【2024年最新】おすすめのDMPツール11選を比較|選び方と機能・種類を紹介
インターネット上に蓄えられた大量のデータを一元管理する「DMPツール」。データ活用の重要性が増す昨今、社内に散在するデータをマーケティングに有効活用できないか模索している企業も多いのではないでしょうか。本記事では、おすすめDMPツールの比較を、選び方などと併せて紹介します。
目次
DMPとは?
DMPとは「Data Management Platform」の略で、インターネット上に蓄積されたさまざまな情報を一元管理できるプラットフォームのことです。具体的には、ユーザーの購買履歴・属性データ・広告配信データなどの情報を管理できます。
DMPでは、自社サイトで収集できるデータに加え、第三者が管理する外部データも収集・統合が可能です。さらに、統合したデータを分析し、より効果的なマーケティング・広告施策を打ち出すためにも役立てられます。
▷【図解あり】DMPとは?仕組みや種類、メリット・デメリットをわかりやすく解説
DMPの仕組み
DMPでは、顧客の属性・購買履歴・自社サイトへのアクセス履歴など、自社独自のデータの取得が可能です。さらに、Webサイトでの行動履歴やSNS上のデータといった外部から提供されるビックデータも取得し、自社データと統合して分析ができます。
また、DMPはさまざまなマーケティングツールとの連携も可能です。連携によって、広告やメルマガの配信など、顧客のニーズの合うマーケティング施策を実施できます。
DMPツールの種類
DMPツールには、大きく分けてパブリックDMPとプライベートDMPの2種類があります。ここでは、それぞれのDMPツールについて解説しましょう。
パブリックDMP
パブリックDMPとは、主に「3rd partyデータ」と呼ばれる、自社では収集できない外部データを管理するプラットフォームです。具体的には、SNS上のデータやWebサイトでの行動履歴、年齢・性別・居住地域・家族構成といった属性などが含まれます。
パブリックDMPは、他社が運営しているWebサイトの情報を利用できることから「オープンDMP」とも呼ばれています。不特定多数のユーザーによる同業他社のサイトでの行動履歴などを分析することで、見込み客のニーズを把握できるでしょう。
このようなことから、パブリックDMPは新規顧客を獲得したい場面で活用されることが多いといえます。
プライベートDMP
プライベートDMPは、「1st partyデータ」と呼ばれる、自社で取得・蓄積した独自の顧客データを管理するプラットフォームです。具体的には、既存顧客の情報・購買履歴・行動履歴・アクセスログ・問い合わせ履歴や、広告配信データ、実店舗の販売データなどを管理します。
プライベートDMPはCDP(Customer Data Platform)とも呼ばれており、インターネット上のデータだけでなく、オフラインでの行動も分析可能な点が特徴です。既存顧客に対してアップセルやクロスセルを行いたい場合にプライベートDMPのデータが活用されます。
DMPツールの主な機能
DMPツールにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。ここでは、DMPツールの主な機能について解説します。
データ収集・管理機能
DMPツールの機能として第一に挙げられるのが、自社サイトやPOSシステム・CRMなどの自社データと、他社運営のサイトから集められた外部データを収集し、プラットフォーム上で一元管理する機能です。さらに、「2nd partyデータ」と呼ばれる、自社の取引先から提供されたデータや、第三者機関が提供しているデータも収集できます。
インターネット上のデータ収集には、主にブラウザのCookie情報が使用されます。DMPが発行した独自タグを調査対象のWebサイトに組み込むことで情報を収集する仕組みです。
また、近年は主要なブラウザでCookieをブロックする動きもあるため、Cookieを用いずにデータを取得するツールもあります。
データ分析機能
DMPツールには、収集した大量のデータから、顧客の行動や傾向を分析する機能もあります。RFM分析やクラスター分析などを用いて、あらゆる視点から分析が可能です。ツールによっては、セグメントの分類やペルソナの作成もできます。
顧客グループごとの行動傾向や興味関心、収益性などを把握できるため、マーケティング施策の改善に役立ちます。
マーケティング機能
データ分析の結果を具体的なマーケティング施策に活用するための機能も備わっています。具体的には、自社サイトへの訪問履歴のあるユーザーに対するメルマガの送信やリマーケティング広告の出稿などが挙げられるでしょう。
また、プライベートDMPでは、自社サイトにアクセスしたのが既存顧客である場合に会員限定サイトに切り替えたり、会員情報に基づいたDMを送信したりできます。さらに、マーケティング施策を自動化するMAツールや自社データを管理するBIツールなどとも連携可能です。
DMPツールの選び方
DMPツールを選ぶ際は、どのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。ここでは、DMPツールの選び方について解説します。
DMPツールの種類で選ぶ
DMPツールには、主に外部データを管理するパブリックDMPと、自社データを管理するプライベートDMPの2種類があります。それぞれ収集できるデータが異なるため、自社の用途に応じて選ぶことが大切です。
新規顧客を獲得したい場合はパブリックDMP、既存顧客に対するアップセルやクロスセルを行いたい場合はプライベートDMPがおすすめです。また、ツールによっては、パブリックDMP・プライベートDMPの両方に対応している場合もあります。
必要な機能が搭載されているかで選ぶ
自社にとって必要な機能が搭載されているかも重要なポイントです。集めたいデータを収集可能かどうかだけでなく、必要な分析手法を利用できるかもチェックしましょう。RFM分析・エンゲージメント分析・ペルソナ分析など、ツールによって利用できる分析手法は異なります。
また、必要なマーケティング機能が搭載されているか確認することも大切です。同じツールでもプランによっては利用できる機能が制限されている場合もあるため、しっかり比較してから選びましょう。
既存ツールと連携できるかで選ぶ
自社ですでに利用しているツールと連携可能かも確認が必要です。DMPツールによって連携できる外部ツールは異なるため、効率アップのためにも、既存ツールと連携できるものを選びましょう。
例えば、MAツールと連携すれば、DMPツールの分析を基にしたマーケティング施策を実行できます。ほかにも、ツールによってはCRMや広告配信ツールとの連携も可能です。
ツールの操作性で選ぶ
DMPツールを選ぶ際は、操作性が良いかどうかもチェックしましょう。DMPツールは膨大なデータを扱うものであり、高度な分析も行うため、不慣れな人にとっては難しい印象があるでしょう。
そのため、データの収集・分析などの操作が専門的すぎず、直感的にできるツールを選ぶことが大切です。また、操作画面がシンプルかどうかや、見たい情報を素早く引き出せるかも確認しましょう。
導入実績の豊富さで選ぶ
DMPツールの製品紹介サイトでは、多くの場合、導入実績も掲載されています。ツールによって特徴は異なりますが、選びたいツールが自社に合っているかどうかは導入実績からある程度推測が可能です。
自社と似たような業種・業態の会社への導入実績が豊富なツールであれば、自社分野に適した改善が行われている可能性が高く、需要にマッチしていると考えてよいでしょう。
また、導入実績は費用面の参考にもできます。自社と似たような事業規模の会社への導入実績が豊富なら、予算を大幅にオーバーする可能性は低いといえるのです。
おすすめDMPツール11選比較
ここからは、おすすめのDMPツールを11製品紹介します。
Juicer
Juicerは基本無料で使えるDMPツールで、多様なデータから自社サイトのペルソナ像を自動で作成できます。さらに、BtoB分析・クロスデバイス分析なども可能です。
広告ツール・CRM・MAツールなど、さまざまな外部ツールとの連携もでき、分析データをマーケティング活動にも役立てられます。また、ABテスト機能も備わっており、サイト表示において成果の出やすいパターンを見つけられるのもメリットです。
提供元 | ログリー株式会社 |
初期費用 | 基本プラン:無料 |
料金プラン | 基本プラン:無料 <オプションプラン>
|
導入実績 | 国内導入サイト数40,000件以上(※2024年10月時点) |
機能・特徴 | 直感的に使えるUX/自動ペルソナ作成/広告連携/CRM・MA連携/ABテスト/BtoB分析/クロスデバイス分析 |
URL | 公式サイト |
matomaru
matomaruは、飲食店・美容・小売・商業施設・宿泊施設・ゴルフ場など、BtoCのさまざまな業種で利用されているDMPツールです。顧客情報を一元管理できるだけでなく、一つの管理画面で分析・集計ができます。
アプリ・メール・LINEへの多様な配信機能を備えているのも特徴です。さらに、商品・サービスに関するアプリページの作成や、クーポン・会員証・ポイント・スタンプなどの販促機能も豊富です。
提供元 | 株式会社バリューワン |
初期費用 |
<オプション>
|
料金プラン |
<オプション>
|
機能・特徴 | 顧客情報一元管理/多様な配信機能/販促機能/分析集計機能 |
URL | 公式サイト |
b→dash
b→dashはノーコードでデータ構築ができるDMPツールで、基幹システムからのデータ取り込みも簡単にできるため、すぐにデータを活用できます。また、サポートも充実しており、導入から運用体制の構築まで、必要に応じて頼ることができるのもメリットです。
カスタマーウォッチ機能により、顧客一人ひとりの行動ログの取得もできます。さらに、CDP・MAツール・BIツール・CMSなど、16機能をオールインワンで有しているため、外部ツールなしでもマーケティング施策を進められる点も魅力です。
提供元 | 株式会社データX |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 累計導入者数1,000社突破(※2024年10月時点) |
機能・特徴 | ノーコードでデータ構築/充実のサポート/安心のセキュリティ/外部ツール連携/顧客一人ひとりの行動ログを取得 |
URL | 公式サイト |
Adobe Audience Manager
Adobe Audience Managerは、3rd party Cookieを利用せずにデータ管理プログラムを構築できるDMPツールです。プライバシーを守りながらユーザーのプロファイルができ、収集したデータはリアルタイムで使用できます。
AIと機械学習による分析ができるのも特徴です。類似の顧客データを比較し、傾向スコアを改善することで、より詳細な行動分析ができます。
提供元 | Adobe Inc. |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 3rd party Cookieを利用しないデータ管理プログラムの構築/堅牢な顧客プロファイル/リアルタイムプロファイルの活用/AIと機械学習を活用した顧客行動の分析 |
URL | 公式サイト |
activecore marketing cloud
activecore marketing cloudは、データの統合・分析からマーケティング施策の実行までを一括で行えるDMPツールです。業種・業態に合わせた専用のプライベートDMPを構築できるため、効果的なデータ収集ができます。
分析レポートはドラック&ドロップで簡単に作成可能です。さらに、レコメンドエンジン機能により、一人ひとりを細かくセグメントし、パーソナライズしたアプローチを行うことができます。また、MAツールも搭載しており、シナリオに応じたアプローチを自動で実行可能です。
提供元 | 株式会社アクティブコア |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 200社以上の企業で導入(※2024年10月時点) |
機能・特徴 | 業種・業態に合わせた専用のプライベートDMPを構築/ドラック&ドロップで分析レポートを作成/レコメンドエンジン機能/シナリオに応じたアプローチをMAツールが実行 |
URL | 公式サイト |
Customer Data Cloud
Customer Data Cloudは、すべての顧客タッチポイントを一元管理・分析できるDMPツールで、自社内の既存ツールと連携し、データを統合できます。収集したデータはAI・機械学習を用いて分析でき、顧客インサイトや予測の作成が可能です。
分析データには部門を問わずリアルタイムでアクセスできるため、企業全体で一貫性のある施策を実行できます。また、グローバル企業が求めるセキュリティ要件を満たしているため安心です。
提供元 | トレジャーデータ株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 全ての顧客タッチポイントを一元管理/AIを活用した分析/部門を問わず同じ分析データにアクセス可能/高度なセキュリティ/外部ツール連携 |
URL | 公式サイト |
IM-DMP
IM-DMPは、大規模メディアやインターネットリサーチを通じて取得した約4.7億ものユニークブラウザのオーディエンスデータを活用できるDMPツールです。セグメンテーションの自由度も高く、基本的なセグメントから自社データを掛け合わせたセグメントまで幅広く対応できます。
アクションチャネルの網羅性も高く、さまざまなマーケティング施策に活用できるのが魅力です。広告配信・LP最適化などのオンライン施策だけではなく、ポスティング・DM送付といったオフライン施策との紐付けもできます。
提供元 | 株式会社インティメート・マージャー |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 約4.7億ユニークブラウザに紐付いたオーディエンスデータ/自由度の高いセグメンテーション/網羅性の高いアクションチャネル |
URL | 公式サイト |
Piano DMP
Piano DMPは、Cookieレス時代にも対応できるDMPツールです。オーディエンスからの合意を得て取得したゼロpartyデータから、1st・2nd・3rd partyデータまで取得・分析ができます。
使用デバイスを問わずにユーザーデータを取得・分析できるため、有益なインサイトやセグメント作成が可能です。さらに、広告サーバーやマーケティングツールなどとの連携もでき、分析したデータをリアルタイムでマーケティングに活用できます。
提供元 | PIANO Japan株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | ゼロpartyデータから1st・2nd・3rd partyデータまで取得可能/外部ツール連携/インサイト分析・セグメント作成/使用デバイスを問わないユーザーデータの取得・分析 |
URL | 公式サイト |
AudienceOne
AudienceOneは、約4.8億のユニークブラウザから収集した2兆以上のオンライン行動データを利用できるDMPツールです。特許取得済の推定クロスデバイスモデルを用いることで分断されたID情報を統合できるため、ユーザーがIDを複数所有している場合でも、同一ユーザーとして識別できます。
自社で取得した1st partyデータやパートナー企業から取得した2nd partyデータとの統合も可能です。膨大なデータを管理・分析し、用途に応じてさまざまなマーケティング活動に活用できます。
提供元 | 株式会社Hakuhodo DY ONE |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | 2兆を超えるオンライン行動データ/特許取得済の推定クロスデバイスモデル/1st・2nd partyデータとの統合も可能 |
URL | 公式サイト |
リテールメディアDMP
リテールメディアDMPは、質の高い広告配信・プロモーション施策を支援するDMPツールです。顧客の来店計測データ・ID-POSデータの蓄積・分析が可能です。Web広告やSNS広告によるプロモーションが、来店・購買にどの程度影響を及ぼしたかを分析できます。
蓄積されたデータから購買行動の可視化やセグメント分けも可能です。ユーザーの許諾を得た位置情報も活用でき、商圏居住者へのアプローチもできます。
提供元 | 大日本印刷株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
機能・特徴 | デジタル広告配信機能/顧客の来店計測データ・ID-POSデータの蓄積・分析機能/セグメント分析 |
URL | 公式サイト |
DMPツールを導入するメリット
DMPツールを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、DMPツールを導入するメリットについて解説します。
あらゆるデータを有効活用できる
DMPツールを導入することで、自社データ・外部データを含む膨大なデータを有効活用できます。属性の異なるデータを多角的な視点から統合的に分析できるため、顧客の行動や傾向を正確に把握するのに役立つのです。
ターゲットに合わせたマーケティング施策を立てられる
収集したデータからニーズを把握できるため、ターゲットに合わせたマーケティング施策を立てられるのもメリットです。また、セグメント分析や具体的なペルソナ像の作成もできるため、ターゲット設定を行うためにも役立ちます。
さらに、マーケティング施策を立てるために必要な分析を正確かつスムーズに進められるメリットもあり、マーケティング活動の効率化を実現できます。
DMPツールを導入するデメリット
DMPツールの導入にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。最後に、DMPツールを導入するデメリットについて解説しましょう。
事前の運用体制の構築が必要
DMPツールを導入しても、有効活用できる人材がいなければ意味がありません。事前にDMPツールを活用するための知識や技術を持った人材を集めることが不可欠です。
また、導入目的の明確化や社内に散在するデータの収集、部署間の連携体制の構築など、事前に運用体制を構築する必要もあります。
DMPは機能が豊富で、さまざまなマーケティング施策に活用できるツールです。とはいえ、目的が不明確である場合や運用体制が構築できていない場合には、どのように使うべきかわからなくなってしまうのです。
導入・運用に費用がかかる
DMPツールの導入・運用には、膨大な費用が発生します。高度な機能を搭載したツールであるため、初期費用だけではなくランニングコストも高いといえるでしょう。導入にあたっては、料金プランなどを比較し、慎重に選ぶことが大切です。
また、運用体制の構築にも時間とコストがかかるため、費用対効果を試算して導入の有無を検討しましょう。
おすすめのDMPツールを比較し自社に最適な製品を導入しよう
DMPツールは膨大なデータを活用し、最適なマーケティング施策を打ち出すために役立つツールです。既存ツールとの連携も可能なため、マーケティング活動の効率化も実現できるでしょう。DMPツールは、製品ごとにさまざまな特徴や強みがあります。今回紹介したおすすめのDMPツールを参考に、自社に最適な製品を導入しましょう。
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