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WAFとIPS・IDSの違いとは?防げる攻撃や種類・セキュリティの特徴について

2024/09/17 2024/09/18

WAF

WAF

WAFとIPSの違い

被害が多発しているサイバー攻撃から自社サイトを守るためには、セキュリティの強化が必要です。では、日々巧妙化するサイバー攻撃に対して、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。本記事では、WAFとIPS・IDS、ファイアウォールとの違いについて詳しく解説します。

WAFとは?

WAFとは「Web Application Firewall」の略で、Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃からWebサイトを守るためのセキュリティ対策です。これにより、Webサイトを不正アクセスや情報漏洩から守ることができます。

特にECサイトやインターネットバンキングなど、ユーザーが個人情報を入力するようなWebサイトの保護に有効です。

WAFとは?仕組みや機能・セキュリティ対策について初心者にもわかりやすく解説

IDS/IPSとは?

IDS/IPSは、どちらもミドルウェアを対象としたセキュリティ対策です。それぞれどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

IDSとは

IDSは「Intrusion Detection System」の略で、不正侵入検知システムのことです。ファイアウォールで許可されたポートやIPアドレスを通過したパケットを詳細に検査し、異常や不正なアクセスがないかを監視します。

これにより、ネットワーク内での潜在的な脅威を早期に発見し、管理者は適切な対策を取ることが可能です。

IPSとは

IPSは「Intrusion Prevention System」の略で、不正侵入防止システムを指します。プラットフォームレベルでセキュリティ対策を行い、OSやミドルウェアに対する攻撃を防御します。

IDSと同様に不正なアクセスを検出しますが、IPSはさらにその脅威を実際に防ぐ機能も備えているのが特徴です。

ファイアウォールとは?

ファイアウォールは、通常内部環境と外部環境の間に設置され、ネットワーク上の不正アクセスを防ぐことができるセキュリティ機能です。ポート番号やIPアドレス、プロトコルなどの通信ルールに基づき、どの通信を許可するかを判断します。

これにより、外部の脅威からネットワークを保護し、安全な通信を維持することができます。

WAFとファイヤーウォールの違いとは?仕組みや対策できる攻撃について解説

WAFとIDS/IPS・ファイアウォールの違いとは?

WAFは、Webアプリケーションの脆弱性を突いた攻撃に特化したセキュリティ対策です。一方、IDSやIPSは、OS・ミドルウェアといったプラットフォームに対する不正アクセスや攻撃を防ぐ役割を持ち、ファイアウォールはネットワーク全体を守るため、不正な通信の制御に用いられます。

これらの違いを理解することで、企業のニーズに合った最適なセキュリティ対策を選択することが可能です。具体的な違いについては、下記の表を参考にしてください。

製品防御対象対応できる攻撃
WAFWebアプリケーションSQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、OSコマンドインジェクションなど
IDS・IPSOS・ミドルウェアOSやWebサーバーの脆弱性を狙った攻撃、マルウェア感染、バッファーオーバフローなど
ファイアウォールネットワーク全体ポートスキャン

WAFの種類

WAFの提供形態にはさまざまな種類があり、用途や環境に応じて選ぶことが大切です。ここでは、種類ごとの特徴について解説します。

ホスト型WAF(ソフトウェア型WAF)

ホスト型WAF(ソフトウェア型WAF)は、既存のWebサーバーに直接ソフトウェアをインストールするタイプのWAFです。このタイプのWAFは、サーバー内部で動作し、Webアプリケーションへの攻撃をリアルタイムで検出して防御します。

専用機器が不要のため導入が比較的容易で、細かなカスタマイズが可能な点がメリットですが、サーバーのリソースを消費するため、負荷が高くなる場合があります。

オンプレミス型WAFとは?種類やクラウド型との違い・メリットを紹介

ゲートウェイ型WAF(アプライアンス型WAF)

ゲートウェイ型WAF(アプライアンス型WAF)は、ネットワーク機器として独立して設置されるタイプのWAFです。ネットワーク型とも呼ばれていて、Webサーバーとインターネットの間に配置することで外部からの攻撃を未然に防ぎます。

このタイプのWAFは、ネットワーク全体を保護し、複数のWebサーバーを一括して守れる点が特徴です。導入には専用のハードウェアが必要なため多額のコストがかかりますが、高いセキュリティ性能を発揮します。

サービス型WAF(クラウド型WAF)

サービス型WAF(クラウド型WAF)は、ベンダーが提供するWAFをSaaS(Software as a Service)などの形態で利用するタイプです。このタイプのWAFは、インターネット経由でサービスを利用できるため、自社でハードウェアやソフトウェアを管理する必要がありません。

導入が簡単で、運用コストを抑えながら最新のセキュリティ対策を享受できるのが特徴です。特に、リソースの少ない企業やスケーラビリティが求められる環境に適しています。

クラウド型WAFとは?仕組みや防げる攻撃・オンプレミス型との違い、おすすめ製品を比較

IDS・IPSの種類

IDSとIPSにおいてもさまざまな種類が存在します。それぞれの違いについて見ていきましょう。

ネットワーク型

ネットワーク型のIDS・IPSは、ネットワーク上を流れるパケットの中身を詳細に検査し、不正なアクセスや異常な通信を検知するタイプです。これにより、外部からの攻撃や内部の不正行為を早期に発見し、対策を講じることができます。

ネットワーク全体のセキュリティを強化するため、複数のデバイスやサーバーを一括して監視できる点が大きな特徴です。

ホスト型

ホスト型は、サーバーやコンピュータ上に直接設置され、ファイルの改ざんやオペレーションエラーなどを検知するタイプです。このシステムは、特定のホスト(サーバーや端末)内で発生する異常な動作を監視し、内部からの脅威に対する防御を強化します。

ホスト型は、ネットワーク全体ではなく、特定の重要なシステムやデバイスを重点的に保護したい場合に適したセキュリティ対策です。

クラウド型

クラウド型は、クラウドサービスを利用するタイプのIDS・IPSです。クラウド上に設置されたシステムがネットワークやシステムの異常を検知し、脅威から守ります。

新たにネットワークの構築を行う必要なく導入がスムーズで、細かな設定や調整をベンダーが行ってくれるため運用の負担が軽減できます。

WAFで防げる攻撃の種類

WAFで防げる攻撃にはさまざまな種類があります。どのような攻撃に有効なのか、詳しく見ていきましょう。

バッファオーバーフロー

バッファオーバーフローとは、Webサーバーに対して許容量を超えるデータを送り込み、サーバーの誤作動を引き起こすことを狙ったサイバー攻撃です。この攻撃により、サーバーが不正なコードを実行したり、システムがクラッシュしたりする可能性があります。

バッファオーバーフローは、脆弱性を悪用して攻撃者がシステムに侵入する手口の一つであり、非常に危険です。WAFを導入することで、こうした攻撃からWebサイトを効果的に守ることができます。

クロスサイトスクリプティング

クロスサイトスクリプティング(XSS)は、SNSや掲示板サイトなど、ユーザーが入力操作できるサイトに悪質なスクリプトを埋め込むサイバー攻撃です。このスクリプトが実行されると、ユーザーの個人情報が盗まれたり、不正な操作が行われたりする危険性があります。

WAFはこのような攻撃を検知して遮断するため、クロスサイトスクリプティング攻撃にも有効です。

SQLインジェクション

SQLインジェクションは、データベースを操作するための言語であるSQLを悪用し、データの消去や改ざん、さらには情報漏洩を狙うサイバー攻撃です。攻撃者は入力フォームなどを通じて不正なSQL文を送り込み、データベースを操作することで、機密情報を盗み出したり、システム全体を破壊したりします。

この攻撃は非常に危険で、企業に甚大な被害をもたらすことがありますが、WAFを導入することで効果的に防ぐことができます。

OSコマンドインジェクション

OSコマンドインジェクションは、Webサーバーへのリクエストに不正なOSコマンドを注入し、そのサーバー上で不正な命令を実行させるサイバー攻撃です。この攻撃により、攻撃者はサーバー内のファイル操作やプログラムの実行など、本来許可されていない操作を行うことが可能になります。

結果として、システムの乗っ取りやデータの改ざん、情報漏洩などの深刻な被害が発生します。WAFを導入することで、このような攻撃からWebサーバーを守ることが可能です。

DDoS攻撃

DDoS攻撃とは、対象となるWebサーバーやネットワークに対して、複数のコンピューターから大量のパケットを一斉に送りつけ、正常なサービス提供を妨げるサイバー攻撃です。この攻撃によって、サーバーが過負荷状態に陥り、サイトのダウンやサービス停止が発生します。

企業にとっては、業務の中断や顧客からの信頼低下など、重大な影響をもたらす可能性があるため注意が必要です。WAFはIPSやファイアウォールでは防げない不正アクセスを検知して遮断するため、DDoS攻撃の対策としても利用されています。

ブルートフォースアタック

ブルートフォースアタックとは、パスワードの考えられるすべての組み合わせを一つずつ総当たりで試して突破しようとするサイバー攻撃です。特に短くて簡単なパスワードの場合に突破されやすく、時間をかければ高確率で成功する危険性があります。

攻撃者は自動化されたツールを使い、膨大な数の試行を短時間で行います。このような攻撃からシステムを守るためには、複雑で長いパスワードを使用したり、WAFなどのセキュリティ対策を導入したりするのが有効です。

ディレクトリトラバーサル

ディレクトリトラバーサルとは、通常アクセスされることを想定していない非公開情報が保存されているファイルに対して、不正な手段でアクセスするサイバー攻撃です。攻撃者は、Webサーバーのディレクトリ構造を操作し、本来は公開されていない重要なファイルやデータにアクセスしようとします。

この手法により、企業の機密情報や個人情報が漏洩する危険性があります。WAFを導入することで、ディレクトリトラバーサル攻撃を検知し防御することが可能です。

IPSで防げる攻撃

IPS(Intrusion Prevention System)は、OSやミドルウェアに対する攻撃を防ぐためのセキュリティ対策です。具体的には、Smurf攻撃・PoD(Ping of Death)攻撃・SYNフラッド攻撃などのDDoS/DoS攻撃や、マルウェアの感染を防止します。

これらの攻撃はシステムの機能停止やデータの損失を引き起こす可能性がありますが、IPSを導入することで、事前に脅威を遮断し、システムの安全性を確保することができます。

ファイアウォールで防げる攻撃

ファイアウォールは、ネットワークを保護するための重要なセキュリティ対策で、ポートスキャン攻撃を防ぐことができます。ポートスキャン攻撃とは、攻撃者がネットワーク内の脆弱なポートを探し出し、不正アクセスの足がかりを見つけるために行う行為です。

ファイアウォールは、外部からの不正なアクセスを遮断し、未承認の通信をブロックすることで、ネットワーク内の重要な資産を保護します。これにより、ポートスキャン攻撃から企業のシステムを守ることが可能です。

WAFで防げる攻撃とは?導入時のポイントやセキュリティ対策について

WAFとIPS・ファイアウォールの違いを理解しよう

WAF・IPS・ファイアウォールは、それぞれ異なる役割を持つセキュリティ対策です。それぞれの特性を理解し、企業のニーズに合わせて適切な対策を導入することが、効果的なセキュリティ強化につながります。これらの違いを把握し組み合わせることで、多層的な防御態勢が実現できるでしょう。

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