SFA導入後のルート営業と新規営業での活用手法!成果を上げるコツは?
SFAを導入すると、ルート営業及び新規営業の業務はどのように変わるのでしょうか。本記事では、ルート営業と新規営業のSFA導入前後の違いや、SFAを用いた営業成果を上げるコツを解説します。ルート営業向けの機能がついたSFAも紹介しているので参考にしてください。
目次
ルート営業のSFA導入前と導入後の違い
ルート営業とは、すでに取引のある企業に対して営業活動をおこない、既存取引の維持と追加契約などによる売上の拡大を目的とするものです。
そのため、営業担当者は定期的に顧客の状況や課題をヒアリングし、信頼関係の維持と状況の変化に応じた新規提案によって競合他社に心変わりしないような関係性を築くことが必要です。
そのようなルート営業において、SFAの導入はどのような効果をもたらすのでしょうか。
(1)SFA導入前のルート営業にありがちな課題
ルート営業においては、以下のような課題がよく見受けられます。
何度も訪問しているのに、新規契約につなげられない
「営業は足で稼ぐ」と言われるように、営業活動は、訪問した企業の数で評価されるという風習は、いまだに多くの企業で残っています。
訪問回数や資料配布数など、訪問数が目標となってしまい、肝心の営業成果である成約数は伸び悩むというジレンマに陥るというケースが散見されます。
他社の製品・サービスを導入されてしまっていた
競合他社の製品やサービスを導入されてしまうことは、営業活動における大きな失敗です。
営業担当者側としては、足繁く訪問していたつもりでも顧客が抱える課題の把握による的確な提案ができなければ、新規取引の獲得はおろか、他社への乗り換えを防ぐことはできません。
営業担当者が変わると、成果が下がる
顧客側担当者の性格や社内事情、会話の中で拾った些細なキーワード、段階的な営業アプローチの進捗状況など、顧客との細かな情報は、営業担当者しか把握していないというケースは多くあります。
このように顧客情報や商談履歴などの営業活動がブラックボックス化することで、担当者が変更になった際に、情報不足により顧客との信頼関係の再構築を余儀なくされるなど、パフォーマンスが著しく低下してしまう可能性があります。
日報や資料作成に時間がとられる
外出の多いルート営業では、日々の行動内容や進捗状況のリアルタイムでの共有が難しいことから、日報や定例報告の場で状況を報告することが通例といえるでしょう。
ルート営業の担当者は、日中は主に顧客先訪問に時間をあてることが多いため、日報や提案資料などの作成は終業時間を過ぎてから始めるというケースがほとんどです。そのため、このような情報共有の手間が、業務負荷や残業時間の増加といった労働環境の悪化の原因となってしまっています。
(2)SFA導入後のルート営業はこう変わる
ルート営業の成果やそれに関わる業務内容における様々な課題をあげてきましたが、SFA導入によって、これらの課題はどのように解消されていくのでしょうか。
アプローチすべき優良顧客の可視化
「何度も訪問しているのに、新規契約につなげられない」背景には、契約獲得の可能性の高い顧客の選別、そして、それらの優良顧客への優先的なアプローチがなされていないことが往々にしてあります。
SFAでは、顧客情報が一元管理されることで、購買頻度や購買額などの取引履歴から、制約につなげやすい優良顧客の可視化が可能です。
それにより、優先順位をつけた顧客へのアプローチが可能となり、見境なく訪問回数を重ねるよりも、格段効率的に営業成果を高めることができるのです。
競合他社分析
「知らないうちに、他社の製品・サービスを導入されてしまっていた」ことの背景には、営業担当者が競合他社の存在を把握していなかったという大きな原因があります。
SFAでは、成約・不成約率や商談の際の競合他社の有無、競合他社の価格設定などのデータを蓄積していくことができます。
そして、すべての営業担当者からの商談データが一元管理されることで、他社の営業傾向が把握でき、的確な営業戦略を立てることが可能となります。
また、案件の進捗更新が滞っている場合、アラートで放置を防止する機能もあるため、訪問間隔が空いてしまったが故に他社に契約を奪われてしまったという機会損失を防止する効果が期待できます。
営業活動が可視化・標準化される
「営業担当者が変わると、成果が下がる」大きな原因のひとつが、情報のブラックボックス化です。SFAでは、商談や顧客に関する情報の一元管理により、これまでの商談履歴や現在の進捗が可視化されます。
それにより、情報の精度が高まるだけでなく、蓄積されたノウハウやナレッジの共有が可能となるため、属人的になりやすいパフォーマンスのムラの解消にも貢献します。
シングルインプット・マルチアウトプットによる資料作成業務の効率化
「日報や資料作成に時間がとられる」ことは、営業パフォーマンスの向上を阻む要因として、小さいものではありません。SFA導入により、営業担当者は外出先でも、スマホやタブレットから簡単な必要事項を入力するだけで、日々の活動報告をアップデートすることが可能となります。
そして、入力された情報は、案件進捗や顧客情報、売上管理などの様々なデータベースと連携・同期されるため、このようなルーティンかつノンコアな業務にかかる工数を大幅に削減できるのです。
新規営業のSFA導入前と導入後の違い
ルート営業が取引の維持と拡大を目的としていたのに対し、新規営業は、その名の通り新たな取引先の開拓を目的とする営業活動です。
すでに大半のマーケットシェアを占め、その状態が安定しているケースを除き、多くの企業にとっては、常に新規顧客の開拓は経営課題であり、成長戦略の根幹を担う重要なものとなっています。
ゼロベースで営業活動を進めていく新規営業においても、業務の生産性・効率性を高められるSFAには、大きな効果が期待できます。
(1)SFA導入前の新規営業にありがちな課題
新規営業においては、以下のような課題がよく見受けられます。
飛び込み営業をしても、反応が悪い
新規開拓というと、飛び込み営業をイメージすることも多いかもしれません。「名前を知っている企業だったから」「会ってくれそうな感じがしたから」など、「なんとなく」な理由で企業選定していると、結局、時間と労力のムダに終わることが少なくありません。
話を聞いてもらえても、契約につながらない
なんとか商談の機会が得られ、熱心に提案をしても、他社に奪われてしまったというケースは、新規営業では珍しくない光景です。
これは、先方にとってみると、興味は喚起されたものの、既存の取引先から鞍替えするほどのメリットは感じられなかったということを意味しています。
担当エリアは行き尽くして、もう営業先がない
かたっぱしから担当エリア内にある企業をリストアップして、訪問アポの電話をかけ、訪問・提案をして、もうこれ以上営業先が見当たらないという声を耳にすることもあります。
しかし、このような声が聞かれる場合、成約へとつながらない原因は、「適切なアクション」が起こせていないことがほとんどです。
(2)SFA導入後の新規営業はこう変わる
営業先を担当者自らが開拓し、信頼関係を築くことが大きなミッションとされる新規営業においては、費やした労力や時間に対して、一朝一夕で成果が得られるわけではありません。
そのため、途中で担当者のモチベーションやパフォーマンスの低下が新たな課題として浮上することも少なくないのです。では、このような新規営業における課題は、SFAの導入によってどのように解消されるのでしょうか。
ターゲット顧客の明確化
「飛び込み営業をしても、反応が悪い」のは、まず、ターゲットが適切でないことが原因であると考えられます。営業先のリスト作成は、新規営業の成果を左右する要ともいえる重要なプロセスであるため、入念なターゲティングが必要となってきます。
SFAでは、既存顧客の購買情報やこれまでの商談履歴などから、商品・サービスとの親和性の高い顧客のペルソナ(ターゲット像)を設定することができ、適切なターゲティングが可能となります。
またターゲット設定後も商談履歴などの活動内容を蓄積していくことで、優先的にアプローチすべきターゲットリストを精査していくことができます。
パフォーマンスの高い社員のスキルを標準化
「話を聞いてもらえても、契約につながらない」ことの背景には、営業スキルや経験の不足が関係していると考えられます。
そこで、SFAの導入により、新規営業で高い成約率を誇る営業担当者の行動を分析し、商談の内容や提案内容、フォロー頻度などを体系化します。
パフォーマンスの高い社員のナレッジを新人でも活用できるようにすることで、機会損失のリスクを減らし、効果的に営業アプローチを進めていくことができるようになります。
営業活動の可視化と分析
「担当エリアは行き尽くして、もう営業先がない」という課題は、感覚的かつあいまいな営業戦略が原因と考えられます。
たった数回のアプローチで手応えが感じられなかったがために、営業活動をストップさせてしまうことは、目の前のチャンスを自ら競合他社に差し出すようなものです。SFAには、営業活動や顧客情報が可視化されることで、効率的に営業戦略を実行していくことができるというメリットがあります。
新規営業に関する分析データが蓄積されることによる、「客観的な敗因」の把握が戦略的にPDCAサイクルを回すための重要な情報源となり、担当エリア内での成果を高めることにつながるのです。
SFAを用いて営業成果を上げるコツ
SFAを導入することで得られるメリットは、大きく分けて3つあります。
- 営業活動の可視化
- 業務の標準化
- 業務の効率化
ここからは、これらのメリットを最大限享受するためにおさえておきたいコツを紹介します。
(1)モバイルと連携し、外出先でも使えるようにする
営業担当者は、業務時間のほとんどを外出先で過ごします。そのため、スマートフォンなどのモバイルデバイスからも操作が容易なクラウドサービスでなければ、営業支援システムとして利便性が高いとは言えません。
外出先でも、オフィスにいる時と変わらない作業環境を確保できるように、SFA導入時には、モバイルデバイスとの連携を忘れずに行いましょう。外出先の空き時間に商談内容や活動報告を入力しておけるため、報告書の作成のためにわざわざ帰社する必要もありません。
また、外出先から入力した情報が常に更新・共有されるため、各業務や情報の管理が属人化することなく、営業活動をチーム全体で進めていくことができます。
(2)データ分析を怠らない
SFAは、集約した様々なデータから、多様な分析レポートを自動作成することが可能です。営業に関する多角的なデータが日々蓄積されていくことで、目標達成の進捗状況や、調整やフォローが必要な案件の有無などを、逐次チェックすることができます。
また、売上予測をはじめ、有望見込み客数や成約までのリードタイムなど、営業活動の効率と生産性を向上する上で必要な指標は、SFAによる分析を重ねることで、より精度を増していきます。
このような見込み案件から成約に至るまでのプロセスを詳細に分析し管理することを「パイプライン管理」といい、より計画的に売上を生み出す体制構築に欠かせないものです。
SFAによって、成約プロセスを分析し、パイプライン管理を徹底することは、成約率の高い見込み案件の割り出しや成約に至るまでの時間の可視化へとつながります。つまり「計画的な売上の獲得」が見込めるようになるのです。
(3)MAと連携させる
SFAは、商談内容などのオフラインでの顧客とのやり取りを含めた情報管理を得意とするのに対し、マーケティング活動を自動化するMAは、オンライン上での顧客の動きやスコアを管理することを得意としています。
オフラインとオンライン、営業とマーケティングなど、これまで別々だったものがシステムでつながることによって、消費行動履歴や嗜好傾向に至るまで、顧客に関するより詳細な情報を営業活動や営業戦略に生かせるようになります。
まず、連携における大きなメリットとされるのが、リードの選別・抽出・育成です。マーケティング戦略の一環である、リード(見込み客)の管理は、MAを用いることで、リードの新規獲得・育成・選別を自動的に実行してくれます。
加えて、MAでは、リードが閲覧したWebページなどの情報から興味関心の傾向などを分析し、各々に適した方法とタイミングで、リードの見込み度合いを高めるアプローチをかけていきます。
リードの抽出や選別は、SFAだけでは非常に工数がかかりますし、育成まで行うとなると、さらに多くの人手と時間を割かなければなりません。
MAとSFAを連携させたリードナーチャリングにより見込み度合いが高くなった顧客にターゲットを絞って、営業リストを作成することが可能となります。
また、連携によりマーケティング施策立案から実際の購買までが一気通貫して可視化されるため、どのマーケティング手法が購買へとつながっているのかの効果測定も「実態」を把握したうえで評価できるようになるのです。
ルート営業向けの機能がついたおすすめSFA
これまで述べてきたように、ルート営業と新規営業では、業務内容も抱えている課題も異なります。
煩雑な営業活動を支援するため様々な機能を搭載したSFAがリリースされている中で、ルート営業の特性と課題を上手に盛り込んだSFAも登場しています。
(1)ネクストSFA
ネクストSFAは、ルート営業はもちろん、アウトバウンドセールスなど多様な営業スタイルが混在する営業部内においても、ひとつのシステムで全ての業務をカバーすることができます。
その高い汎用性に加え、ほとんどの操作がドラッグアンドドロップで完結する直感的な操作性をはじめとする「使いやすさ」「見やすさ」にこだわったUI・UXデザインのほか、操作や表示がマルチデバイス対応となっているため、外出先でのスマートフォンやタブレットを使用した作業もストレスフリーおこなえる点が大きなメリットといえるでしょう。
提供元 | 株式会社ジオコード |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | 基本月額料
10ユーザーまで無料 11ユーザー以降4,400円(税込、1ユーザーあたり月額) 任意にて追加
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(2)Sales Force Assistant
Sales Force Assistantは、AI秘書を営業活動の助手とすることで、煩雑な業務を自動化し、営業担当者の業務負荷を限りなく抑えられるよう設計されたシステムです。
シリーズの中でもルート営業に特化した支援システム「顧客深耕」では、ルート営業の多いメーカーや小売業、卸売業を想定とした様々な機能が搭載されています。
さらに営業担当者が商談内容を伝えるだけで、AI秘書が日報形式のフォーマットに情報を集約し、そこから顧客管理や案件管理などの各データをアップデートしてくれるため、資料作成や情報整理などの時間を大幅に削減することができます。
提供元 | 株式会社NIコンサルティング |
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初期費用 | 55,000円(税込) |
料金プラン | クラウド
オンプレミス(5ユーザーライセンス~)
※使用するライセンス数により金額が変動します。 |
導入実績 | 約8,500社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
SFAを導入して営業を効果的に実践すること
日本政策金融公庫が国内中小企業約600社に対し行った調査では、「経営基盤強化のために注力すべき分野」として、2019年より3年連続で「営業・販売力の強化」と答えた企業が最も多かったという結果が出ています。
この結果からも、企業経営における営業活動の重要性の高さを見て取ることができます。そのため、外出の多い営業担当者が、どこにいても効率よく業務を進めるためにツールであるSFAの国内導入率が増加傾向にあることは、これらのニーズを反映した当然の流れといえるでしょう。
SFAの導入・活用により、現状把握と検証、計画修正、実施というPDCAが強化され、最短ルートで利益を生み出す方法を辿ることが可能となります。
高いパフォーマンスの維持と向上が期待できるSFAは、求められる価値の流動性や市場競争が激化する現代のビジネス環境において欠かせないツールのひとつとなるはずです。
[出典 : 日本政策金融公庫「2022年の中小企業の景況見通し~「中小企業景況調査」(2021年11月)の付帯調査結果~」 ]
[出典 : 矢野経済研究所「ERP及びCRM・SFAにおけるSaaS利用状況の法人アンケート調査を実施(2020年)」]
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