【2024年最新】年末調整ソフトおすすめ12選|選び方や無料製品を紹介
「毎年、年末調整が大変」とお困りの担当者の方は多いでしょう。そこで、書類作成や一人ひとりの内容確認など、時間と手間がかかる年末調整を効率化するおすすめの年末調整ソフト12種類を厳選して比較。年末調整ソフトの選び方や国税庁が提供する無料ソフトも紹介します。
目次
年末調整ソフトとは?
年末調整とは、所得税を精算するための作業を指します。企業は毎月、従業員の給与から所得税を徴収していますが、この額は実際の所得税とはズレがあります。年間の所得や保険料などの控除額によって所得税は変わるため、年末にならなければ実際の所得税額は分かりません。そのため、企業はその年の予測金額を給与から徴収しているのです。
年末になり、その年の所得や控除額が確定したら、これまで徴収していた額と本来支払うべき額の差を計算し、調整しなければなりません。これを年末調整と呼びます。
年末調整の対象者は、企業が給与を支払っている正社員やアルバイト、パートなどほとんどの従業員が該当します。対象とならないのは、給与が2,000万円を超える従業員や雇用期間が短い従業員、自社には副業として勤務し他の企業で年末調整を行う従業員などです。
年末調整には、申告書類の配付や回収、1年間の支払った給与や徴収した所得税の計算、法定調書の作成など多くの作業が発生します。最近ではテレワークの導入により、従業員への書類の送付や記入した申告書類の回収に苦慮している企業も多いでしょう。
年末調整ソフトは、従業員の申告から給与などの自動計算、各種書類の作成を行えるシステムです。膨大な事務作業を削減できるうえ、人的なミスが減り、業務効率化を実現できると言えるでしょう。
年末調整ソフトの選び方・比較すべきポイント
年末調整ソフトの導入には企業側・従業員側の双方にとってメリットがあります。しかし、導入する年末調整ソフトの選び方を間違えてしまうと、十分な効果を発揮できません。年末調整ソフトの選び方と比較すべきポイントを解説します。
年末調整ソフトの種類で選ぶ
年末調整ソフトには、大きく分けて年末調整特化型と給与計算システム・労務管理システム付随型があります。
年末調整特化型は、すでに給与計算システムや労務管理システムを導入している企業や、年末調整のみ効率化したい企業に適しています。源泉徴収票などの作成・発行や従業員の申告書類の回収や管理など、機能が年末調整に絞られているので、コストを抑えられるメリットがあります。
給与計算システム・労務管理システム付随型は、この機会に給与計算システムや労務管理システムの導入を検討している企業に向いているでしょう。給与データ、労務データの管理や労務手続きなどが行えるので、さらなる業務改善が図れます。年末調整ソフト導入後に、給与計算システム・労務管理システムを新たに導入するのに比べて、追加費用を抑えられるでしょう。
業務効率化を行う範囲や予算などを明確にしたうえで、自社の目的に合った年末調整ソフトを選んでください。
導入・運用コストで選ぶ
年末調整ソフトを選ぶ際は、コストもチェックしましょう。年末調整ソフトには、利用する人数によって料金が変動する従量課金タイプと、月額・年額固定タイプがあります。従業員数が少ない企業は前者の方がコストを抑えられるでしょう。
初期費用は年末調整ソフトによって大きく変わるので、確認が必要です。無料版もありますが、利用人数に制限があるケースが多いので、今後の採用計画などを考慮しつつ検討してください。
正確な費用を知るためにも、導入前に一度見積もりをとることをおすすめします。
操作性・利便性で選ぶ
年末調整ソフトは、担当者だけではなく年末調整の対象となる従業員も使用します。年末調整に必要な情報の入力は各々で行うためです。従業員の中には、パソコン操作が不得手な人もいるでしょう。もし使い方が難しいソフトだと、入力ミスが発生したり従業員からの問い合わせが増加したりして、かえって担当者の業務は増えてしまいます。
年末調整ソフトの中には、「はい」「いいえ」の二択で作成できるソフトや、入力補助機能が備わったソフト、スマホから入力できるソフトもあります。自社の従業員のITスキルを考慮しながら、操作しやすい年末調整ソフトを選ぶようにしましょう。
また、年末調整ソフトに搭載されている機能は、千差万別です。担当者の業務負担の削減を目的に導入するのであれば、進捗をリアルタイムで確認できる機能や、不備を自動で差し戻す機能を持つ利便性の高いソフトが適しているでしょう。
クラウド型・オンプレミス型で選ぶ
年末調整ソフトには、クラウド型とオンプレミス型があります。
クラウド型とは、ベンダーが提供している年末調整ソフトをインターネット経由で使う仕組みです。サーバーを用意する必要がないため、初期投資を抑えられる利点があります。メンテナンスもベンダーが行ううえ、ソフトのアップデートも自社で実施する必要はありません。
オンプレミス型は、自社でサーバーを用意し、年末調整ソフトをサーバーに取り込んで使います。そのため、初期投資が必要となり、メンテナンスも自社で行わなければなりません。一方、カスタマイズしやすい利点があり、操作性の向上などが図れます。
クラウド型 | オンプレミス型 | |
サーバー | 自社で用意する必要がない | 自社で用意しなければならない |
カスタマイズ | できない。もしくはできる範囲が限られている | カスタマイズしやすい |
セキュリティー | ベンダーがセキュリティー対策を行っているが、インターネット回線を使用するため、外部から攻撃を受ける可能性がある | 社内からしかアクセスができないため、外部からの攻撃を受けにくい |
アクセス | 社外からもアクセスしやすい | 社外からアクセスしにくい |
【無料版あり】おすすめの年末調整ソフト12選比較
一口に年末調整ソフトと言っても、機能や使い勝手、料金プランは大きく異なります。各年末調整ソフトの特徴をお伝えするので、導入を検討する際に、参考にしてみてください。
1.マネーフォワード クラウド年末調整
すでに給与計算システムを導入しており、年末調整ソフトのみを導入したいと考えている企業に適しているのが、「マネーフォワード クラウド年末調整」です。従業員はアンケートビューを使い、オンライン上で申告できます。メールアドレスを持っていない従業員に対しては、IDとパスワードを発行するため、わざわざメールアドレスを用意する必要はありません。申告画面は英語に切り替えることもできるので、従業員の利便性も高いでしょう。
ステータス画面で進捗管理も簡単にでき、源泉徴収票や給与支払報告書、個人別明細書など各種帳票も出力できます。不明点があれば、メールやチャットの無料サポートを受けられる点も魅力です。
提供元 | 株式会社マネーフォワード |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | ■個人向け
月額プラン
年額プラン ■法人向け(50名以下)
月額プラン
年額プラン ※従量課金は別途 ■法人向け(51名以上)
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機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
2.オフィスステーション 年末調整
労務管理クラウドで4年連続シェアNo.1(同社HPより)を獲得しているのが、「オフィスステーション年末調整」です。年末調整を行う際は、各従業員にマイページのURLを発行し、従業員はマイページから「はい」「いいえ」で回答し必要書類を提出します。現在導入している給与ソフトと連携し、提出資料の作成が行われる仕組みです。従業員はパソコンからだけではなく、スマホでも回答できるため、場所や時間を選ばずに申告できるでしょう。
クラウド型なので初期費用を抑えられるうえ、税制改正などが行われた場合は自動でアップデートできます。
提供元 | 株式会社エフアンドエム |
初期費用 | 登録料:11万円(税込) |
料金プラン | 550円(税込)/年/1人 ※従業員数5,001人以上は要問い合わせ |
導入実績 | 40,000社以上(2024年4月末日時点) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
3.HRMOS年末調整
コストを抑えるために、年末調整に関する業務のうち一部を効率化したいと考えている企業におすすめなのが、「HRMOS年末調整」です。同システムに備わっている機能は、年末申請を行ううえで必要な申告書の作成・収集・管理と、給与計算システムに連携するためのデータ出力です。年税額の計算や源泉徴収票の作成、税務署などへの書類提出は担当者が行うことで、コストをかけずに導入できます。
機能は絞られているものの、パソコンだけではなくスマホやタブレット端末からもアクセスでき、リマインドメール機能もあるので提出漏れも防げるでしょう。オンライン上で申告書を作成するため、ペーパーレス化にも一役買うことが期待できます。提出状況などはリアルタイムでの確認が可能です。
提供元 | 株式会社ビズリーチ |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 無料 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
4.年調ヘルパー
従業員の操作性に長けているのが、「年調ヘルパー」です。従業員の入力をサポートするため、ガイドやヘルプ機能を充実させており、従業員も簡単に申告ができるでしょう。Web提出なので、営業職など外出している従業員が多い職場でもスムーズに年末調整を行えます。
自動計算機能や前年のデータの複写機能を搭載しているため、人為的なミスも減らせるでしょう。申告書のデータはCSVデータで出力できるので、現在使っている給与計算ソフトに取り込めます。年末調整に特化したシステムの導入を考えている企業に適したシステムです。
提供元 | 株式会社クリックス |
初期費用 | 55,000円(税込) |
料金プラン | 330円(税込)/年/1ユーザー |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
5.年末調整Web申告
従業員の使いやすさに注力した年末調整ソフトが、「年末調整Web申告」です。従業員の入力には一問一答形式を導入しているため、マニュアルを見ずに操作ができるでしょう。パソコンからだけではなく、スマホからも申告できるので、普段パソコンを使わない職場でも導入しやすいというメリットがあります。入力した内容のチェックや自動計算を行う機能により、ミスも防止できます。
従業員の申告状況は申告書管理機能から確認でき、申告を行っていない従業員に対しては一括で督促メールを送信できるので、スムーズに年末調整を進められるでしょう。二次元コード付きの台紙を活用して、年末調整に必要な保険料控除証明書などの原本を管理できます。
提供元 | さくら情報システム株式会社 |
初期費用 | 22万円(税込) |
料金プラン | 550円(税込)/年/1ユーザー ※最低利用人数:500人 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
6.S-PAYCIAL with 電子年調申告
「S-PAYCIAL with 電子年調申告」は、パソコンだけではなくスマホやタブレット端末にも対応しているシステムです。そのため、年末調整に必要な書類を配付する手間を削減でき、従業員は場所や時間を選ばずに申告できます。扶養控除申告では、前年のデータがあれば表示されるので、ミス防止にも効果を発揮します。従業員の入力・提出状況はリアルタイムに確認できるので、進捗管理もしやすいでしょう。申告内容に不備があれば、差し戻し機能で従業員に差し戻されるので、担当者の業務負担を軽減できます。
給与計算システムとも連携でき、保険料控除に関する控除申告データの取込も可能です。そのため、証明書の提出が不要となります。
提供元 | 鈴与シンワート株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 3,700社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
7.簡単年調
従業員の申告の手間を削減できるのが、「簡単年調」です。同社の特徴は年末調整のアウトソーシングを行っている点と言えるでしょう。「簡単年調」を提供する株式会社エコミックが申告内容を入力するため、従業員は保険料控除証明書などの写真を撮影し、データをアップロードするだけで済みます。申告に不慣れな従業員ではなく、経験を積んだ同社が行うことで、申告ミスもなくせます。扶養などの情報は、簡単な質問に答えるだけで入力できるので、従業員の満足度向上につながるかもしれません。
仮に申告内容に間違いがあった場合は、同社が直接従業員に確認を行うため、担当者の業務を大幅に減らせるメリットがあります。
提供元 | 株式会社エコミック |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 1,000社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
8.奉行Edge 年末調整申告書クラウド
担当者の負担を最小限に抑えたい企業に適しているのが、「奉行Edge 年末調整申告書クラウド」です。マニュアルテンプレートが用意されているため、従業員への年末調整の説明を省略できるでしょう。ワンクリックで従業員にメールを送信し、従業員はメールに記載されている情報を基に提出画面にログインして申告します。これまで行っていた書類の配付や回収は必要ありません。
従業員にとっても便利な機能が搭載されています。前年に入力した内容が自動表示されるため、入力の手間を省けます。また、マイナポータルに連携しているため、保険料控除申告書などのデータを取り込むことができ、自動入力されるだけではなく原本の提出も不要になるのです。
提供元 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 990円(税込)/月、11,880円(税込)/年 ※従業員20人までの場合。21人以上は要問い合わせ。 |
導入実績 | 11,320社(2023年9月時点) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
9.eNEN
企業の規模を問わず幅広く導入されているのが、「eNEN」です。同システムの特徴として、機能性の高さが挙げられるでしょう。CSVデータの取込・出力ができるので、給与計算システムとの連携が容易で、必要なデータの入力工程を削減できます。さらに、保険料控除申告書などの証明書は、添付台紙のバーコードをリーダーで読み込めば受領・完了確認ができるので、手間がかかりません。
権限設定ができる点も、「eNEN」の特徴の1つです。作業担当の権限を付与できるだけではなく、閲覧や更新の制限も可能なので、情報漏洩や誤作業も防げます。従業員は、一問一答形式の「ウィザード方式」と用紙記入方式の「プロセス方式」から申告方式を選択できるので、自分に合った方法でストレスなく申告できるでしょう。
提供元 | 株式会社エムケイシステム |
初期費用 | 33万円(税込) |
料金プラン | ■企業向け 100名~:440円(税込)/年/1ユーザー 1,000名~:要問い合わせ ※契約は利用ユーザー100名単位の課金 ■社労士事務所向け 要問い合わせ |
導入実績 | 約6,400事業所(2024年1月時点) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
10.ジョブカン給与計算
「ジョブカン給与計算」は、給与計算システムに年末調整機能が搭載されたシステムで、オンラインで完結するため、書類の配付や回収の手間が削減できます。給与や賞与のデータから自動で源泉徴収票を作成するので、業務負担も減らせるでしょう。税率や保険料率の変更があれば、自動でアップデートされるので安心です。
セキュリティー対策にも力を入れています。データ暗号化プロトコルSSLを採用し、操作ログの確認ができるため、変更や削除をした人を把握できます。事前に設定されたIPアドレスしかアクセスできないので情報漏洩の防止も期待できるでしょう。
提供元 | 株式会社DONUTS |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | ■中・小規模の企業 無料プラン:無料(従業員数5名まで) 有料プラン:400円/月/1ユーザー ■大規模(500名目安)の企業 要問い合わせ |
導入実績 | シリーズ累計20万社 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
11.フリーウェイ給与計算
従業員5人までであれば無料で利用できるのが、「フリーウェイ給与計算」です。6人以上の場合も月額制で、ユーザー数で料金が変動しない点がメリットと言えるでしょう。社員数が減った場合、有料版から無料版にダウングレードすることもできます。給与計算システムに付随しているタイプなので、給与計算システムの導入も検討している企業におすすめです。
クラウド型なので導入の手間がかからないうえ、保険料率や税制の変更にも自動で対応してくれるので、わざわざ担当者が変更点を調べる必要はありません。電子申告に必要なXTXファイルやXMLファイルも無料で出力できるため、スムーズに電子申告ができるでしょう。
提供元 | 株式会社フリーウェイジャパン |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入実績 | 11万1,522ユーザー(2024年4月30日時点) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
12.SmartHR
「SmartHR」は人事・労務やタレントマネジメントに対応したシステムで、年末調整もシステム上で行えます。従業員の申告状況が一目で分かるように設計されているため、リアルタイムで進捗を把握できるメリットがあります。期日に合わせたリマインド設定もできるため、申告の遅れを防止できるでしょう。
同システムは、入社手続きから人事評価、従業員データベースまで人事・労務やタレントマネジメントを行うのに必要な機能を搭載しています。年末調整だけではなく、人事・労務分野の業務効率化を検討している企業におすすめです。
提供元 | 株式会社SmartHR |
初期費用 | 無料 |
料金プラン | 要問い合わせ |
導入実績 | 登録者数60,000社以上 (SmartHR上で事業所登録を完了しているテナント数。ただし、退会処理を行ったテナント数を除く) |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
国税庁が提供する<無料>年末調整ソフト
年末調整ソフトをリリースしているのは、民間企業だけではありません。国税庁は「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」を提供しています。質問に回答するだけで、従業員が年末調整を行う際に必要な控除申告書を作成できます。保険料などの控除証明書等のデータを使えば控除額を自動で計算でき、作成した控除申告書は勤務先に提出できるので便利です。
年調ソフトウェアの最大のメリットは、無料で利用できる点でしょう。コストを抑えたい企業は、ぜひ利用をご検討ください。
利用するには、公式アプリストアから入手、もしくは国税庁のWebサイトから直接ダウンロードしてください。
[参考:国税庁「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」]
年末調整ソフトを導入するメリット
年末調整は年1回必ず行わなければなりませんが、一度年末調整ソフトを導入すれば、翌年以降も活用できて便利です。経理・総務担当側、従業員側それぞれにとっての年末調整ソフトを導入するメリットについて解説します。
経理・総務担当のメリット
通常の業務を遂行しながら年末調整を行うのは、経理・総務担当者にとって大きな負担です。年末調整ソフト導入によって、経理・総務担当者にはどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
計算ミスなどのヒューマンエラーが低減する
担当者がデータを手入力し自分で計算した場合、いくら気を付けていても計算ミスが起きる可能性をゼロにはできないでしょう。年末調整ソフトは給与データなどを基に自動で計算を行うため、人的ミスを大幅に削減できます。複雑な計算式を用いる場合でも、スピーディーかつ正確に計算してくれるので効率的です。
個人情報などの入力業務を自動化できる
年末調整を行う際は、居住地や扶養家族の有無、マイナンバーなどさまざまな個人データを入力しなければなりません。労務データと連携できる年末調整ソフトを使えば、労務データをそのまま反映できるため、個人情報の入力業務が必要なくなります。手入力によるミスも減らせるため、書類の作成もスムーズにできるでしょう。
差し戻しや回収業務の効率化が見込める
年末調整は年に1回しか行わないため、従業員はやり方が分からず、入力漏れが生じるケースも多く見られます。担当者が入力内容を確認し、不備があった場合は従業員に連絡して差し戻さなければなりません。通常業務をしながら従業員は申告を行うため、申告を後回しにするケースもあるでしょう。担当者は、各従業員の入力状況を確認し、遅れが見られる場合は催促する必要もあります。
年末調整ソフトは、入力漏れやミスがあればエラー表示をする機能を搭載しているため、入力段階で漏れやミスを防げ、担当者が差し戻しと再回収をしなくて済みます。
さらに、リアルタイムで従業員の入力状況を確認できる機能が備わっている年末調整ソフトもあるので、進捗状況も把握できます。もし、入力が進んでいないようであれば、適切なタイミングで社内に一斉メールを送り、申告するように促すこともできるでしょう。
従業員側のメリット
年末調整は入力作業が多く、従業員にとっても大きな負担です。年末調整ソフトを導入することで従業員が得られるメリットをお伝えします。
入力補助機能で負担を軽減できスムーズに申請できる
年末調整を行う際に、従業員は「どこに何を書けばよいのかが分からない」「専門用語が多くて理解できない」といった課題に直面しがちです。年末調整ソフトの多くは、従業員の操作性を高める工夫を施しています。例えば、入力画面に記入例が表示される、質問に答えるだけで申告できる、ヘルプ・ガイドが用意されているといったサポート機能です。年末調整を行う従業員のストレス軽減にもつながるでしょう。
また、仮に入力内容に不備があれば担当者から差し戻されるため、従業員は入力し直し、再度提出しなければなりません。年末調整ソフトの場合、入力漏れやミスがあればエラー表示によってその場で気づき、すぐに対応できるため、担当者とのやり取りも減らせるでしょう。
前年のデータを参照できる
年末調整を行う際は、扶養家族の有無やマイナンバー、保険情報や住宅ローン情報など、多くの情報を入力しなければなりません。入力項目の多さはミスにもつながります。前年の年末調整データと連携できる年末調整ソフトを導入すれば、前年のデータを参照しながら入力できるため、ミスを減らせるでしょう。
また、翌年以降の入力効率も飛躍的に向上します。
年末調整ソフトを導入するデメリット
年末調整ソフトの導入を検討している企業の多くは、現在は紙の書類を使い年末調整を行っていることでしょう。新たに年末調整ソフトを導入した場合に考えられるデメリットをお伝えします。
紙の書類を使った年末調整と年末調整ソフトを利用した年末調整では、フローが大きく変わります。給与計算システムと連携させるのであれば、事前に連携が可能かをチェックしてください。
パソコン操作に不慣れな従業員からの反発も予想されます。従業員に対しては、年末調整ソフトの導入による従業員のメリットを丁寧に説明してください。
慣れるまでに時間がかかる、説明や教育をする手間がかかるといったデメリットは避けられません。最初のうちは、操作方法について質問が寄せられるケースも考えられるため、相談窓口も用意しましょう。
毎年大変な年末調整をソフト導入で効率化しよう
年末調整は、担当者にとっても従業員にとっても大きな負担です。年末調整ソフトを導入すれば、双方の負担軽減につながり、本来注力すべき業務に専念できるメリットがあります。導入を検討する際に、ぜひ本記事を参考にしてください。
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