アクセス解析レポートとは?作成方法や項目・作成に役立つツールを紹介
アクセス解析レポートは、全体のデータを正確に把握するために必要なデータ解析です。Webサイトやアプリのパフォーマンス最適化にも欠かせません。本記事では、アクセス解析レポートの概要や目的、作成方法、おすすめのツールを紹介しています。
目次
アクセス解析レポートとは?
アクセス解析レポートとは、Webサイトに訪れたユーザーの行動や訪問回数、滞在時間などを記録し、それらを分析したものです。
アクセス解析自体は、Google Analyticsなどを使えば簡単かつ無料にできます。しかし、レポートの作成はデータ抽出にコストがかかる場合があるため、ツールを用いて自動作成することをおすすめします。なお、Google Analyticsについては後述します。
▷アクセス解析でどこまでわかる?得られた情報の活用方法やおすすめの無料ツール
アクセス解析レポートを作成する目的
アクセス解析レポートを作成する目的は、Webサイトの現状を正確に把握し、改善点を明確にすることです。これにより、効率的な運営や集客効果の向上が期待できます。アクセス解析レポートを作成する目的を詳しく解説します。
サイトの現状把握に役立つ
アクセス解析では、以下の現状を把握できます。
- 訪問数が多いページ
- 離脱率が低いページ
- コンバージョンを達成しているページ
- ユーザーの具体的な属性
- 回遊率
- 流入キーワード
上記によって、以下を把握できます。
- 訪問者が多いのにもかかわらず離脱率が高いページ
- 訪問者が少ないのにもかかわらずコンバージョン率が高いページ
- 狙ってはいなかったものの流入が多いキーワード
このように、アクセス解析を行えばwebサイトの現状が詳しくわかります。
新たな課題・改善策を発見できる
アクセス解析レポートを活用することで、どのページが多くのユーザーに見られているか、どのページで離脱が多いかがわかるため、Webサイトの課題や改善すべきポイントが見つかります。
例えば、特定のページで訪問者がすぐに離脱している場合、そのページの内容やデザインに問題があるかもしれません。また、ユーザーがよく利用する流入経路を分析することで、集客の強化ポイントも見つけられます。
効果検証や分析を行える
アクセス解析レポートを通じて改善策を見出し、施策を実行した後は効果検証や分析ができます。
施策の効果を具体的なデータで確認できるため、次のアクションを計画する際の参考にすることもできるでしょう。
▷アクセス解析でわかることとは?解析する際のポイントやデータを有効活用する方法
アクセス解析レポートの作成に必要な項目
アクセス解析レポートを効果的に作成するためには、押さえるべき重要な項目があります。これらの項目を理解することで、より精度の高い分析ができるでしょう。アクセス解析レポートの作成に必要な項目について、詳しく解説します。
アクセス数
アクセス数とは、Webサイトに訪問したユーザーの回数を示す指標です。サイトの人気度や認知度を測る基本的なデータであり、アクセス数が多いほど、より多くのユーザーがサイトに興味を持っていることを意味します。
アクセス数を分析することで、特定のキャンペーンや広告の効果を評価したり、流入経路の違いを見極めたりすることが可能です。定期的に確認することで、サイト運営の方向性を見直す指針となるでしょう。
ページ滞在時間
ページ滞在時間とは、ユーザーが特定のページにどれくらいの時間サイトに留まっていたかを示す指標です。このデータは、コンテンツの魅力や使いやすさを評価するために役立ちます。
滞在時間が長い場合、そのページに掲載されている情報がユーザーにとって価値があり、しっかりと読まれている可能性が高いといえます。一方で、滞在時間が短い場合は、内容がわかりにくい、または興味を引きづらいことが考えられるため、改善の余地があるかもしれません。
コンバージョン率
コンバージョン率とは、Webサイトの訪問者のうち、どれだけの人が目的の行動(購入や問い合わせなど)を完了したかを示す指標です。
コンバージョン率が高ければ、サイトの内容やデザインがユーザーに効果的に訴求できていることを意味します。逆に低い場合は、サイトに問題があるでしょう。コンバージョン率を分析することで、ユーザーの行動パターンやサイト改善の方向性を見つけることができます。
回遊率
回遊率とは、Webサイト内でユーザーがどれだけ多くのページを閲覧したかを示す指標です。
高い回遊率は、サイト内のコンテンツが興味深く、ユーザーが積極的に他のページも訪れていることを意味します。一方で回遊率が低い場合は、ユーザーが必要な情報を見つけられなかったり、次の行動につながらなかったりしている可能性があります。
回遊率を分析することで、ナビゲーションの改善やコンテンツの見直しポイントがわかり、ユーザーの利便性向上につなげることができます。
直帰率
直帰率とは、Webサイトに訪問したユーザーが最初に訪れたページだけを見て、他のページに移動せずにサイトを離れた割合を示す指標です。
直帰率が高い場合、内容が期待と異なったり、ナビゲーションがわかりにくかったりするなど、そのページに問題がある可能性が考えられます。逆に直帰率が低い場合は、ユーザーが他のページに興味を持ち、サイト内で回遊していることを示します。
直帰率を分析することで、サイト改善の重要な手掛かりが得られるでしょう。
離脱率
離脱率とは、ユーザーが特定のページを最後にWebサイトを離れた割合を示す指標です。
離脱率が高いページは、ユーザーがそのページで目的を達成したか、またはサイトの他の部分に興味を持たずに離脱してしまった可能性を示します。高い離脱率である場合は、そのページのコンテンツやリンク構造を見直し、ユーザーが次の行動に進みやすい設計に改善する必要があります。
ランディングページ
ランディングページとは、ユーザーが最初に訪問するページです。このページは、広告や検索結果からアクセスされた場合に重要な役割を果たします。ランディングページの効果を分析することで、ユーザーが求める情報がすぐに提供されているか、また次のアクションにつなげられているかを判断できるからです。
ランディングページの直帰率が高い場合は、内容やデザインの改善が必要かもしれません。ランディングページは、コンバージョン向上に直結する重要なポイントです。
流入経路とチャネル
流入経路とは、ユーザーがどのような経路でWebサイトに訪れたかを示すデータで、検索エンジン、SNS、広告などが含まれます。チャネルは、これらの流入元をカテゴリごとに分類したものです。
流入経路とチャネルを分析することで、どの媒体がサイトへの集客に効果的かを把握できます。これにより、どのチャネルにリソースを集中させるべきか、または改善すべきかが明確になり、効果的なマーケティング施策を立てることが可能です。
流入キーワード
流入キーワードとは、ユーザーが検索エンジンで使用したキーワードで、どのようなキーワードを入力してWebサイトに訪れたかを示します。
流入キーワードを分析することで、ユーザーがどのような情報を求めているのかがわかるため、コンテンツの改善やSEO対策に役立てられるでしょう。
人気のあるキーワードがサイトの内容と合致していれば、さらにその部分を強化することができ、関連性が低い場合はキーワード戦略を見直す必要があります。
ユーザー属性
ユーザー属性とは、Webサイトを訪問したユーザーの年齢、性別、地域、デバイスなどの基本的な情報を指します。
ユーザー属性を分析することで、どのような層のユーザーがサイトに訪れているのかを把握でき、ターゲットに合わせたコンテンツの最適化やマーケティング戦略の見直しが可能になります。例えば、特定の年齢層や地域のユーザーが多ければ、その層に特化した施策を打つことが効果的です。
ユーザー属性の分析は、より精度の高い顧客理解につながるでしょう。
アクセス解析レポートの作成方法
アクセス解析レポートを作成するためには、データを正確に収集し、適切な項目を整理することが重要です。ここでは、一般的なアクセス解析レポートの作成方法を紹介します。
Google Analyticsを使用する
Google Analyticsを使ってアクセス解析レポートを作成するには、まず対象のWebサイトにトラッキングコードを設け、データを収集する必要があります。
その後、管理画面で「レポート」タブからアクセス数やユーザー属性、コンバージョン率などのデータを確認できます。特定の期間を設定してデータを比較したり、カスタムレポートを作成することも可能です。
専用ツールを活用する
アクセス解析レポートの作成を効率化するためには、専用ツールの活用がおすすめです。
Google Analytics以外にも、多くのツールが自動でデータを収集し、わかりやすいレポート形式で出力してくれます。これらのツールでは、あらかじめ設定した項目に基づいて定期的にレポートが生成されるため、手動でのデータ収集や分析の手間が大幅に省けます。初心者でも扱いやすいインターフェースも多く、時間の節約につながるでしょう。
▷【無料でつかえる】おすすめのアクセス解析ツール|有料ツールとの違いや選び方
▷【2024年最新】アクセス解析ツール10選を比較|有料・無料製品や主な種類を紹介
代行会社に依頼する
アクセス解析レポートの作成を外部の代行会社に依頼する方法もあります。
代行会社は、専門的な知識を持ったスタッフがデータを収集・分析し、分かりやすいレポートを提供してくれるため、大幅な省力化と時間節約が期待できるでしょう。自社内に解析のスキルが不足している場合や、業務の効率化を図りたい場合に有効です。
サイトの規模が大きくなるとデータ量も増えアクセス解析レポートの作成にも手間がかかります。しかし、プロに依頼することでより深い洞察を得ることができ、迅速な意思決定が可能になります。
アクセス解析レポートの作成にかかる費用相場
アクセス解析レポートの作成には、ツールの利用料や代行会社への依頼費用がかかります。ここでは、一般的な費用相場について紹介します。
自社で行う場合
自社でアクセス解析レポートを作成する場合、Google Analyticsなどの無料ツールを利用すれば基本的に費用はかかりません。
しかし、ツールの正しい使い方やデータの分析方法を理解するためには、知識がある社員を育成する必要があり、そのための教育コストや、専門的なスキルを持つ人材を雇用するための費用が発生することがあります。
外部に依頼する場合
アクセス解析レポートを外部に依頼する場合、依頼先や提供されるサービス内容によって費用に大きな差があります。
例えば、初期費用として数万円程度かかる場合もあり、月額費用は以下のように幅があります。
- レポートのみ:数千~数万円
- レポート+解説:数万~数十万円
- スポット解析:数万~数十万円
サービスの範囲によっては、さらに高額になることもあります。そのため、どの程度のサポートが必要かを事前に検討することが重要です。
アクセス解析レポートを作成する際の注意点
アクセス解析レポートを作成する際には、データの正確な解釈や、偏りのない分析を行うことが重要です。ここでは、注意すべきポイントを紹介します。
解析する目的を明確にしておく
アクセス解析を行う際は、まず何のために解析をしているのか、その目的を明確にすることが重要です。
例えば、サイトの訪問者数を増やしたいのか、コンバージョン率を改善したいのかによって、注目すべきデータやレポートの内容が変わるからです。
目的をはっきりさせることで、無駄のない効果的な解析が可能になり、具体的な改善策や施策につながるレポートを作成することができます。目的が不明確だと、データの解釈も曖昧になりかねません。
過去のデータを含めて作成する
アクセス解析レポートには、過去のデータを含めることが重要です。過去のデータと比較することで、現状の変化やトレンドを把握し、改善点をより正確に見極めることができるからです。
例えば、直近のアクセス数だけでなく、過去の同時期のデータと比べることで、季節的な影響や施策の効果がより明確になります。このように、単発のデータだけではなく、長期的な視点を持って分析することで、サイトの成長や課題をより深く理解できるでしょう。
専門的な言葉を多用しない
アクセス解析レポートは、誰が読んでも理解しやすく、社内で簡単に共有できる内容であることが求められます。そのため、専門用語を多用するのは避けるべきです。専門知識を持たない人にとって、複雑な用語が多いと内容が伝わりにくく、共有が難しくなるからです。
簡潔で分かりやすい表現を心がけることで、誰でもデータの意味を正しく理解でき、効果的な改善策をチーム全体で共有できるでしょう。
アクセス解析レポートの作成に役立つツール
アクセス解析レポートを効率よく作成するためには、便利なツールを活用することが効果的です。ここでは、役立つツールを3つ紹介します。
Google Analytics
Google Analyticsは、無料で利用できるアクセス解析ツールで、Webサイトの訪問者数やユーザーの行動、滞在時間、流入経路など、詳細なデータを提供します。どのページが人気か、どのチャネルから多くの訪問者が来ているのかを把握し、サイト改善のための情報を得ることができるでしょう。レポート作成機能も充実しており、目的に応じたカスタマイズが可能です。簡単な操作でデータを取得できるため、多くの企業で広く活用されています。
提供元 | Google LLC |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
|
機能・特徴 | 顧客重視の測定を活用、優れた自動インサイトを取得して投資収益率を向上、Googleのさまざまな広告ツールとパブリッシャー ツールの連携など |
URL | 公式サイト |
Google Search Console
Google Search Consoleは、Webサイトが検索エンジン上でどのように表示され、どのようなキーワードでユーザーが訪問しているかを分析できる無料ツールです。検索結果でのクリック数や表示回数、順位の変動など、検索パフォーマンスを確認でき、SEOの改善に役立てることが可能です。サイトに問題がある場合は、エラーの検出や修正アドバイスも提供されるため、検索エンジンでの可視性を向上させるための強力なサポートツールとなるでしょう。
提供元 | Google LLC |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 検索アナリティクスでコンテンツを最適化、AMPステータス レポート、Webに関する主な指標レポート、リッチリザルト レポートなど |
URL | 公式サイト |
Similar Web
Similar Webは、自社サイトだけでなく、競合サイトのアクセス状況やトラフィックの分析もできる有料ツールです。サイトの訪問者数や滞在時間、流入経路などを詳しく把握でき、どのチャネルが集客に貢献しているか確認できます。また、競合サイトのデータと比較することで、マーケティング戦略の改善や市場動向の分析にも役立つため、競合の強みや弱みを理解するための指標としても有効なツールとなるでしょう。
提供元 | Similarweb LTD |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■個人向け廉価版パッケージ 月額契約
年額契約
■法人向け通常パッケージ
|
機能・特徴 | マーケット&オーディエンスインテリジェンスツール、競合サイトのデジタルマーケティング戦略を調査・分析・測定、統一されたクロスリテール分析など |
URL | 公式サイト |
アクセス解析レポートの作成がサイトの改善につながる
アクセス解析レポートは、Webサイトの現状を正確に把握し、ユーザーの動向やサイトの課題を明確にする重要なツールです。
レポートをもとにした改善施策は、集客の向上やコンバージョン率の向上に直結します。定期的なレポートの作成と分析を通じて、サイトのパフォーマンスが最適化され、継続的な成長が実現するでしょう。
効果的なアクセス解析を行い、ユーザーにとって魅力的なサイト運営を目指してください。
Web・アクセス解析ツールの記事をもっと読む
-
ご相談・ご質問は下記ボタンのフォームからお問い合わせください。
お問い合わせはこちら