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経費精算のペーパーレス化で業務負担を軽減!方法や期待できる効果・事例を紹介

2023/01/24 2024/11/25

経費精算システム

経費精算のペーパーレス

申請・承認に膨大な労力を要する経費精算。従来は領収書を1枚ずつ確認して仕訳が行われていましたが、昨今では政府による働きかけによりペーパーレス化が普及促進されています。本記事では、経費精算ペーパーレス化のメリットや事例とともに、ペーパーレス化の方法を解説します。

経費精算のペーパーレス化は進めるべき

昨今の環境変化により、多くの企業がテレワークを導入しています。

テレワークが増えたことで、対面で行ってきた業務フローが見直され、出社しなくても承認や申請が行える体制を構築する必要が出てきました。

その中でも、かねてより業務効率や工数が問題視されていた業務は、経費精算業務です。進化を続けるデジタル技術を活用した経費精算業務のペーパーレス化は、ある法律が改正されたことで、大きく前進しました。

それが、令和4年1月に施行された「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下、電子帳簿保存法)」です。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法は、これまで紙で保存が義務付けられていた帳票類のデータの電子保存を認め、電子保存にかかる各種手続きや義務事項を定めた法律です。

この法改正が対象となるのは、以下の3つに分けられます。

  • 国税関係帳簿
  • 国税関係書類
  • 電子取引

上記各分類の対象となる帳票や書類は、作成ややり取りの方法などの観点からさらに区分けされ、それぞれに対して紐付けられた条項に準ずる形で保存措置を取る必要があります。

それぞれの帳簿や書類がどのように分類され、どの条項と紐付けられるかについては、下記の区分け表を参考にしてください。

[引用:弥生株式会社「電子帳簿保存法の対象と区分」より]

令和6年(2024年)1月1日以降は、このような区分けに準じた方法での保存措置が義務付けられます。

加えて今回の法改正により、これまで国税関連書類の電子保存の際に必要とされていた、税務署長の事前承認制度が廃止されることでより電子保存が容易になりました。

電子帳簿保存法の経費精算に対する影響は?対応要件やシステム選定のポイント

紙で経費精算をする場合の課題

紙で経費精算をする場合、さまざまな課題が発生します。どのような課題が発生しやすいかを詳しく見ていきましょう。

申請書類の不備が発生し、処理が遅れてしまう

よくある課題の一つに、申請書類の不備による処理の遅れがあげられます。

例えば、記入漏れや領収書の添付漏れなどがあると、経費処理が行えず差し戻す必要があります。その分処理が遅れてしまい、経費を立て替えている場合は従業員への精算も遅くなるため注意が必要です。

計算・入力ミスが多くなる

紙の経費精算は手作業で書類を記入する必要があるため、ミスが発生しがちです。

修正のために差し戻す必要があるので、処理の遅れにもつながります。また、差し戻した書類の修正・再確認を行わなければならず、申請者や承認者の負担も増えてしまいます。

経費の不正使用が発生しやすい

紙で経費精算を行う場合、領収書がない経費が紛れて申請されたり、手書きの領収書を改ざんして申請されたりするなど不正が発生しやすくなります。

特に経理担当者の人数が少なく一人あたりの負担が大きい場合や、チェック体制が整っていない場合などには不正を見逃してしまう恐れがあります。

経費精算のペーパーレス化で期待できる効果

経費精算のペーパーレス化によって、人的ミスの防止や処理のスピード向上など、さまざまな効果が期待できます。ここからは、期待できる効果を詳しく紹介します。

人的なミスを防止できる

経費精算システムで経費精算をペーパーレス化すると、経費の自動計算や項目の自動入力などが行えます。これにより、計算ミスや入力ミスを未然に防ぐことが可能です。

結果的に差し戻しも発生しづらくなるため、申請者や承認者、経理担当者の負担も軽減できるでしょう。

申請〜承認までのスピードが向上する

経費精算システムによってクラウド上ですべての作業が完結すると、紙で申請書のやりとりを行っていた対面型の承認フローよりも格段に業務効率が向上します。

申請者は外出先や自宅から申請でき、承認者が遠隔地にいる場合でもその場で申請されたデータを確認して承認することが可能です。これにより、申請〜承認までのスピードが大幅に向上する効果が期待できます。

経理担当者もシステムを介して常にリアルタイムに申請・承認状況を確認できるため、場所に関係なくスムーズに精算業務を行える点もメリットです。

コスト削減につながる

紙保管からデータ保管に切り替えることで、これまで書類の印刷にかかっていたコストを大幅に削減可能です。

また、紙保管には印刷用紙からファイル、書類ボックスやキャビネット、文書保管スペースなど、さまざまな物理的コストが発生しています。しかし、ペーパーレス化によって紙保管は不要となるため​​物理的コストも削減できます。

セキュリティ性が向上する

紙の申請書や帳簿を使用した経費精算業務は、情報の安全な取り扱いという観点から、さまざまなリスクが生じる恐れがあります。

例えば、「規定の保管期間内にある書類を誤って破棄・紛失してしまった」「書類が盗難されてしまった」などの事態がリスクとしてあげられるでしょう。

ペーパーレス化で紙を使用しなくなると、物理的な紛失や廃棄、盗難の可能性を最小限に抑えられます。また、チェック機能が優れたシステムであれば、証憑書類の改ざんや虚偽申請のリスクも軽減されるというメリットもあります。

過去データの検索性が向上する

紙の経費精算は膨大な量の書類を扱うため、過去のデータを参照したい際も該当の書類を見つけ出すのに時間がかかります。

しかし、ペーパーレス化を実現すればキーワードや日付から検索が行えるため、必要な書類をすぐに見つけ出すことが可能です。手間もかからず、作業効率を大幅にアップできるでしょう。

経費精算をペーパーレス化する方法

経費精算のペーパーレス化は、どのように行えばよいのでしょうか。ここからは、ペーパーレス化する方法を3つ紹介します。

電子帳簿保存法に対応する

電子帳簿保存法とは、各種帳簿や書類などを電子データで保存することを可能とする法律です。要件を満たすことができれば、帳簿や領収書、契約書などの書類をすべて電子データとして保存できます。

電子データで保存するには管轄税務署長の承認が必要となるため、 電子保存を開始する3か月前までには申請書や必要書類を提出して、承認を受けなければなりません。

承認を受けると、​​電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引データ保存の3種類の方法でデータ保存が認められるようになります。

キャッシュレス決済を利用する

キャッシュレス決済を利用すると、手軽にペーパーレス化の実現が可能です。

例えば、備品や消耗品の購入は法人カードを使用したり、公共交通機関を利用する際は交通系ICカードを使用したりすると、利用明細を電子データとして活用できます。領収書をスキャナなどで読み取って電子化する必要もなく、業務効率も向上します。

経費精算システムを活用する

経費精算をペーパーレス化する際に特におすすめなのが、経費精算システムの活用です。経費精算に関する書類をシステム上で簡単に作成できるようになり、申請やチェック、承認もシステム上で完結します。

経費精算の一連の流れがすべてペーパーレス化できる点が大きなメリットです。たとえ入力ミスや入力漏れがある場合でも、多くの経費精算システムにはチェック機能が備わっているためその場で修正でき、差し戻しの手間もかかりません。

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経費精算をペーパーレス化した場合の業務の流れ

経費精算をペーパーレス化した場合、紙ベースの場合と比べて業務の流れに変更が生じます。

ここからは変更後の業務の流れを紹介するため、ペーパーレス化したあとのイメージがつかない方は参考にしてみてください。

システム上で経費精算の申請書を作成

まずは、領収書を経費精算システムにアップロードします。基本的にはスマホで撮影して自動的に読み込むことが可能です。

アップロード後に経費精算の申請書を作成します。経費精算システムを活用すれば、経費の種類や使用用途などはあらかじめ選択肢を作成して、入力項目自体をなくすことも可能です。

入力項目がなくなれば、入力ミスや漏れなども防げます。

上長〜経理部が申請内容を確認

申請書の申請が完了したら、あらかじめ設定した承認経路に沿って上長〜経理部へ承認依頼が届きます。内容を確認し、問題がなければ承認が得られます。

マルチデバイス対応の経費精算システムであれば、スマホやタブレットなどからも申請内容を確認できるため、迅速な承認作業が可能です。

会計ソフトに自動仕訳

経費精算システムと会計ソフトを連携させると、決裁された内容を自動仕訳できます。手作業で仕訳する必要がないため手間がかからず、ミスも減らせる点がメリットです。

ほかにも、振込依頼のデータも自動作成できるため振込先の情報を入力する必要がなく、処理を円滑に行えます。

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システム上で経費精算のデータを保管

経費申請のデータは、システム上で保管することが可能です。これにより書類を保管する手間やコストがかからず、印刷などの手間も省けます。また、過去のデータはシステム上で容易に検索できるため管理も楽に行えます。

経費精算の書類は繰越欠損金控除を受ける場合は10年間、通常は7年間の保管が必要ですが、システム上であれば紛失の恐れもなく長期的に保存可能です。

経費精算をペーパーレス化する際の注意点

さまざまなメリットがある経費精算のペーパーレス化ですが、一方で気をつけなければいけない点もあります。

ここからは、経費精算をペーパーレス化する際の注意点を3つ紹介します。

保存要件を満たす必要がある

書類を電子データとして保存する場合は、電子帳簿保存法で定められた保存要件を満たす必要があります。

要件を満たせなければ法令違反となり、罰則が課せられる恐れがあるため注意しましょう。なお、電子帳簿保存法における保存要件は以下のとおりです。

要件帳簿書類
記録事項の訂正・削除を行った際は、その事実及び内容を確認できる電子計算機処理システムを使用すること-
通常の業務処理期間を経過したあとに入力した場合は、履歴を確認できる電子計算機処理システムを使用すること-
電子化した帳簿の記録事項と関連するほかの帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できること-
システム関連書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)を備え付けること
保存場所に電子計算機、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、記録事項を画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
取引年月日、取引金額、取引先により検索できること-
日付または金額の範囲指定により検索できること-
2以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること-
税務職員による質問検査権による基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしておくこと

[出典:国税庁「はじめませんか、帳簿書類の電子化!」]

従業員への周知や教育を実施する

ペーパーレス化は、ITツールの操作に慣れている従業員であれば問題なく対応できますが、不慣れな従業員の場合は操作できるようになるまで時間がかかることがあります。

そのため、経費精算システムの操作方法やペーパーレス化の方法をしっかりと従業員へ周知して教育を実施しなければなりません。

教育を行わずに運用するとさらに業務効率化が悪化するため、事前に十分な周知や教育が必要です。

セキュリティ対策を万全にする

クラウド型経費精算システムを使用したり、電子データをクラウド上に保存している場合は、インターネットに接続されているため絶対に安全とは言い切れません。もしも取引先の情報や個人情報などが漏えいすれば、企業の社会的信用の失墜につながります。

そのため、データの暗号化やユーザーごとに権限を設定してアクセス制限が行えるなど、セキュリティ対策が十分に備わったシステムを導入しましょう。万が一のデータ損失に備えて、自社でバックアップを取っておくことも大切です。

経費精算のペーパーレス化を実現した企業事例

ここからは、実際に経費精算のペーパーレス化を実現した企業事例を2つ紹介します。参考にしながら、自社における経費精算のペーパーレス化の実現をイメージしてみてください。

株式会社アイレックス

株式会社アイレックスは、総合的なソフトウェアサービスを提供する企業です。

同社では経費精算をすべて紙で行っており、経費申請に関する書類を1か月に約450枚、領収書も併せると900枚ほどを経理担当者が手作業で処理していました。経費申請があるたびに担当者が出社しなければならず、処理もスムーズに進まないことなどを課題としていました。

そこで経費精算システムを導入して、経費精算に要する時間を2分の1に短縮することに成功しています。経費申請に要する書類も、900枚から40枚にまで減らすことができました。

特に交通費の経費精算では、交通系ICカードや乗換案内サービスとの連携によって、正確なルートや金額の把握を容易に行えるようになったことがメリットとしてあげられています。

[出典:楽楽精算「経費精算のペーパーレス化に成功し、業務負担が半減した事例」]

株式会社スタディスト

株式会社スタディストは、BtoB向けのクラウドサービス事業を展開する企業です。

同社では、テレワークの機会が増加したため領収書のペーパーレス化に対応すべく、電子帳簿保存法の適用を検討していました。すでに経費精算システムを導入していましたが入力ミスや差し戻しも多く、そのシステムでは電子帳簿保存法への対応が難しいことを課題として抱えていました。

そこで新たな経費精算システムを導入し、申請者や承認者、経理担当者などすべての従業員が業務効率化を実感するほどの成果を上げています。法人カードとの連携もできるようになり、経理の業務負担の削減を実感しています。

[出典:SAP Concur「経費精算のペーパーレス化と全社員の業務効率化を実現【お客様事例】株式会社スタディスト」]

経費精算のペーパーレス化を進めよう

経費精算は、働くうえで必要不可欠な手続きでありながらもノンコア業務に分類されることから、申請や精算にかかる工数負荷を最小化することが求められています。

電子帳簿保存法の改正が進むことで、今後もペーパーレス化は推進されることが予想され、経費精算業務の効率化や生産性向上への取り組みは加速していくでしょう。業務効率や生産性を向上するためには、経理担当者だけではなく、企業全体でペーパーレス化の必要性を共有し、一丸となって取り組んでいくことが大切です。

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