グループウェアのセキュリティリスク|対策やセキュリティ対策に優れたツールを紹介
クラウド型のグループウェアは、コミュニケーションの円滑化や業務効率化を推進する欠かせないツールになりつつあります。しかし、便利さの一方で、クラウドツールならではのリスクが伴うことを認識しなければなりません。そんなグループウェアのセキュリティリスクについて、原因や対策など徹底解説していきます。
目次
グループウェアに潜むセキュリティリスクと原因
ICTの進化やライフスタイルの多様化などを背景に、ビジネス環境や働き方が変化したことで、グループウェアは業務の効率化に欠かせない必須ツールとなりました。
しかし、グループウェアの活用は、これまでになかったセキュリティリスクの原因になる可能性もあります。ここでは、主な2つのリスクについて詳しく説明します。
システム障害やサイバー攻撃によるリスク
グループウェアには、オンプレミス型とクラウド型があります。近年は、テレワークにも対応可能なクラウド型を導入する企業が増えていますが、クラウド型のグループウェアはインターネットを介して利用するため、災害やサイバー攻撃などの有事における通信障害やシステム障害の影響をもろに受けてしまうことになります。
システムを提供するベンダー側も、強固なセキュリティ環境を構築し、さまざまな対策を講じていますが、サイバー攻撃の手口や種類は日々進化するため、リスクや可能性を完全に排除することは困難であるのが現状です。
▷オンプレミス型のグループウェアおすすめ6選|クラウド型のとの違いを解説
ヒューマンエラーによるリスク
もう一つが、ヒューマンエラーによるセキュリティリスクの増大です。
情報漏えいが発生する原因の多くは、「紛失・置き忘れ」、「システムの誤操作」といったヒューマンエラーによるものとされています。クラウド型のグループウェアを導入した場合、従業員は、外出先や移動中など、オフィス外の環境からも社内の情報にアクセスできるようになります。
場所を問わず、業務に必要な情報にアクセスしたり、コミュニケーションが取れるようになるのは、生産性や業務効率の向上を実現するものですが、ある意味では、企業の重要な情報を「持ち歩く」ことになるため、情報セキュリティリスクが増すデメリットにもなってしまうのです。
▷【2023年最新】グループウェアのおすすめ14選を比較!選び方や機能を紹介
グループウェアのセキュリティ対策
グループウェアを使用することによって発生するリスクには、企業としてどのように対処すべきなのでしょうか。
企業の重要な情報を保護するためのセキュリティ対策、その手段をいくつかご紹介します。
社内ルールを整備する
グループウェアを安全に活用するための社内ルールを整備しましょう。
具体的には、グループウェアで管理する情報の種類、情報内容に応じたアクセス権限や共有範囲、パスワード設定ルールなどを明確にします。オフィス外からのアクセスが想定される場合は、外部の無線LAN利用やアクセス時の周辺環境のルールなどのガイドラインも策定しましょう。
▷グループウェアの運用ルールを策定するコツ|社内へ浸透させる秘訣も解説
社内でのセキュリティ教育を強化する
研修や勉強会を実施するほか、社内ルールの理解度を測るテストを定期的に行うなどして、社内のセキュリティ教育体制を強化します。
ヒューマンエラーは、情報セキュリティに対する認識の甘さが、ついうっかりといったミスや機密情報の雑な取り扱いを招くことも少なくありません。そのため、従業員一人ひとりの情報セキュリティに対する意識を向上させることも重要です。
情報漏えい対策ソフトと組み合わせる
アクセス管理や端末ごとのログ管理ができる情報漏えい対策ソフトを導入し、構造的な情報セキュリティ対策の強化を図る方法もあります。
情報漏えい対策ソフトの特徴や機能はさまざまですが、不正な操作を自動検出してブロックする機能や、誤操作を防止する機能を搭載したものもあり、グループウェアを組み合わせることでセキュリティレベルを高めることが可能です。
▷グループウェアの導入を成功させる手順|導入する際の注意点
セキュリティ面に強いグループウェアの選び方・選定ポイント
グループウェアは、目的に合った機能や使い勝手などの利便性だけでなく、十分なセキュリティ対策を講じたうえで管理・運用しなければならないことがわかりました。
そこでここからは、セキュリティ面に強いグループウェアの選び方や選定のポイントについてご紹介します。
データセンターのセキュリティ対策
グループウェアのデータは、データセンターに格納されるため、データセンター自体のセキュリティが非常に重要となります。
地震や豪雨などの自然災害でデータが失われる、あるいは、システムが停止するといったリスクへの対応を含む災害復旧計画のほか、データの暗号化・サーバーのセキュリティアップデートなど、総合的なセキュリティ対策が行われているかを確認しましょう。
アクセス制御機能
特定の情報へのアクセスを制限するアクセス制御機能は、一般的なグループウェアであれば搭載されていますが、どのような方法でアクセスを制限できるかについては、ソフトにより異なります。
具体的には、一人ひとりにアクセス権を設定する必要があるのか、もしくは、部署ごとや役職ごとなどの一定のグルーピングのもと一括でアクセスを制御できるのかなどを確認します。適切なアクセス権の設定による情報管理は、情報の不正利用や社内外における不正アクセスの防止につながるでしょう。
多要素認証機能
多要素認証機能とは、ログイン時や特定の機能利用時のユーザー確認を強化し、不正アクセスや不正な操作を防ぐための機能です。
たとえば、IDとパスワード情報に加えて、SMS送信された認証コードやワンタイムパスワードの入力、生体認証(指紋認証や顔認証)など、端末を介した本人確認を行う二段階認証が一般的です。
このような多要素認証機能があると、万が一、IDやパスワード情報が第三者に漏えいした場合にも、不正なログインを未然に防止することが可能です。
メール制御機能
広くビジネスシーンに普及しているメールですが、実は、受信メールからのウイルス感染、誤送信、添付ファイルの誤りなど、ミスやリスクが発生しやすいコミュニケーション手段でもあります。
そのため、スパムなどの迷惑メールを排除する機能や、サンドボックスによるマルウェアブロック、添付ファイルのウイルスチェック機能などが搭載されていると安心です。
ただし、添付ファイルの誤りや誤送信については、添付ファイルは必ず暗号化してから添付する、メールの宛名は二重にチェックするなど、万が一の事態にも被害が拡大しないよう、社内ルールの見直しや自助努力による工夫が求められます。
監査ログ機能
監査ログ機能とは、誰がどのような操作をしたかを記録する機能です。これにより、不正アクセスや不適切な操作を追跡し、必要な対策を講じることができます。
また、この記録は、ツールが問題なく使用されていることの客観的・合理的な証拠としても役立つ場合があります。
モバイルセキュリティ管理機能
モバイル端末を使った、社外からのグループウェアへのアクセスが多い場合は、社用携帯の一括管理など、モバイル端末のセキュリティを強化できる機能を搭載したグループウェアがおすすめです。
加えて、モバイル端末を紛失した際に、遠隔操作にて、端末情報を初期化したり、すぐにロックできる仕組みがあると、より安心でしょう。
▷グループウェアの使い方|仕組みや最大限に活用する方法
セキュリティ対策に優れたグループウェア3選
セキュリティリスクが増加する中、企業の情報資産を守るためには、高度なセキュリティ対策を施したグループウェアの導入が必要不可欠です。
ここからは、セキュリティ機能に優れたグループウェア3選について、特徴とメリットを詳しく解説します。
1.J-MOTTOグループウェア
J-MOTTOグループウェアは、多様なニーズに対応する高度な機能性と、セキュリティの高さに定評のあるサービスです。
二段階認証やSSL/TLS暗号化により、データの安全性を確保。さらに外部からの不正アクセスリスクを大きく低減させる設計が施されており、細やかなアクセス権限の設定は内部の情報管理体制を最適化してくれるでしょう。企業の情報資産を守るための強固なセキュリティ機能を備えた製品として、多くの企業での導入が進んでいます。
提供元 | リスモン・ビジネス・ポータル株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 【基本料金】 ■月払い
■年払い
※別途超過料金、有償オプションあり |
機能・特徴 | スケジュール、ワークフロー、来訪者管理、ウェブメール、安否確認、文書管理、プロジェクト管理、電子会議室、議事録、タイムカードほか |
URL | 公式サイト |
2.desknet's NEO
desknet's NEOは、現場の声を重視して設計された使いやすい操作画面と、あらゆるビジネスシーンの業務改善に役立つ25以上の機能を標準搭載したグループウェアです。
IPアドレス制限や時間帯制限機能、自動でログアウト機能など、不正アクセスや不正利用を効果的に防ぐセキュリティ機能も充実。定期的に実施されるセキュリティ更新も特徴で、ユーザーのデータ保護を第一に考えた製品設計となっています。
提供元 | 株式会社ネオジャパン |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | クラウド版基本プラン:440円(税込)/月 スモールライセンス:43,780円(税込)/5ユーザー~ ※2年目以降は年間サポートサービス料が別途発生 エンタープライズライセンス:55万円(税込)/100ユーザー~ ※年間サポートサービス料込み |
導入実績 | 販売実績484万人以上 (※2023年1月時点) |
機能・特徴 | スケジュール、設備予約、議事録、来訪者管理、文書管理、ウェブメール、ワークフロー、回覧・レポート、電子会議室、プロジェクト管理、備品管理ほか |
URL | 公式サイト |
3.Coo Kai for Office 365
Coo Kai for Office 365は、MicrosoftのOffice 365とのシームレスな連携を特長とするグループウェアです。
Azure ADをベースにした堅固な認証機能やデータの暗号化のほか、監査ログ機能など、セキュリティの面で高い安全性を実現しています。また、Office 365環境との統合性が高い点は、Office 365ユーザーにとって、企業の業務効率向上と情報保護の両立が実現できるうれしいポイントです。
提供元 | 株式会社ピーエスシー |
初期費用 | 一般ユーザー向けツール:無料 管理者向けツール:無料 ■セキュリティ向上 誤送信防止ツール for Outlook:無料 SSOシングルサインオン CloudGate UNO:10万円~ |
料金プラン | 【一般ユーザー向けツール】
【管理者向けツール】
【セキュリティ向上】
|
機能・特徴 | Microsoft365導入支援、移行支援、個別開発、運用支援、利活用支援、Power Platform導入支援ほか |
URL | 公式サイト |
グループウェアを利用する際はセキュリティ対策を忘れずに
グループウェアは、共有性やアクセス性に優れ、業務が効率化される一方で、使い方を誤ってしまうと、情報漏えいなどの重大なインシデントを発生させる原因にもなってしまいます。
多要素認証やアクセス制御機能の活用、社内ルールの徹底など、グループウェアを適切に運用するためのセキュリティ対策は多岐に渡ります。ただし、それらを運用する従業員一人ひとりのセキュリティに対する意識が低ければ、どんなに良い対策も機能しません。
セキュリティ教育を含む、適切なセキュリティ対策を徹底し、業務効率化と安全な情報管理の両立を目指しましょう。
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