SMSはメルマガよりも有効?違いやメリット・デメリットを紹介
手軽かつ確実な情報提供手段である「SMS」。ビジネスにおけるマーケティングにおいては、従来のメルマガとSMSはどちらが有効なのでしょうか?本記事では、SMSの特徴やメリット・デメリット、おすすめの活用術やLINEとの違いなどを紹介します。
目次
SMSはメルマガよりも有効?
SMSとは「ショート・メッセージ・サービス」の略であり、携帯電話番号を送信先としてメッセージを送る仕組みです。
これまで企業がユーザーに情報提供を行う際には、複数のユーザーに一斉配信できるメルマガが採用されるケースが一般的でした。しかし、近年ではSMSを活用する企業も急速に増えています。
SMSが注目されている理由として、2011年から相互接続(異なる携帯キャリア間でのSMS送信を可能とする仕組み)が実施されたことが挙げられます。さらに、番号ポータビリティ(異なる携帯キャリアに契約を乗り換えても、電話番号が維持される仕組み)の浸透やスマホの普及に伴い、個人と紐づいた携帯電話番号の信頼性が高まりました。
また、SMSはメールに比べて、ユーザーの開封率が高く情報が届きやすいメリットがあります。さらには、SMSは送信サービスを使えば一斉送信も可能であるため、マーケティング手段としてメールよりも力を入れる企業が増えています。
SMSとメールの違い
SMSとメールは、開封率や送信可能な人数などが異なるため、その違いを理解したうえで、目的に応じて使い分ける必要があります。
主な性質の違いについて、以下に説明します。
リーチのしやすさ
SMSはメールに比べて開封率が高く、的確にユーザーにリーチできる性質を持っています。
なぜなら、SMSは変更されにくい携帯電話番号にメッセージを送るためです。一方で、メルマガの宛先には、一時的に利用される「捨てアド」と呼ばれるメールアドレスが多く含まれます。
つまり、企業がユーザーから取得したメールアドレスが「捨てアド」だった場合には、そのアドレスへのメール配信は意味がありません。
また、SMSはプッシュ通知をオンにしているユーザーが多いため、開封率が高い性質があります。しかし、メールの場合ではそもそも受信に気が付かなかったり、気付いても広告だと判断されるなどの理由から、未開封のまま放置されるケースも少なくありません。
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送信可能人数
原則として、SMSは1回あたりの送信人数は1人ですが、メールは複数人に同時送信が可能です。
そのため、キャンペーン告知やクーポンの配布などを行う際には、メールで一斉配信を行うと効率的でしょう。ただし、SMS送信サービスを利用すれば、SMSでもメールのような一斉送信が可能となります。
送信内容
送信できる文字数については、SMSよりメールの方が優れています。
SMSは全角で670文字、半角は1,530文字が上限値として制限されていますが、多くのメールサービスはSMSよりも多くの文字数に対応しています。一例として、Gmailでは一通当たり25MBが容量の制限値となっているため、文字数にほぼ制限はないと考えて差し支えないでしょう。
また、SMSは基本的にテキストしか送信できませんが、メールはテキストの色や大きさを変えることや、あらゆるファイルを添付して送信することが可能です。
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送受信料
メールは送受信共に無料ですが、SMSは送信時に費用が発生します。
具体的には、1〜70文字以内のテキストをSMSで送信すると、約3円の送信料がかかります。また、文字数が増えるほど送信料も増すシステムであるため、多くのユーザーにSMSを一斉送信する際には注意が必要です。
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SMSとLINEの違い
近年はマーケティングにLINEを活用する企業も増えていますが、SMSとLINEにもさまざまな違いがあります。主な違いについて、以下に解説します。
リーチのしやすさ
リーチのしやすさについては、LINEよりSMSの方が優れています。なぜなら、LINEは専用のアプリを利用している人にしか、メッセージを届けられないためです。
一方で、SMSは携帯電話番号を持っている人なら誰にでもメッセージを送信できます。さらに、いわゆるガラケー宛にも送信できるため、リーチできる範囲はLINEよりも圧倒的に広いと言えるでしょう。
送信可能人数
無料で送信できる人数においては、SMSよりもLINEが優れています。
SMSでは、原則的に一度に1人にしか送信できません。ただし、SMS送信サービスを利用すれば、数万人への一斉送信が可能です。
それに対してLINEは、グループの最大人数が500人であるため、グループを利用すれば自分を除く499人に無料で一斉送信が可能です。また、追加費用を支払えば上限値を取り払うことにも対応しています。
送信内容
一度に送信できる文字数は、SMSは最大で全角670文字、LINEは最大1万文字です。
また、SMSはテキストしか送れませんが、LINEは写真や動画、スタンプなどを送ることが可能です。そのため、LINEの方がユーザーの興味・関心を引く情報伝達には相性が良いと言えるでしょう。
送受信料
LINEは送受信共に無料ですが、SMSは送信時にのみ費用がかかります。
また、SMSは送信先のユーザー数や文字数が増えるごとに費用が発生します。コストを抑えながら多くのユーザーに長文を送る用途であれば、LINEがより最適です。
SMSのメリット・デメリット
SMSには、メールやLINEにはないメリット・デメリットがあります。その性質を理解したうえで、状況にあった手法を使い分けることがポイントです。
SMSのメリット
まずは、SMSのメリットについて詳しく解説します。
到達率・開封率が高い
SMSは、メールやLINEと比較すると、受信件数が少ない傾向があることから、受信に気づくユーザーが圧倒的に多いのが特徴です。
また、SMSは本人確認に使用されることも多いため、メールのような「捨てアド」が少ないうえ、LINEのように通知が埋もれてしまうリスクが抑えられます。
そんな背景から、SMSは受信時に重要度が高いメッセージだと見なされやすく、開封率やレスポンス率が高いことが判明しています。
幅広いユーザーに情報を提供できる
SMSはキャリアや機種を問わずに利用できるため、幅広いユーザーに情報を送信できます。
一方で、LINEは専用アプリをインストールしていなければ利用できず、メールにもアカウントの設定が必要です。つまり、もしユーザーがアプリをアンインストールしたり、メールのプロバイダーとの契約を終了すれば、一切連絡がとれなくなります。
しかし、SMSが利用する携帯電話番号は、スマホにもガラケーにも必ず備わっているため、確実に長期的な連絡経路を保つことが可能です。
本人確認に活用できる
原則として「一台の端末には、一つの電話番号のみが紐づけられている」ケースが多いため、SMSは本人確認に効果的です。
一方で、メールの場合には一人のユーザーが複数のメールアドレスを所有しているケースも多いため、確実な本人確認を行うにはリスクの多い手法です。そのため、SMS認証は銀行口座のログインや、チケット会員サイトの登録時の本人確認などに広く採用されています。
SMSのデメリット
SMSには到達率が高いというメリットがある一方、メールやLINEに比べるとコスト面などに課題があります。SMSが抱える具体的なデメリットを、以下に解説します。
利用制限・送信費用がかかる
SMSには、送信できる文字数に「最大で全角670文字、半角1,530文字まで」の制限があります。
また、送信できるのはテキストのみであり、画像や写真の送信には対応していません。そのため、メールやLINEと比べると送信先の興味・関心を引く広告などには不向きな性質を持っています。
さらに、送信できる件数にも制限があります。1日あたり200件が制限であるため、大量のユーザーへのメッセージ送信には適していません。ただし、有料のSMS送信サービスを利用すれば、この制限は解決することも可能です。
加えて、SMSは送信時に費用がかかります。1〜70文字以内は約3円、最大文字数の670文字で送ると約33円の送信費用が発生するため、コストパフォーマンスを上げるには、短く印象的なテキストを考案する必要があるでしょう。
特定電子メール法の対象になる
SMSは「特定電子メール法」という法律に則って運用する必要があります。
特定電子メール法とは、広告や宣伝を目的に電子メールを送る際に適用される法律であり、増加し続ける迷惑メールの取り締まりを目的としています。
この法律のもとでは、企業はメールやSMSを顧客に送信する前に、必ずオプトイン(事前承認)を得なければなりません。例えば、会員登録時に見込み顧客のメールアドレスを入手したとしても、広告メッセージを送るためには、その同意を得る必要があります。
また、メッセージ送信時には、送信者名と問い合わせ先、オプトアウト(受信拒否)の手段を表示する義務があります。つまり、ユーザーがいつでもメッセージの受信を停止できる体制を整えることが要請されています。
もし、特定電子メール法に違反すると、罰金や懲役などが科されるうえ、企業の信頼失墜にもつながるため注意してください。
メールのメリット・デメリット
メールは一斉送信しやすい一方で、到達率が低いという課題があります。マーケティングなどにメールを活用する際には、そのメリット・デメリットを深く理解することが重要となるでしょう。
メールのメリット
メールの主なメリットは、以下の通りです。
視認性・表現力の高い情報を提供できる
メールは、SMSやLINEと比べて「表現の自由度が高い」というメリットがあります。
とりわけ、HTMLメールでは写真やイラスト、グラフなどを自由に盛り込むことが可能なほか、レイアウトやデザインを自由に設計できます。つまり、ユーザーの興味や関心を引く広告としては、最適な通信手段と言えるでしょう。
一斉送信が簡単にできる
メールは複数のユーザーへの一斉送信が簡単にできます。
グループの上限人数が決まっているLINEや、SMS送信サービスを使用しない限り、一度に一通しか送信できないSMSと比較すると、手軽に一斉送信を実現する手段として優れています。
メールのデメリット
メールには、SMSやLINEにはないデメリットが存在することも確かです。具体例を以下に解説します。
アドレスが変更されると情報を伝えられない
メールはアドレスの変更が手軽にできるため、企業がユーザーからメールアドレスを取得しても、アドレスを変更されれば情報提供ができなくなります。
また、複数のメールアドレスを所有しているユーザーの場合には、メインで使用しているメール以外はプッシュ通知をオフにしているケースも多いでしょう。そのため、企業側がいくらメールを送信しても、受信に気づいてもらえない状況が多く発生しています。
迷惑メールに振り分けられる可能性がある
迷惑メールの増加に伴い、フィルタリング機能を活用するユーザーが増えているため、送信したメールが迷惑メールに振り分けられる恐れがあります。
一旦迷惑メールフォルダに振り分けられてしまえば、ユーザーに見てもらえる確率はほぼゼロとなります。
LINEのメリット・デメリット
近年では、LINEをマーケティングに利用する企業が増えています。
ただし、手軽にユーザーとコミュニケーションが取れる半面、セキュリティ面でのリスクが指摘されています。適切なマーケティングを実現するためには、LINEのメリットとデメリットを深く理解する必要があるでしょう。
LINEのメリット
LINEのメリットは、以下の通りです。
スタンプ機能で感情を豊かに表現できる
LINEには、スタンプという独自の画像表示機能があります。
スタンプは絵文字よりも大きく表示されるので目を引きやすいうえ、カラフルで親しみやすいスタンプが揃えられているため、使い方次第で強い印象を与えられるでしょう。
テキストとURLしか送信できないSMSに比べると、感情的な訴求力ではLINEに軍配が上がります。
集客・販促を促進する機能が搭載されている
LINE公式アカウントには、集客や販促につながる機能が多く用意されています。
例えば、LINE上で利用できるクーポンを、メッセージや応答メッセージ、リサーチ回答のお礼として配布することが可能です。新規購入やリピート購入の促進に効果的でしょう。
また、トークの機能の一つである投票機能では、アンケートの質問内容と選択肢、回答締切日などを入力すれば、簡単にアンケートを作成できます。投票結果を新商品の開発につなげたり、話題作りに活用したりすることができるはずです。
友だち登録されれば高確率で情報を届けられる
LINEの利用者は日常的に同アプリを利用しているため、一度友だち登録をしてもらえれば、高確率で情報を届けられるようになります。
総務省情報通信政策研究所の調査によると、全年代におけるLINEの利用率は増加傾向にあり、平均の利用率は90%を超えています。そのため、世代を問わず情報を届けるには最適な手段です。
さらに、LINEはメールのように「捨てアド」はほぼ存在しません。アカウント変更も少ないため、継続的な情報伝達に適しています。
[出典 : 総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>」]
LINEのデメリット
LINEのデメリットは、以下の通りです。
ユーザーに承認されなければ情報を届けられない
LINEで情報を届けるためには、ユーザーに友だち登録をしてもらう必要があります。つまり、友だち登録を誘導する工夫が求められます。
具体策としては、小売店であれば「友だち登録したユーザーにプレゼントやクーポンを配布する」といった手段が考えられるでしょう。また、企業の公式アカウントを友だち登録すると、無料でプロモーションスタンプ(企業が用意した無料のスタンプ)をダウンロードできるなどの手法も挙げられます。
セキュリティリスクがある
LINEには、アカウントの乗っ取りや不正アクセスなどのセキュリティリスクがあります。仮にユーザーの個人情報が漏洩すれば、企業の信頼が決定的に失われてしまうでしょう。
LINEは民間企業が運営しているため、セキュリティ対策は開発元に依存せざるを得ません。LINEを利用する際には、その点を深く留意してください。
SMSはメルマガよりも有効!ユーザーへの情報提供に検討してみよう
SMSは到達率や開封率が高く、送信したメッセージを閲覧してもらいやすいというメリットがあります。
メールのように頻繁にアドレスが変更されてしまう恐れはないため、ユーザーに情報を確実に届けたい企業にとっては、とても有効なツールと言えるでしょう。ただし、基本的にはテキストしか扱えないことや、LINEのようにユニークなスタンプを活用することはできません。したがって、状況に応じて最適な通信手段を選択することが重要です。
マーケティング効果をより高めたい企業は、SMSの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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