてください。
目次
SFAとは?
SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動に関するあらゆる情報を管理し、営業活動の可視化や最適化、効率化を図るシステムです。日本語では「営業支援システム」と呼ばれます。
SFAによって、リアルタイムで営業担当者の行動履歴や商談の進捗状況、受注率などを確認できるようになります。顧客情報と併せて送付した資料や電話内容なども記録できるため、より効率的な営業活動が実現可能です。うまく活用できれば、利益率の向上や売上アップが期待できるでしょう。
▷【誰でもわかる】SFA(営業支援システム)とは?意味・機能・CRMとの違い
SFAの基本的な機能
SFAには、主に以下のような機能が備わっています。
機能 | 詳細 |
顧客管理機能 | 名前や部署、役職、電話番号、メールアドレスなどの顧客情報を管理 |
案件管理機能 | 提案商品・サービスや営業先企業、担当者、進捗状況、受注見込みなど案件にまつわる情報を管理 |
商談管理機能 | 商談の進捗状況や提案商品・サービス、競合他社の状況などの商談に関する情報を管理 |
行動管理機能 | 担当者ごとのアプローチ回数や受注率などの情報を管理 |
予実管理機能 | 蓄積したデータを基に、売上予測や実績を見える化しつつ管理 |
そのほかのサポート機能 | モバイル対応やタスク機能、予定表管理、ファイル共有、ワークフローなど営業をサポートするさまざまな機能を搭載 |
▷SFAに搭載されている機能一覧|SFAでできることや導入メリットを解説
SFAを活用するメリット
SFAを導入するメリットは、端的に言うと営業活動の効率化が図れることです。
ここからは、具体的にどのような効果があって営業活動の効率化が図れるのかについて、それぞれ紹介していきます。
顧客情報を蓄積できる
SFAを導入すると、顧客情報を一元化・蓄積できます。従来の営業活動は担当者が個別に案件を進め、それぞれの担当者が個別に顧客情報を持っているというケースも少なくありません。
そのため、仮に担当者が転職した場合、情報の引き継ぎが円滑に進まない場合があります。一方で、SFAを導入し顧客情報をシステムに蓄積することで、担当者が退職や給食をする場合でも引き継ぎが円滑に行える点がメリットです。
営業活動を可視化できる
SFAを導入すると、営業活動を可視化できるメリットがあります。
前述のとおり、従来の営業活動は担当者が個別に案件を進め、個別に顧客情報を持っているというケースが見受けられました。この状況では組織の営業活動は可視化されておらず、組織として営業活動の実態を把握することは困難といえます。
SFAを導入すると、運用面に課題がある場合はともかく、営業活動はほとんどリアルタイムに共有可能です。このように営業活動を可視化できれば、営業活動の課題発見、ひいては営業活動の効率化につながります。
▷SFAを最大限活用する方法とは?今すぐチェックすべきポイントを解説
情報共有が容易にできる
SFAの導入で、顧客情報の蓄積や営業活動の可視化が可能であることは前述のとおりですが、SFAで共有できる情報はそれだけではありません。
具体的には、担当者が持つノウハウ情報の共有にも役立ちます。属人的であった営業活動を、SFAの導入によって情報共有を促進させた結果、ノウハウの共有にもつながり組織として営業力の向上を図れるのです。
そのほか、SFAによっては日報・週報作成支援機能もあり、導入前より報告書作成業務の負担が和らぐメリットも見込めます。
データに基づいた経営ができる
SFAを導入することによって、営業活動に関するあらゆる情報を集約できます。これによって、データに基づいた経営ができる点がメリットです。
例えば、どのような属性の顧客が増えているのか、どのような理由で失注が起こっているのかなどを蓄積されたデータから判別できます。このようなデータの活用によって、経営戦略の立案に活かすことが可能です。
また、営業担当者の行動プロセスや行動履歴も可視化できるため、数値化しづらい業務内容についても適切な評価が行えるようになり、従業員のモチベーションアップにもつながります。
▷SFA導入がもたらす効果とは?メリット・デメリットを徹底解説!
SFA活用の成功事例5選
ここからは、SFA活用の成功事例5選を紹介します。
導入前の課題・活用方法・導入効果について詳しく紹介しているため、企業がSFAを活用してどれほど改善効果を得られたのかを確認して、自社でのSFA運用に活かしてみてください。
favy
株式会社favyは、飲食店が無料でホームページを作成するサービス「favyページ」の開発・提供や、飲食店を紹介するグルメメディア「favy」などを運営する企業です。
SFAの導入前は、「高速でPDCAを回して営業の勝ちパターンを見つけたい」という点を課題として抱えていました。そこで、プロセスの可視化と改善を行い、生産性アップを目的にSFAを導入。スケジュールとの連携や施策ごとの効果の分析、受注数や止まっている案件の確認や勝ちパターンの分析などに活用しました。
結果として、月間約100社を営業担当者5人で受注できるまで営業業務が効率化されました。勝ちパターンの分析が、受注に大きくつながっています。
[出典:Mazrica Sales「Mazrica Sales(旧Senses)は高速でPDCAを回す為にベストなSFA/CRMです」]
ヒトカラメディア
株式会社ヒトカラメディアは、オフィス移転支援を中心に、働く場所や働き方に関するプロジェクト全般の企画サポートも行う共創支援カンパニーです。
SFA導入前に使用していたツールでは売上確認しか行えず、売上データの蓄積は手作業で行っていたため作業が煩雑になっていることが課題でした。
そこでSFAを導入し、現状把握と次回アクションの計画立案、営業担当者の自己管理や年間売上・月間売上見込みの可視化などに活用しました。結果として、よりよい営業活動を行うための新たな発想を得ることに成功しています。
[出典:Mazrica Sales「Mazrica Sales(旧Senses)から新たな気づきを得ています」]
NECネクサソリューションズ
NECネクサソリューションズ株式会社は、情報システムの提案・設計・構築・運用を一括して手がけている企業です。40年以上にわたる事業実績があります。
同社では、5社が合併してできた会社であるため、マネジメントの尺度が統一されておらずプロセスに応じた営業活動がうまくできていないという課題を抱えていました。そこで、営業プロセスの見える化を実現するためにSFAを導入。営業活動の見える化によって顧客へのフォローアップが迅速化されました。
結果的に、営業効率が2~3倍に向上し、これまでに客先へ二度、三度と訪問して確認していたことが、一度の訪問で情報の網羅ができるようになっています。
[出典:eセールスマネージャー「NECネクサソリューションズ株式会社様」]
全国農業協同組合連合会
全国農業協同組合連合会(以下、全農)は、日本全国の「地域農業の担い手」のもとへ出向く活動を展開する全国連合会です。
全農では、国際競争に打ち勝つことを目的として個別にプロ農家を支援する取り組みを強化しています。しかし、これまで全農では個別訪問して耳を傾けて、関係を構築するための営業の概念が明確ではありませんでした。
そこで、プロ農家のニーズや課題を知るためにも、得た情報や提供した内容を記録・蓄積・共有化するツールとしてSFAを導入。
導入後は、有効なマーケティングデータを蓄積することができ、企画提案や事業改善に生かすことができるようになりました。また、一連の記録を見直すこともできるため、個々の担当者においても、活動のレベルアップにつながっています。
[出典:eセールスマネージャー「全国農業協同組合連合会様」]
ベネフィット・ワン
株式会社ベネフィット・ワンは、主として法人向けの福利厚生アウトソーシング事業を展開する企業です。現在ではインセンティブ事業や出張支援事業、ヘルスケア事業やイベント企画事業などを幅広く展開しています。
同社では、組織力向上のために日々の営業活動を可視化することと、部署間連携を図ってクロスセルを促進することなどの課題を抱えていました。
また、すでに自社内でSFAシステムを開発し運用していた経緯がありますが、カスタマイズに時間やコストがかかる点や、外出先からスマホでアクセスできないことなどの問題点も抱えていました。
そこで、より効率的な運用が行えるSFAを導入。その結果、トップセールス4人のうち3人は入社2年目以内の若手営業担当者となるほど若手が飛躍的に成長し、組織全体で前年比360%の受注件数アップを達成しました。
外出先からスマホでSFAにアクセスして、訪問先企業との接触履歴や他部署のアプローチを確認できるようになったため重複営業もなくなりました。また、他部署が連携してクロスセリングを実践できるようになり、有効面談数やキーマンに会えるケースが格段に増加しています。
[出典:eセールスマネージャー「株式会社ベネフィット・ワン様」]
SFA導入で失敗しやすいパターン
SFA導入によって成功した事例を紹介してきましたが、実はSFA導入に失敗してしまった企業もあります。SFA導入に失敗してしまわないよう、事前に失敗しやすいパターンを把握しておきましょう。
解決したい課題や目的が不明確
SFA導入によって営業活動の効率化が期待できますが、具体的な目的が定まっていないまま導入してしまうと失敗につながりやすいです。
本記事で紹介した成功事例を見ると、明確な課題認識の基にSFAを選定して活用していることが分かります。
そのため、SFAを導入する前に自社が抱える営業部門の課題を把握し、どのような課題を解決するためにSFAを導入するのかといった目的を明確にしておきましょう。
操作が複雑で扱いづらい
操作が複雑で扱いづらいSFAは、営業担当者の負担が増えてしまいうまく活用されず、導入効果が得られない場合があります。
例えば、入力項目が複雑すぎて面倒に感じてしまう場合や、画面構成が複雑で分かりづらい場合などは、従業員のストレスとなり入力が後回しになったり、モチベーションが低下したりする恐れがあるため注意が必要です。
このような状況に対処するために入力を義務化すると、より従業員の負荷となり営業効率が下がってしまうでしょう。
SFA運用フローが整備されていない
SFAの運用フローが整っていない場合も、導入失敗につながるケースとしてあげられます。
SFAの利用が各営業担当者に一任されている状態では、使用方法や活用頻度に差が生じます。これにより、ITツールの操作に慣れていない従業員は十分に使いこなせず、結果として組織全体の営業効率を高めることが難しくなるでしょう。
そのため、事前にSFA運用フローやマニュアルを作成して、運用体制を整えておくようにしましょう。
製品の比較検討が不十分
製品の比較検討が不十分な場合、自社に必要な機能が搭載されていなかったり、不必要な機能まで搭載されていて使いづらくなったりする事態が生じます。
結果的にSFAが十分活用できず導入効果が得られなくなってしまうため、事前に必要な機能の厳選や資料請求などで複数の製品を比較検討して、自社に合ったSFAを導入しましょう。
▷自社に合った最適なSFAの選び方は?7つのチェック項目を解説
SFA導入を成功させるポイント
SFA導入には多くのメリットがありますが、SFA活用には押さえておきたいポイントがあります。ここからは、SFA導入を成功させるポイントを3つ紹介します。
導入目的をしっかり現場社員に伝える
SFA導入に際し、なぜ導入するのかという導入目的を現場社員に伝えることがポイントです。当然ながら、業界内でSFA導入の動きが加速しているからという理由だけでSFAを導入しても、うまく活用することはできません。
SFA導入によって、どのような課題を解決するのかを明確にしておきましょう。SFA導入による目的について数値指標に落とし込むと、導入効果をより客観的に評価できます。
スモールスタートで運用を始める
SFAの導入は、スモールスタートすることがおすすめです。SFAの利用をルール化して一斉に運用開始する方法もありますが、すべての従業員が上手に活用できるとは限らないため、営業現場への定着ハードルは高いといえます。
SFAには無料トライアル期間を設けているものもあるので、その期間に機能や操作性を確認し、自社の課題解決にマッチするかをチェックしましょう。
▷無料で使えるSFA(営業支援システム)12選比較!有料版との違いや選び方
入力する情報を最小限度にする
SFA導入後の運用についてよく挙げられる問題点が、現場社員がSFAへのデータ入力を敬遠しがちだという点です。たしかに、あらゆる情報をSFAに入力して蓄積していくことが理想ですが、現場社員からすると手間のかかる作業となります。
データ入力の手間が大きいことを理由に現場社員がSFAを利用しなければ、SFA導入の意味がありません。そのため、現場社員の負担を軽減するためにもSFAへの入力情報は最小限に抑えておく意識が求められます。
SFAを選ぶ際のポイント
ここからは、SFA導入を成功へ導くために押さえておきたい、SFAを選ぶ際のポイントを紹介します。SFAを選定する際は、紹介するポイントをチェックしてみてください。
操作がしやすいか
まずチェックしておきたいことは、操作がしやすいかという点です。
SFAの操作性が悪ければ、利用が定着せず導入効果が得られません。そのため、まずは無料トライアルを活用して操作性のよさを確認しましょう。
無料トライアル中は、実際にSFAを活用する現場社員に操作性を確認してもらうことがポイントです。
サポート体制が充実しているか
SFAの運用について、サポート体制が充実しているかもチェックしておきましょう。
SFAは継続して利用するものであるため、もしトラブルが発生した場合は、どのようにサポート対応をしてもらえるのかが重要となります。
操作性は主観によるものが強く、比較するうえで大きな差を見出すことは難しいかもしれません。一方、サポート体制の充実度は、対応時間帯や対応方法などに基づき、ある程度客観的に評価できます。
必要な機能が揃っているか
SFAはどのツールであっても、機能が共通している部分があります。しかし細かい点まで見ると、実は使い勝手が悪かったり、機能として対応していないものがあったりすることも考えられます。
営業課題の解決に向け、必要な機能が揃っているかどうかを慎重に検討しておきましょう。なお、SFAによっては無料トライアルを設けていることもあります。そのため、無料利用期間のうちに自社が求めている機能が備わっているかを確認しておくとよいでしょう。
▷【2024年最新】おすすめSFA(営業支援システム)24選!比較ポイントも解説
事例を参考に、SFA活用を成功させよう
SFAを導入すると、営業活動の効率化が図れます。しかし、成功している事例のほとんどが、SFAの導入前から自社の課題を明確に認識していました。
ぜひこの記事を参考に、明確な課題認識を持ったうえで、SFAの導入と活用を行ってみてください。
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