【2024年最新】連結会計システムおすすめ11選比較|機能や選定のポイント
連結会計業務の効率化・適正化を実現する「連結会計システム」。企業全体の経営データの収集・集約が必要な連結会計は複雑でミスも起こりやすく、正確に行うためには連結会計システムの導入が必要です。本記事では、2024年最新のおすすめ連結会計システムを比較・紹介します。
目次
連結会計システムとは?
連結会計システムとは、複数の子会社やグループ会社の会計情報を統合し、スムーズに連結決算を行うためのツールです。
各社の会計データを自動で収集・集計し、連結財務表も自動で作成できるため、手作業では困難な会計作業を効率的に処理できます。
また、計算ミスや入力ミスなども防げるため、従来の会計管理にかかっていた時間を大幅に削減することが可能です。
連結会計システムにより組織全体の財務状況や業績を把握すれば、経営や投資の判断においても、正確な情報を得られるでしょう。複雑な会計処理を必要とする企業にとっては、非常に便利なシステムといえます。
連結会計とは?
連結会計とは、親会社・子会社などの支配従属関係にある企業群を、一つの組織としてみなし、親会社が全体の財務状況や経営状況を正確に把握するために連結財務諸表を作成する決算のことです。
連結会計を行えば、複数の会社の会計情報を統合して処理するため、より総合的な経営判断ができるようになります。この処理は「連結決算」とも呼ばれ、特に大規模な企業グループでは、財務報告の信頼性を高めるために必要不可欠なものです。
連結会計の対象となる企業
連結決算の対象となる企業は、原則として親会社から支配を受けるすべての子会社や関連会社です。ただし、一次的な支配、または重要性の低い子会社の場合は連結決算に含めなくてもよいとされています。
これをふまえたうえで、次の条件を満たす企業は連結会計の対象となります。
- 最終事業年度において、賃借対照表に資本金として計上された額が5億円以上
- 最終事業年度において、負債総額が200億円以上
- 親会社が50%以上の株式を保有し、経営方針に影響を与える
このような子会社は、連結決算で親会社と合わせて一体的に報告されます。
連結会計システムが必要な理由
連結会計を行うためには、子会社から必要なデータを収集し、会計上の規定をを守ったうえで連結財務諸表を作成する必要があります。
しかし、各企業の財務データを収集し、正確に取りまとめる作業は非常に複雑で時間がかかります。実際の業務には難解な処理が求められることもあり、手作業ではミスが起きやすく、子会社の数が多いほど作業負担も増加します。
こうした作業を自動化し、正確性と効率性を高めるために連結会計システムが必要とされているのです。
連結会計システムの主な機能
連結会計システムは、複雑な連結決算作業を効率化するためにさまざまな機能を備えています。以下の表で代表的な機能を紹介します。
機能名 | 詳細 |
データ収集・入力機能 | 各グループ会社の財務データを自動で収集し、統合 |
連結財務諸表作成機能 | 複数企業の財務情報を統合し、正確な連結財務諸表を作成 |
連結仕訳機能 | 連結決算に必要な仕訳を自動で生成 |
連結予算・予実管理機能 | 連結グループ全体の予算と実績を管理 |
帳票出力機能 | 必要な帳票を自動生成・出力 |
連結範囲機能 | 連結対象となる企業を柔軟に設定 |
多言語対応・外貨対応機能 | 国際展開企業向けの多言語・外貨対応 |
IFRS対応 | 国際会計基準に準拠した対応 |
セキュリティ機能 | 機密データを安全に管理 |
分析機能 | 経営判断に役立つデータ分析をサポート |
連結会計システムの選定のポイント
連結会計システムを選ぶ際には、業務に合った機能や導入後のサポート体制を確認することが重要です。この章では、連結会計システムの具体的な選定ポイントについて詳しくご紹介します。
使いやすく利便性は高いか
使いやすさと利便性は、連結会計システムを選ぶうえで特に重要なポイントです。エクセルで処理したデータをスムーズに取り込めるか、既存の会計システムやERPシステムと連携できるか確認しましょう。
これらの機能があれば、日々の業務が大幅に効率化され、システムの導入後もスムーズに運用を続けることができます。複雑な操作が必要ないシステムを選ぶことで、担当者の負担も軽減されます。
必要な機能が搭載されているか
業務に必要な機能が搭載されているか確認することも大切です。入力ミスを自動で感知する機能や、多言語・多通貨への対応、さらに国際会計基準(IFRS)への対応は、グローバルに展開する企業にとって必須ともいえる選定基準です。
また、管理会計に対応しているかどうかも、予算管理や経営分析を行う上で欠かせません。これらの機能が揃っているシステムを選ぶことで、業務の効率化と正確性を高めることができるでしょう。
企業の規模に対応できるか
企業の規模に応じたデータ処理能力があるかも確認しましょう。特に大企業では、膨大なデータを効率的に処理することが求められます。大量の会計データや複数の子会社を持つ企業でも、スムーズに連結決算が行えるシステムでなければなりません。
システムの処理能力が不足していると業務効率が低下し、ミスが増える可能性があります。企業の規模に対応できるかどうかは、重要な選定基準です。
クラウド・オンプレミス型どちらの提供形態か
連結会計システムには、クラウド型とオンプレミス型があります。
クラウド型はインターネットを通じて利用できるため、初期導入コストが低く、迅速な導入が可能です。一方、オンプレミス型は自社サーバーで運用するため、セキュリティやカスタマイズ性が高い反面、導入や維持管理にコストがかかります。
自社が求めるニーズに合わせて比較検討しましょう。
導入・運用にかかる費用はどのくらいか
導入・運用にかかる費用も重要なポイントです。
先でも述べたとおり、クラウド型システムは初期費用が比較的低く、月額利用料が発生します。一方、オンプレミス型は、初期導入費用やサーバーの保守管理費用がかさむことがあります。
自社の予算に応じて、どの程度の費用まで許容できるかを考慮し、長期的なコストパフォーマンスを見極めることが重要です。
充実したサポートが受けられるか
サポート体制も入念に確認しておきたい項目です。連結会計に関する法規や基準は変わることがあり、それに対応できるサポート体制が求められるからです。通常のシステム利用だけでなく、制度改正や経営体制の変更時にも適切なサポートが受けられるか確認しましょう。
システムの不具合やトラブル時だけでなく、経営の変化に合わせたカスタマイズやアップデートが迅速に行えるシステムを選ぶことで、安心して運用できます。
連結会計システムおすすめ11選比較
連結会計システムは多種多様です。そこで、数あるシステムの中から、機能や使いやすさ、などを比較して厳選したおすすめの11のシステムをご紹介します。
いずれもIFRSや外貨に対応しており、サポート体制も整っているため、導入後の運用もスムーズに行えるでしょう。自社に合った連結会計システム選びの参考にしてください。
マネーフォワード クラウド連結会計
直感的な操作性で使いやすさが魅力のクラウド型連結会計システムです。IFRSや外貨対応など、グローバル企業向けの機能も備えており、幅広い企業に対応可能です。迅速なアップデートやセキュリティ対策も万全で、導入後も安心して利用できます。
提供元 | 株式会社マネーフォワード |
機能 | 連結パッケージの収集を自動化・効率化、クラウドだから短期間・ 低コストで導入可能、リアルタイムで経営状況を確認、同時操作も可能など |
特長 | グループの経営状況をリアルタイムに把握、短期間・低コストの導入でグループ経営を加速、会計システムとAPI連携で単体決算データを自動収集など |
URL | 公式サイト |
DivaSystem LCA
DivaSystem LCAは、高度な連結会計業務に特化したシステムで、大企業や複数の子会社を持つグループ企業に適しています。複雑な仕訳や会計処理を自動化できるため、業務効率の向上に役立つでしょう。難しい会計の専門知識がなくても使いやすく、操作性にも優れています。
提供元 | 株式会社ディーバ |
機能 | データベース連携、テキストファイル連携、EXCELオンライン収集、進捗管理、制度/管理連結機能、自動処理、タスク管理、分析機能など |
特長 | 連結決算業務のデファクト・スタンダード、個別会計システム、監査法人、開示システムとつながる連結決算・開示エコシステムなど |
URL | 公式サイト |
OBIC7 連結会計システム
OBIC7 連結会計システムは、高い柔軟性とカスタマイズ性を備えたシステムで、企業の業務フローに合わせて最適化できます。セキュリティ面も強化されているため、安心して利用できるでしょう。多言語対応にも対応しているため、グローバル企業にも最適です。
提供元 | 株式会社オービック |
機能 | 連結データ収集、連結マップ外部データ受入、連結自動仕訳、連結予算管理、連結財務諸表、開示データ作成など |
特長 | 連結財務諸表や開示データの作成から連結予算管理までをフルサポート、子会社がOBIC7を使用の場合は財務会計・固定資産よりワンクリックで連結データの収集など |
URL | 公式サイト |
iCAS
iCASは、複雑な連結決算に強みを持っているシステムです。データ収集や連結仕訳の自動化により、業務のスピードアップとミスの軽減を実現。ユーザーインターフェースにも優れており、使いやすさが高く評価されています。
提供元 | 株式会社インプレス |
機能 | 子会社・グループ会社情報収集((FWD)、連結決算処理((CAM)、連結会計処理出力帳票・経営管理資料作成、経営管理内部統制・J-SOX法への対応(内部統制対応機能)など |
特長 | 監査法人と共同開発したシステム、20年以上の運用実績など |
URL | 公式サイト |
eCA-DRIVER
eCA-DRIVERは、迅速かつ正確な連結決算が強みの連結会計システムです。データ収集や仕訳の自動化により、煩雑な作業を効率化し、業務の負担を軽減します。操作性にも優れており、専門知識が少ない担当者でも扱いやすい点が魅力です。
提供元 | 株式会社 TKC |
機能 | データ入力、連結処理、帳票出力、IFRS対応、決算開示システム連携、内部統制対応など |
特長 | わかりやすいシステム、Web収集機能(クラウド運用)、データ連携、多様な連結決算ニーズに対応、サポート体制、保守料の範囲内でのレベルアップなど |
URL | 公式サイト |
BTrex連結会計
BTrex連結会計は、大規模企業向けに設計された高度な連結会計システムです。特に、柔軟なカスタマイズ機能が特徴で、企業独自の業務フローに合わせた運用が可能です。
操作も簡単でありながら高機能で、専門知識がなくても安心して使える点が、多くの企業から高く評価されています。
提供元 | 株式会社ビジネストラスト |
機能 | データ入力、連結処理、レポーティング、管理会計、範囲連結、開示連携など |
特長 | 検証性、操作性、サポート体制、制度対応(IFRS)など |
URL | 公式サイト |
BizForecast FC
BizForecast FCは、連結会計業務だけでなく、予算編成や予実管理もサポートする統合型システムです。特に、予算と実績の比較分析が簡単に行えるため、経営判断に役立つデータを迅速に提供できる点が強みです。シンプルな操作性なので、初めて利用する担当者でも使いやすいでしょう、
提供元 | プライマル株式会社 |
機能 | データ収集、連結処理、レポーティング・分析、業績評価・情報共有、開示対応など |
特長 | データ収集 連結(集計・消去)処理 レポーティングをトータルサポート、連結会計システムをグループ各社の(経営)情報を管理するために活用など |
URL | 公式サイト |
STRAVIS
STRAVISは、複雑な連結決算を効率化するために開発されたシステムで、大企業から中規模企業まで幅広く対応しています。データ収集や連結仕訳の自動化により作業時間を大幅に削減でき、業務の正確性を高められるでしょう。
また、シンプルで使いやすい操作画面を備えており、専門知識がなくてもスムーズな導入・運用が可能です。
提供元 | 株式会社電通総研 |
機能 | 連結会計、管理会計、グループ経営データ収集基盤、IFRS対応、サポートメニュー、メンテナンス支援など |
特長 | 幅広い業務カバー範囲と自動処理・便利機能、充実のサポートとアウトソーシング、蓄積したノウハウの提供など |
URL | 公式サイト |
SUPER COMPACT Pathfinder
SUPER COMPACT Pathfinderは、使いやすさと高いパフォーマンスを兼ね備えた連結会計システムです。シンプルなインターフェースにより、専門知識がなくても操作しやすく、導入時の負担を軽減。自動仕訳やデータ収集機能を持ち、連結決算業務の効率化を実現します。コストパフォーマンスが高い点も評価されています。
提供元 | 富士通株式会社 |
機能 | データ収集機能、連結決算処理機能、管理用資料作成機能など |
特長 | グループ経営管理の高度化、自動処理による決算業務の効率化、連結決算情報をリアルタイムに任意形式で表示など |
URL | 公式サイト |
Biz∫会計
Biz∫会計は、幅広い企業規模に対応した統合型連結会計システムです。使いやすいインターフェースに加え、柔軟なカスタマイズ性により各企業の業務フローに合わせた運用ができます。経営分析や予実管理もスムーズに行える点も強みです。
提供元 | 株式会社NTTデータ・ビズインテグラル |
機能 | 一般会計、債権管理、債務管理、管理会計、資産管理、リース・契約管理、資金管理、外貨管理、手形管理・電子記録債権管理など |
特長 | グループ利用を想定した仕組みで連結決算業務を効率化、標準機能を最大限に活用することで低価格・短期間での導入を実現など |
URL | 公式サイト |
CCH Tagetik
CCH Tagetikは、連結会計に加えて予算管理や予実分析なども一元管理できる高機能なシステムです。経営者向けの高度な分析機能も充実しており、経営判断に役立つデータを迅速に提供できる点も特徴の一つです。
提供元 | Wolters Kluwer N.V. |
機能 | 決算と連結、拡張プランニングと分析、ESGおよび規制報告、法人税、法定報告および経営報告、統合された開示、インテリジェント分析など |
特長 | 膨大な企業データセットを大規模に変換するAI搭載テクノロジー、より正確で効率的な決算・開示・レポーティング・プランニング・予測をサポートするAI搭載ソフトウェアなど |
URL | 公式サイト |
連結会計システムのメリット
連結会計システムを導入することで、業務効率化や正確性の向上など多くのメリットが得られます。この章では、具体的なメリットについて詳しく解説します。
連結会計業務を効率化・適正化できる
連結会計システムを導入することで、データの収集・集計や仕訳作業が自動化され、業務の効率化が実現します。適正な会計処理を自動で行えるため、正確で信頼性の高い連結財務諸表を迅速に作成でき、経営判断のスピードも向上するでしょう。
各グループ会社の財務データを一元管理し、統一された会計ルールのもとで処理することで、手作業によるミスや時間の無駄を削減できることも大きなメリットです。
特定の担当者に依存しない連結会計が実現する
連結会計システムの導入により業務が標準化され、特定の担当者に依存しない体制を築くことができます。
従来の連結会計業務は、特定の担当者の知識や経験に依存することが多く、担当者が不在の場合は業務が滞るリスクがありました。
しかし、連結会計システムを活用することで業務の手順が統一されるため、誰でも同じ作業品質で作業を行えるようになります。担当者の交代や業務分担がスムーズに進み、組織全体の業務効率も向上するでしょう。
企業全体の経営状況をリアルタイムで可視化できる
連結会計システムを導入することで、企業全体の営業成績や財政状態をリアルタイムで可視化・把握できます。これにより、最新のデータに基づいた迅速な意思決定ができるため、経営戦略の立案やリスク管理の強化にも役立つでしょう。
また、個々の財務状況を即座に確認できることも連結会計システムの強みです。特に複数の子会社を持つグループ企業では、全体の経営状況を統合的に把握し、効率的な経営判断ができるようになります。
正確な財務情報を開示できる
連結会計システムを活用することで、企業全体の財務状況を透明化し、外部ステークホルダーに対して正確な財務情報を開示できます。これにより、投資家や取引先など外部からの信頼が増し、企業信用度の向上が期待できるでしょう。
また、適切な財務報告ができることで、企業の健全な経営が証明され、取引先や株主からの評価も高まります。透明性のある財務情報は、長期的な企業成長においても重要な要素です。
連結会計システムのデメリット
連結会計システムにはメリットが多い一方で、導入時に考慮すべきデメリットも存在します。最後に、具体的なデメリットについて詳しく解説します。
会計ルールの統一・システムの設定に手間がかかる
連結会計システムを導入する前には、各グループ企業で異なる会計ルールや処理方法を統一する必要があります。これは、バラバラになっている会計基準や報告フォーマットを統一し、正確な連結決算を行うためにも欠かせない作業です。
また、各企業の特性に合わせたシステム設定も必要となり、多くの場合、初期設定に手間がかかります。この準備段階での時間と労力は大きいですが、導入後の効率化のためにも避けては通れない重要なステップです。
システム運用に関する教育が必要
連結会計システムは、複雑な財務プロセスやさまざまな会計基準に基づいて設計されています。そのため、システムを効果的に使いこなし、導入目的を達成するためには、担当者への適切な教育が不可欠です。
システムの基本操作から、データの入力方法、正確な財務報告の作成に至るまで、十分なトレーニングを要するでしょう。担当者教育にも時間と労力がかかりますが、運用体制を整えることで、業務効率化や精度向上につながります。
導入・運用に費用がかかる
連結会計システムによっては、初期費用や運用コストが高額になる場合があります。特に、システムのカスタマイズや各企業の会計ルールに合わせた設定には専門的なサポートを要するケースがあり、その分導入費用も高くなるのです。
また、運用に関しても、システムの維持管理やアップデートに伴うコストがかかります。。予算内に収めるためには、導入前に費用対効果を十分に検討したうえで、長期的な費用計画を立てることが大切です。
おすすめ連結会計システムを比較し最適な製品を導入しよう
連結会計システムは、企業の財務管理を効率化し、経営判断の迅速化に役立つツールです。
導入には費用や手間がかかることもありますが、長期的にみると業務効率や正確性を向上させるメリットがあります。特に、子会社やグループ会社が多く、複雑な会計処理を必要とする企業にとっては欠かせないシステムといえるでしょう。
選ぶ際は、各システムの特徴や機能の違いを比較検討したうえで、費用対効果を確認することが大切です。
自社の規模やニーズに沿った最適システムを導入し、連結会計業務をよりスムーズに進めましょう。
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