ウェビナーマーケティングとは?メリットや成功させるポイント・事例について
近年注目を集めるマーケティング手法の1つが、「ウェビナーマーケティング」です。ウェビナーを活用することで、主催者と参加者の双方にさまざまなメリットがあります。本記事では、ウェビナーマーケティングの特徴やメリット、成功のポイントを事例とあわせて解説します。
・ウェビナーマーケティングとは、オンライン上で配信するセミナー型のマーケティング手法のこと
・PCやネット環境などがあれば配信を行えることから、従来のセミナーと比べて費用を抑えられるため、注目を集めている
目次
ウェビナーマーケティングとは?
ウェビナーマーケティングとは、オンライン上で配信するセミナー形式のマーケティング手法です。
Zoomなどのweb配信サービスを活用し、PCやwebカメラ、ヘッドセットといった最低限の用意があれば簡単に配信を行うことができます。従来の会場集客型のセミナーと比べ、主催者と参加者、双方にとって場所や時間の制限が大幅に軽減されることから、効率よく多くの顧客に情報発信ができるマーケティング手法として注目されています。
▷ウェビナー(Webセミナー)とは?目的やメリット・デメリットを解説
ウェビナーの配信形式
ウェビナーの配信方式にはさまざまな種類があります。ここでは代表的な3つの方式について、それぞれの特徴とベストな活用方法・場面を紹介します。
リアルタイム方式
リアルタイム方式のウェビナーでは、会場でセミナーを行うときのように開催時間を決めて配信を行います。
リアルタイムで主催者側と参加者が交流することから、直接、質疑応答などのコミュニケーションを取ることができるのが特徴です。そのため参加者の意見を取り入れながら進めたい場合に適しており、臨機応変なアプローチでより深い理解を促すことができます。参加者と密にコミュニケーションを取ることで、単なる宣伝以上の信頼関係の構築にも役立ちます。
ただし予定時間に都合のつかない人は参加することができないため、開催後のサポートやアーカイブ作成などの工夫が必要です。
録画方式
録画方式とは、あらかじめ録画したウェビナーのアクセスURLを配布し、視聴者がいつでも視聴できるように配信する方法です。
録画方式は、視聴者が「自分のタイミングとペース」でウェビナーを閲覧できるため、時差のある海外からアクセスしたり、分かりづらい箇所を繰り返し視聴することも可能です。講師にとっても、ウェビナーの内容を事前に録画・編集することで、より質の高いプレゼンテーションを提供できるのは大きなメリットといえるでしょう。
しかしライブ方式と異なり、参加者からのフィードバックを集めづらい点に留意しなくてはいけません。視聴後のアンケートフォームを設置するなど、参加者とのコミュニケーションの場を整えておくのがおすすめです。
疑似ライブ方式
疑似ライブ方式とは、ライブ方式と録画方式それぞれの利点をかけ合わせた方法です。事前に録画・編集したウェビナーを、決められた開催日時に配信することで、内容のクオリティとリアルタイム感による参加者の積極性を両立することができます。
コンテンツ自体は録画のため、視聴者とのやり取りに応じて内容を変更することはできませんが、チャットなどを利用して質疑応答の時間を作ることが可能です。主催者と参加者のコミュニケーションは、対話している当人以外の理解を深めることにもつながるため、有効なマーケティング手段といえます。
ウェビナーマーケティングのメリット
ここからは、ウェビナーマーケティングのメリットについて詳しく紹介していきます。
見込み顧客にアプローチできる
ウェビナーマーケティングを活用することで、これまでアプローチできていなかった見込み顧客へのアピールが可能です。
会場集客型のセミナーでは時間や場所の制限があるのに対し、配信型のウェビナーであれば自宅のPCやスマートフォンから気軽に参加できるため、関心度があまり高くない顧客の参加ハードルがぐっと下がります。
気になる部分を繰り返し視聴できるというウェビナーの性質も、事業についてまだ詳しくない新規顧客へのアプローチには有効です。また、視聴後のフォローアップや追加資料の提供を効果的に使うことで、より強力なマーケティングツールとなりえます。
▷ウェビナーで双方向のコミュニケーションを実現する方法!重要性やメリットを解説
リードナーチャリングに活用できる
ウェビナーマーケティングは、リードナーチャリングに活用できるメリットもあります。
リードナーチャリングとは、リード(=見込み)顧客の関心を深めて契約へと結びつけることを指し、事業の発展・長期安定化には欠かせません。ウェビナー映像は、テキストのみのメール配信やSNSでの情報配信よりも遥かに情報量があり、詳細な内容を伝えられるのがポイントです。
チャットやアンケートなどを活用して、顧客のニーズを即時に汲み取りながら情報を発信できる点は、関心度を高めるリードナーチャリングに最適といえるでしょう。
セミナー開催にかかる費用・手間を削減できる
従来の対面セミナーに比べて、開催にかかる費用や手間を大幅に削減できるコスト面の魅力も見逃せません。
対面セミナーでは、会場費、会場運営スタッフの人件費、配布資料・飲食提供など、多くのコストが発生します。一方で、ウェビナーならばインターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、物理的な場所や機材に関わる費用を節約できます。また、参加者にはデータで資料を配布することができるため、ペーパーコストを削減しつつ、事前に要点を把握してもらうことも可能です。
コンテンツを再配信できる
ウェビナーマーケティングでは、作成したコンテンツを何度も配信できる点もポイントです。例えばライブ配信や擬似ライブ配信を行った後に、アーカイブとして当日の様子を残せば、ライブに参加できなかった人にも同じ内容を提供できます。再配信可能なコンテンツは、視聴者が任意のタイミングで一時停止したり、気になる部分を繰り返したりできるため、より深い理解や興味関心の形成にも役立つでしょう。
ウェビナーマーケティングを成功させるポイント
ここでは、ウェビナーマーケティングを成功させるために意識したいポイントについて紹介していきます。
ウェビナーのペルソナを設定する
まず初めにウェビナーのペルソナを設定することは、マーケティング戦略において最も重要なステップといえます。
ペルソナとは、ターゲットとなる参加者や見込み顧客の年齢・職業・興味といった具体的な人物像のことです。ペルソナがブレていると、参加者のニーズに合わせた効果的なプレゼンテーションをすることが難しくなります。ターゲットを明確にし、企画構成や宣伝、配信方法などを設定することで、ウェビナーマーケティングの効果を最大限に引き出すことが可能です。
ウェビナー開催を周知する
ウェビナーの告知は、まずメールやSNS、情報サイトやブログなど、ターゲットがよく利用するプラットフォームを告知の場として選定することから始まります。
告知内容を作成する際には、ウェビナーのテーマや登壇者、開催日時など、興味を引く情報を明確に伝えることを意識しましょう。また、早期に告知を開始した場合は、開催当時mつまで定期的にリマイドメールなどを送ることで、参加者の関心を維持し、参加登録を促進します。
トラブルを想定し対策できる様にする
ウェビナー開催にあたって想定される技術的な問題やトラブルは、事前に緊急時の対応を準備しておくことも重要です。
例えば、音声・映像のトラブルに対処するため、予備の機材を準備しておく、通信障害での配信中断に備え、トラブル対応中であることを迅速に参加者に知らせるための連絡経路やフローをあらかじめスタッフ同士で共有しておく、などが挙げられます。
トラブルを想定し、適切な対策を講じることで、ウェビナーをスムーズに進行させ、参加者に良い印象を与えることができます。
参加者の意見や反応を収集する
ウェビナー開催後は、アンケートなどにより参加者の意見や反応を収集しましょう。
アンケート結果は、ウェビナーの内容が参加者のニーズに応えているかはもちろん、面白かったパートやつまらなかったパートなどのフィードバックを得ることで、より良いコンテンツへと改善することも可能です。
アンケートの構成は、「短く簡潔に」を心がけ、参加者が容易に回答できるようにします。また、リアルタイムでの質疑応答セッションやチャット機能を通じて、参加者から直接意見を集めることも有効です。収集したデータは、将来のウェビナーの内容やフォーマットの改善、さらには長期的なマーケティング戦略全般の精度を高めるのに役立ちます。
ウェビナーの質を高める
ウェビナーの質を高めるためには、「コンテンツの質」、「講師のプレゼンテーションスキル」、「配信環境」の3点に注意を払う必要があります。
具体的には、参加者の興味・関心と親和性の高い有益な情報を、講師の明瞭で聞き取りやすい話し方と見やすい視覚資料で伝えます。また、雑音のない静かな配信場所で、適度な品質の音声と映像を確保し、参加者がストレスなく視聴できるようにしましょう。
ウェビナー後のフォローを行う
ウェビナー終了後は、参加者にウェビナーに参加してくれたことへの感謝を示すお礼のメッセージを送ります。
フォローアップのメールには、関連するウェビナーの紹介、ウェビナー内で紹介した製品・サービスの問い合わせ・資料請求など、次のステップへの誘導を含めることも重要です。積極的に案内していきましょう。
定量的な数値での効果検証を実施する
ウェビナーの効果を測定するための指標は、主に参加者数、視聴時間、参加者のアクティビティ、後続のリード発生数などがあります。
これらのデータを収集・分析することで、ウェビナーのパフォーマンスを客観的に評価し、どの部分がうまくいっているか、どの部分に改善が必要かを特定しましょう。また、計測結果を過去のウェビナーや業界のベンチマークと比較することで、ウェビナーの相対的な完成度を知ることも可能です。
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ウェビナーマーケティングの成功事例
最後に、ウェビナーマーケティングに成功した事例を2つお伝えします。それぞれどのように成果を生み出したのかを見ていきましょう。
三菱総研DCS株式会社
三菱総研DCS株式会社は、IT技術を通して総合的なデジタルソリューションを提供する企業です。事業のひとつとして、人事給与システムやアウトソーシングサービスである「PROSRV(プロサーブ)」があり、新規顧客獲得や既存顧客のサポートにウェビナーマーケティングを活用しています。
特に既存顧客へのサポート品質の向上に力を入れており、そこで役立っているのが配信方式ウェビナーによるマニュアル解説です。従来のドキュメント形式で配布していたマニュアルに加え、実際の操作画面を見ながら解説を聞くことのできるウェビナーを取り入れることで、問い合わせ件数の減少などを実現しました。
また、従来は東京・大阪などの大都市で会場集客型で行っていた説明会をウェビナーに変更し、見込み顧客の増員を図っています。
[参照:Jストリームウェビナー導入事例「三菱総研DCS株式会社」]
株式会社オールアバウトライフワークス
株式会社オールアバウトライフワークスは、「好きを仕事に」を理念に掲げ、ハンドメイドや飲食分野の講師育成を行っている企業です。
同社では全国各地の個人顧客に向けた定期セミナーや情報交換会の開催における負担が大きくなっていました。その改善策としてセミナー録画映像のオンデマンド配信、リアルタイム参加型のウェビナーを採用しています。
居住地による会員間の情報格差がなくなり、家庭でウェビナーを視聴することで家族の理解を得られるなどといった思わぬ二次効果もあったといいます。また、ライブ形式で積極的に参加できるウェビナーの実施により、ウェビナー参加後の教材購入率がアップするなど、顧客のニーズを引き出すことにも成功しました。
[参照:Jストリームウェビナー導入事例「株式会社オールアバウトライフワークス]
メトロームジャパン株式会社
分析機器メーカーであるメトロームジャパン株式会社は、スイスに本社を置き、国際的に事業を展開する企業です。
国内外に顧客がおり、またターゲットが研究職・技術職といった外出しづらい職種であるため、会場集客型セミナーに代わる効果的なマーケティングとしてウェビナーを取り入れました。
今後の展望として、定期的なメンテナンス情報などにもウェビナーの使用を検討するなど、ウェビナーマーケティングの新たな形を積極的に模索しているそうです。
[参照:Jストリームウェビナー導入事例「メトロームジャパン株式会社」]
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ウェビナーを活用しマーケティング活動を効率化しよう
ウェビナーは、現代のマーケティング活動において非常に強力なツールです。見込み顧客へのアプローチ、リードの育成、コスト削減、コンテンツの再利用といった多くのメリットは企業にとって見逃せません。
ウェビナーを活用し、ビジネスの可能性を広げ、目標達成につなげましょう。
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