MAツールの導入でよくある失敗理由とは?事例や運用時の注意点などを解説
MAツールの導入を検討しているものの、失敗しないか不安な方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、MAツールの導入でよくある失敗事例や成功させるためのポイントを解説します。運用時の注意点も紹介するので、MAツール導入を成功させたい方はぜひ参考にしてみてください。
目次
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?
MAツールとは、見込み客や新規顧客を一元管理して、マーケティングの自動化を行うツールのことです。
例えば、MAツールでメルマガ配信などを行い数多くの顧客に向けてコンテンツを発信する場合、配信する顧客の抽出や配信、さらには配信後の行動分析まで自動化できます。
また、顧客の行動分析やマーケティングの効果などを一元管理できるため、営業部門と連携して顧客ごとにパーソナライズした営業活動を行うことが可能です。MAツールは、DXが注目されている近年の企業経営にとって、重要な役割を担うツールだといえるでしょう。
▷MA(マーケティングオートメーション)ツールとは?基本をわかりやすく解説
MAツールの導入でよくある失敗事例
MAツールを導入する企業において、導入自体が初めてというケースも多いでしょう。初めてMAツールを導入する場合は、実際に運用をスタートしてからさまざまな課題が見えてくることが少なくありません。
運用開始後も課題の解決方法がわからず、MAツールの導入が失敗してしまう場合もあります。そのため、これから紹介するよくある失敗事例を事前に把握して、導入の成功に活かしましょう。
MAツールを導入する目的・目標が不明確のまま導入してしまう
MAツールを導入する目的・目標が不明確のまま導入すると、うまく活用できず導入が失敗する恐れがあります。
特に注意が必要なのが「導入すれば成果が出る」と思い込んでしまい、導入自体が目的になっているケースです。具体的な数値目標もなく導入して運用を開始するため、成果の確認や改善が行えず導入効果が得られないでしょう。
「他社が成功しているから」という理由だけで導入しても、目的・目標が明確でなければ成果は出ない点に注意が必要です。
コンテンツの量が不足している
MAツールの失敗事例として代表的なものが、コンテンツ不足です。
見込み客の購買意欲を育てるナーチャリングのために、MAツールにはメルマガ配信やLP作成などの多様なコンテンツ機能があります。しかし、コンテンツを作成するには見込み客に配信するための情報や資料・特典などが必要になり、情報が少なければコンテンツ不足に陥りかねません。
コンテンツ不足が発生すると、見込み客のナーチャリングが行えず、MAツールをマーケティングに活かせないという事態が発生するのです。コンテンツに関連する準備不足は、マーケティングの失敗に直結すると言っても過言ではありません。
保有しているリード数が少ない
MAツールは、メルマガ配信機能などを使って見込み客に対して効率的な営業活動が行えます。しかし、そもそもの保有リード数が少なければメルマガを配信する対象数が少なく、十分なアプローチが行えません。
一般的にメルマガの開封率は10%程度と言われており、全体の送信数が少なければ開封される数も減ってしまうのです。そのため、見込み客の育成や成約率の向上などの効果は実感しづらくなるでしょう。
MAツールを運用するための設計ができていない
事前にMAツールを運用するための設計ができていないまま導入してしまうことも、失敗例としてあげられます。
MAツールを運用し、マーケティングに活かすためには、ナーチャリングやコンテンツ、運用体制やルールなどの設計が必要です。こうした設計を行うためには、顧客の情報や見込み客の定義、組織整理やマニュアル管理などを準備しておかなければなりません。
導入して初めてこれらの設計を行う場合は、すでに手遅れである可能性が高いでしょう。設計が疎かになると、MAツールによる顧客分析の精度やスピードが下がってしまい、効果の高い施策の実現が難しいといえます。
営業部門との連携が不十分
営業部門との連携が不十分であると、MAツールも十分に活かせない可能性があります。
MAツールの導入成功は、基本的にはマーケティングと営業部門が密に連携し、データ分析からマーケティング施策、実際の営業活動のKPIを全体で評価しながらPDCAサイクルを回して検証・改善に努めなければ難しいです。
そのため、社内の一部のみがMAツールを使っており、部署間で連携が取れていない場合はMAツールの効果を感じられず、本来実行できた有効な施策や獲得できたアポイントを逃してしまうことがあります。
▷MAツールと各種ツールをAPI連携するメリットは?具体的な活用法も紹介
MAツールの機能が複雑で使いこなせない
MAツールには数多くの機能が搭載されていますが、機能が複雑で使いこなせないケースもあるため注意が必要です。
MAツールは、日本よりもマーケティングが発展している海外から販売されているものが多く、本格的にマーケティングに関わっている方でないと使いこなすことが難しい機能が備わっている場合も少なくありません。
MAツールを導入しても高機能なシステムを使いこなすことができない、または機能を使いこなすためのマーケティングスキルが不足していると、失敗につながる可能性が高いです。
▷MA(マーケティングオートメーション)ツールの機能一覧とできることを解説
MAツールを運用できる人材がいない
MAツールを運用できる人材がいない場合も、MAツールの導入が失敗する場合があります。
MAツールを活用することで、マーケティングや営業支援の業務にかかるリソースの大幅な削減が期待できます。しかし、MAツールをマーケティングに活用するためには専門知識やシステムの知見が必要なことも多く、社内で運用できる人材がいないと問題が発生する可能性も高いです。
十分な知識がない従業員が運用に携わると、一貫した施策の実行や設計、分析ができないため、最大限に活かしきれないのです。このように、MAツールの導入前にMAツールの担当者が決まっていない場合は、失敗につながりかねないため注意しなければなりません。
定期的なメンテナンスができていない
MAツールを適切に運用し続けるには、定期的なメンテナンスが必要です。配信するコンテンツやシナリオなどを見直したり、データベースのクリーンアップをしたりすることで、常に高いパフォーマンスを維持できます。
しかし、定期的なメンテナンスができていないとパフォーマンスが落ちたりセキュリティに問題が起こったりする可能性があるため、注意しなければなりません。
▷【2024年最新】おすすめ定番MAツール16選!機能や費用を比較表で!
MAツール導入を成功させるためのポイント
MAツールの導入を成功させるためには、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。ここからは、MAツール導入を成功させるためのポイントを7つ紹介します。
MAツールを導入する目的を明確にする
MAツールの導入前に、導入目的を明確にすることが大切です。例えば「リード獲得数を◯%増やす」「成約率を◯%高める」など、具体的な数値を用いながら明確な目的・目標を立てましょう。
目的を明確にすることで自社に必要な機能が備わったMAツールが選べるようになり、効果的な施策が行えます。
▷MAツール導入の流れはこれで完璧!成功させるコツや注意点も解説!
見込み客を増やすことに力を入れる
見込み客を増やすことも、MAツール導入を成功させるために大切なポイントです。見込み客が少なければ十分な効果が発揮できないため、さまざまな施策を行って改善を図りましょう。
例えば、営業から名刺を回収したり、イベントやWebから顧客の情報を収集したりするなどして、アプローチを行うための見込み客を増やしていきましょう。
コンテンツを充実させる
Webサイトやメルマガで配信するコンテンツが充実していなければ、見込み客に対して十分なアプローチが行えません。コンテンツ数が少ない場合は、まずはコンテンツを充実させる施策に注力しましょう。
例えば、Webサイトやメルマガで配信するコラムを見込み客のニーズに合ったものにしたり、資料や導入事例などを充実させたりすることがおすすめです。
従業員にMAツールの使い方や各部署の役割を周知する
MAツールをうまく活用して成約につなげるためにも、従業員に対してツールの使い方を十分に周知することが大切です。そのため、定期的な研修を行って常に知識をアップデートしましょう。
また、各部署の役割を伝えることも重要なポイントです。例えば、MAツールからどのような通知が届いたらどの部署が対応するのかなど、部署ごとの対応範囲を明確にして伝えておきましょう。
このような対策を行うことで、MAツールを使ってPDCAサイクルを回せるようになり、マーケティング施策の質とスピードを向上できます。
無料トライアルを利用して自社に適したMAツールを選ぶ
MAツール導入後に自社とのミスマッチを防ぐためには、無料トライアルがあるMAツールを選ぶことがおすすめです。
MAツールの無料版を使用していく中で、社内に足りない知見やリソース、連携すべき部分が見えてくるでしょう。また、実際に触ることでMAツールの理解にもつながります。
無料トライアルでMAツールの機能性を確認しながら運用のための組織体制を構築していくと、より確実かつ効率的に体制づくりを進められるでしょう。
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シナリオ設計やスコアリング機能の定義を明確にする
MAツール導入後の失敗を防ぐポイントは、シナリオ設計とスコアリング機能にあります。
シナリオ設計とは、顧客がどのようなストーリーで商品を購入するのかを設計することです。また、スコアリング機能とは、見込み客の行動に点数をつけて購入意欲を明確にする機能を指します。
シナリオ設計にはMAツールの機能が大きく影響するため、ベンダーなどシステム専門業者と話し合いながら導入を進めましょう。一方、スコアリング機能は営業担当者や企画担当者と連携して、目標を数値として明確に設定することが大切です。
運用後もPDCAサイクルを回し続ける
MAツール運用後は、PDCAサイクルを回し続けることを意識しましょう。
MAツールは導入したら終わりではありません。目的達成のために施策を行い続けて、達成できたら次の目的に向けて進み続ける必要があります。
具体的には、コンテンツ制作や配信などの施策を行いながら現状を分析して評価を行い、改善を続けていきましょう。
MAツールでの効率化によって削減された業務時間を、PDCAサイクルを回すことに充てられれば、大きな負担なくPDCAサイクルを回し続けてマーケティング施策の考案に注力できます。
MAツールを運用する際の注意点
DXが注目されている中、MAツールは今後マーケティングを行ううえで欠かせないツールとなりつつあります。しかし、MAツールを導入する際には2つの注意点があるため、事前に把握しておきましょう。
MAツール導入によってすべてを自動化できるわけではない
MAツールはマーケティングオートメーションという名のとおり、自動化できる部分ももちろんありますが、すべてを自動化できるわけではありません。
顧客の分析やデータの作成、情報共有など、今まで人力で行っていた作業は自動化できます。しかし、MAツールで分析を行う顧客の設定や、シナリオ設計、スコアリングなどは人力で作成しなければなりません。
また、MAツールでの分析や顧客抽出の精度を高めるには、やはり人間の判断が不可欠です。このように、一部の業務については自動化できない点に注意しましょう。
▷MAツール運用を成功させるコツは?よくある落とし穴や対処法を解説!
MAツールは設定が複雑であることを理解する
MAツールを運用するうえで、思った以上に設定が複雑なことに驚くこともあるでしょう。
例えば、メール配信をMAツールで行う場合、顧客抽出からメール配信まで自動的に行えます。しかし、メールで配信する項目、パラメータの設定、顧客データ管理、トリガー設定など、運用するために必要な複雑な設定に時間がかかってしまうこともあります。
MAツールを利用する時は設定の難しさを理解し、サポート体制が充実しているベンダーの選定や専門的な知見を持った人材の採用などを検討しましょう。
短期間では効果が出ないことを理解する
MAツールを運用したとしても、短期で効果が出るとは限りません。MAツールで分析した顧客データを基にPDCAサイクルを回しながら改善を重ね、より最適なマーケティング手法を採用していくことで徐々に効果が大きくなっていくのです。
また、MAツールを運用したマーケティングにおいては、役割分担や目標設定などの事前準備の時間も必要となるため、導入から短期間で成果を出すのは難しいでしょう。準備不足のまま短期的な結果を期待してMAツールの機能を追加すると、無駄なコストが生じてしまいかねません。
事前に定めたKPIを基に、導入前の数値との比較や導入に対する費用対効果を正しく把握できるように、体制を整えておきましょう。
目的を明確にしたうえでMAツールを導入しよう
MAツールを導入するうえでは、事前準備を怠らないことが大切です。事前準備を行う際には、目標設定や人的リソースの確保、社内連携などを整備しておきましょう。また、導入後も部署間で連携しながらPDCAを回していく運用体制を構築するほか、見込み客の把握も欠かせません。
これらの準備を入念に行ったうえでMAツールを導入することにより、自社のマーケティング活動の成果向上につながり、MAツール導入が成功に近づく可能性がより高くなるでしょう。
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